“if”の基本的な使い方は、「もし~なら」という条件を示す英語表現です。

日常会話や資格試験でもよく目や耳にする“if”ですが、仮定の意味を表すさまざまな使い方があります。

“if”と聞くと中学で学習した仮定法を思い浮かべる方が大方のはずです。

“if”の用法を改めて聞かれると、「仮定法って構文があったけど、使い方や意味もよくわからない。」と悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。

そこで、本記事では「“if”についてどのような使い方があるのか整理したい。」という方に向けて、 “if”の意味や使い方について例文付きで解説しています。

最後まで記事をチェックしてもらえれば、“if”に関することをおさらいできます。

“if”について知りたくてこの記事にたどり着いた方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

“if”とは

”if”は接続詞で、主に条件を表す節(条件節)を導きます。

節とは、主語と述語を含み2語以上のかたまりのことです。

”if”には名詞節、副詞節としての用法があります。

例文付きでそれぞれ確認しましょう。

名詞節の”if”

名詞節の"if"

名詞節の”if”は「~かどうか」の意味を表します。

名詞と同様に主語にも目的語にも補語にもなり、多様な使い方ができる便利な表現です。

“if”+主語+動詞の形をとり、”if”の後ろは通常肯定文になりますが、否定文になることもあります。

時制は、現在、過去、未来等、どの時制でも使うことができます。

主語、目的語、補語としての使い方を確認しましょう。

主語としての名詞節の”if”の使い方

主語は文頭に置きますが、”if”文はそのまま主語として使うことができません。

そのため、形式主語のitを使います。

Aさん
It is not certain if it will be clear tomorrow.
訳)明日、晴れるかどうかははっきりしません。
Aさん
It is not a problem if he can be trusted.
訳)彼が信頼できるかどうかは問題ではありません。

目的語としての名詞節の”if”の使い方

“if”を名詞節で使用する場合に、目的語として使われるのが一般的です。

Aさん
She is not sure if she can go to Japan.
訳)彼女は日本に行くことができるのかどうか、わかりません。

Aさん
We don’t know if he is at home.
訳)彼が在宅かどうか、私たちは知りません。

補語としての名詞節の”if”の使い方

あまり使用されないですが、補語としても使用することができます。

Aさん
The problem is if she will be able to come tomorrow.
訳)問題は彼女が明日来られるかどうかです。

Aさん
The key is if he can be trusted.
訳)重要なのは彼が信頼できるかどうかです

副詞節の”if”

副詞節の"if"

副詞節の”if”は「もし~なら」の意味を表し、仮定を表す節をとります。

副詞節としての”if”には直説法、仮定法と呼ばれる使い方があります。

どちらも基本イメージは条件や仮定です。

直説法

ある特定の条件のもとで、生じる不確実なことを表します。

現実に、現在もしくは近い未来において起こりそうなこと、話し手が起こりそうと思っている事柄について言うときに使用します。

“if”+主語+現在時制の動詞, 主語+will+動詞の原形の形で、「もしも~ならば・・・でしょう」と推量的な表現になります。

Aさん
If she knows about it, he will tell you.
訳)もし彼女がそれについて知っているなら、あなたに話すでしょう。

Aさん
If it rains, I will stay home.
訳)もし雨が降るなら、私は家にいます。

仮定法

現実には起こり得ない出来事や、話し手が起こり得ないと思っていることについて言うときに使用します。

「もしも~だったら・・・だったのに」という意味で、現実とは異なっていることを伝える表現です。

現実に起こっていない仮想のことであることを表すために、時間軸をずらすことで表現している用法です。

仮定法には以下3つの種類があります。

  • 仮定法過去
  • 仮定法過去完了
  • 仮定法未来

それぞれ例文付きで確認しましょう。

仮定法過去

「もしも~だったら・・・するのに」という意味で、現在の事実と反対の仮定を表す場合に用います。

「仮定法過去」という用法ですが、過去の話ではなく現在の話をする時に使う表現です。

“if”+主語+動詞の過去形, 主語+助動詞の過去形+動詞の原形の形をとります。

Aさん
If I had money, I would buy this bag.
訳)お金があったら、この鞄を買うのだけど。

ショッピングで素敵な鞄を見つけ、購入しようと思ったが、自由になるお金がなかったときに例文のように表現できます。

「鞄を買わない」という事実と反対の仮定を表しています。

Aさん
If I were sick, I would not go to work.
訳)私が病気だったら、仕事に行かないのに。

どちらの例文も”if”節の主語が”I”にもかかわらず、”were”を使用しています。

仮定法のbe動詞はwereを使うというルールに基づいています。

if節の動詞が過去形だからといって、常に「仮定法過去」とは限りません。

次の例文を見てみましょう。

Aさん
If you knew her address, why didn’t you tell it to me?
訳)彼女の住所を知っていたなら、どうして私に教えてくれなかったのですか?

例文のような場合は、過去の実際の出来事のことを話していて、仮定法ではありません。

仮定法過去完了

「その時~できていれば、・・・しなかった」という意味で、過去の事実と反する仮定を表現するときに使用します。

実際には、実現できない過去の願望や想像を表現します。

“if”+主語+動詞の過去完了形, 主語+助動詞の過去+have+過去分詞の形をとります。

Aさん
If you had left earlier, you wouldn’t have missed the bus.
訳)早めに出発していれば、そのバスに乗り遅れなかったのに。

Aさん
We could have visited the amusement park, if your friends had been ready.
訳)あなたの友人たちの準備ができていたら、遊園地を訪れることができたのに。

どちらの例文も、実際には起こらなかった過去の事柄について、「もし~だったなら」と過去を振り返っている文章です。

過去完了形を使っていますが、時制としては単純な過去です。

仮定法未来

未来を表す仮定法は、未来のことで起こり得ないことを表現する方法です。

未来のことはまだ起こる前の不確実な事柄で全て仮定になりますが、起こる確立が極めて低いことに関して仮定法未来を用いて表現します。

“if”+主語+should/were to不定詞,主語+助動詞の過去形+動詞の原形の形をとります。

”if”節で”should”もしくは”were”+to不定詞を使いますが、起こる可能性が極めて低いもしくは全く実現しない場合に”were”+to不定詞を使用します。

Aさん
If we should not be busy tomorrow, we would come.
訳)もし明日忙しくなければ、行きます

Aさん
If the sun were not to rise, we would die.
訳)もし太陽が昇らなくなれば、私たちは死ぬだろう。

まとめ

“if”の意味や使い方について解説しました。“if”を用いた構文の意味や使い方について理解できましたでしょうか?

“if”にはさまざまな用法があり、日常会話や資格試験など至るところで目にする表現です。

今回のようによくわからない表現に出会ったら、意味や使い方を確認しましょう。使いこなせると便利な表現”if”を実際に、英会話や英作文で使用し身に付けましょう。文の仕組みを理解して習得していくことが英語力のアップに繋がります。