「屋上からみんなでバルーンを飛ばしたよ!」
「屋上にある素敵なバーにいかない?」
「屋上の緑化事業に力を入れているんだ。」
このような会話を一度は耳にしたことがありませんか?
限られた土地を有効活用するために欠かせない屋上スペース。家やビルなど建物の屋根は英語で“roof”と言いますが、屋上は英語で何と言うのが正しいのでしょうか?
今回は、屋上を表す英語“rooftop”を使った表現に加え、屋上を示す「RF」と「PH」の違いを解説します。屋上にある海外の有名な観光地も紹介するので、最後までチェックしていってください。
屋上を表す“rooftop”の使い方
屋上は英語で“rooftop”です。“roof”は日本語で「屋根」を意味し、「屋根の上」=“rooftop”と言われています。“rooftop of~”で「~の屋上」と表現するのが一般的です。
You can climb up to the rooftop if you want.
訳)屋上に上ることもできますよ。
For your own safety please don’t go on the roof.
訳)危ないので屋上へは出ないようにしてください。
“rooftop”を使った表現はいろいろあります。夜景を楽しめるテラスがあったり、子どもが遊べる広場になっていたり、日本にはビルの屋上を利用したさまざまな施設がありますよね。そんな素敵な屋上空間を説明したいときに使える英語を紹介します。
The rooftop bar of the hotel also sets up a large TV and directs a fun dinner.
訳)ホテル屋上のバーでは、大型TVが設置され楽しいディナーを演出してくれます。
The roof of the department store has become a lovely terraced patio.
訳)デパートの屋上は、素敵なガーデンテラスになっています。
There’s a rooftop observation deck that boasts great night views.
訳)屋上の展望台からは素晴らしい夜景が見られます。
There is a play area with playground equipment in the rooftop park, which is popular among kids.
訳)屋上広場には遊具が設置され、子どもたちに人気の遊び場があります。
屋上駐車場や立体駐車場を説明するときは、以下のような表現を使います。
My car is parked in the rooftop car park.
訳)私の車は屋上駐車場に停めてあります。
I looked for a multistory parking lot in the parking garage, but they were all full.
訳)立体駐車場で停めるところを探しましたが、満車でした。
Multistory parking spaces tend to cost money.
訳)立体駐車場は有料のところが多いです。
屋上を示す「RF」と「PH」の違い
エレベーターの階数表示で「RF(R)」や「PH(P)」と書かれているのを見かけたことはありませんか?最上階の上にあるので、なんとなく「屋上かな?」と認識している人も少なくないでしょう。
「RF」と「PH」どちらも、屋上を表していることに間違いはありません。しかし、建物の構造上、2つには明確な違いがあるので解説しておきます。
「RF(R)」
意味:roof floorの略
- 一般的な屋上を指す
- 日本語で「R階」と呼ぶこともある
- エレベーターで屋上へ行ける場合に表示されていることが多い
「PH(P)」
意味:penthouseの略
- 屋上に設置された小さな小屋(塔屋)を指す
- エレベーター室や空調機器のスペースとして設計されている
- 倉庫や給水タンク置き場として利用する建物も多い
- 外壁を広告として使用するケースもみられる
ちなみに、日本とヨーロッパでは階数の数え方が違います。日本では地面の直上の階が1階ですが、ヨーロッパや香港、マカオなどの東アジアでは、地面の直上の階を0階、その次が1階、2階と順に上がっていきます。日本の1階はヨーロッパでは0階(地上階)、日本の2階がヨーロッパでは1階を指すので、現地を訪れた際には注意が必要です。
屋上にある海外の有名な観光地
高層ビルが立ち並ぶ東京では、目黒天空庭園やギンザシックス、ミヤシタパークなど、商業施設の屋上に、都会の喧騒を忘れさせてくれるオアシスのような場所がたくさんあります。
屋上を利用した施設は海外にも多くみられ、プールやバー、カフェ、農園など、レジャーやエンターテインメントの中心として世界中から人気を集めています。なかでも有名な屋上にある海外の観光地を紹介していきましょう。
Marina Bay Sands(マリーナ・ベイ・サンズ)
2011年に開業したMarina Bay Sands(マリーナ・ベイ・サンズ)は、シンガポールのマリーナ・ベイに面した統合型リゾートホテルです。
3棟を渡るように設計されたスカイパークには、全長146m高さ191mの世界最長の屋上プールがあり、「天空に最も近いプール」ともいわれています。まるで空に浮かんでいるかのような感覚を味わえ、一度見たら忘れられないほどの絶景を眺められると人気です。
Copen Hill(コペン・ヒル)
2019年、デンマークの首都コペンハーゲンに出現したCopen Hill(コペン・ヒル)は、その名の通り「コペンハーゲンの丘」をイメージした巨大な複合施設です。元々発電所だった建物を建て替え、廃棄物を再生電力に変えるエネルギープラントの役割を果たしています。
屋上には、人工芝と天然芝を融合させたスロープが広がり、周囲には北欧を代表する木々や植物が植えられています。鳥や虫たちと共生する「ルーフ・ナチュラルパーク」をイメージし、スキーやジョギング、ハイキング、ボルタリングなど、さまざまなレクリエーションを楽しめるのが特徴です。近年話題になっているサスティナビリティを実現する施設として、世界中から注目されています。
Casa Mila(カサ・ミラ)
1906年から1910年にかけて建てられたCasa Mila(カサ・ミラ)は、スペインカタルーニャ州の州都、バルセロナにある歴史的建造物です。1984年にはユネスコの世界遺産にも登録されました。
直線的なデザインを一切もたない構造で、天井や壁はすべてが波打っており、砂丘や溶岩を思わせる異様な雰囲気を放っているのが特徴です。独特な加工を施した煙突群と階段を巡っていると、まるで夢の中にいるような幻想的な体験ができます。
Nature Urbaine(ナチュール・ユーベンヌ)
2020年フランスの首都パリのマレ地区に、巨大な屋上菜園Nature Urbaine(ナチュール・ユーベンヌ)が誕生しました。面積14,000㎡サッカーフィールドおよそ2つ分の屋上菜園は、欧州最大の広さを誇っています。
Nature Urbaine(ナチュール・ユーベンヌ)で収穫した作物は、併設のレストランで味わえるだけでなく、地元のスーパーでも簡単に買えるのが特徴です。土を一切使わずに、水を循環させて作る垂直栽培を採用しており、農薬・化学肥料不使用の野菜をはじめ、ハーブティーやビール、はちみつ、ヌガーなどが種類豊富に揃っています。
屋上空間を活かしたプールや庭園、農園は上記以外にもたくさんあります。訪れた際には、喧騒から離れ、非日常を味わえる特別な時間をじっくりと堪能してみてはいかがでしょうか。
まとめ
屋上を表す英語“rooftop”を使った表現と、屋上を示す「RF」と「PH」の違い、屋上にある海外の観光地を紹介しました。
屋上は英語で“rooftop”です。日本では「R」や「RF」と表すことが多く、建物によっては「P」や「PH」と記される場合もありますが、同じ屋上でも指しているものが異なるので覚えておくとよいでしょう。
海外旅行の際には、プールや庭園など魅力あふれる屋上スポットを訪れてみるのもおすすめです。