カーディガンは、季節の変わり目などの羽織ものとして便利ですよね。

そのまま上着として使ってもよし、他の上着の中着として使ってもよしと万能なので、皆さんのワードローブにも1着はあるのでは。

しかし、そんなカーディガンは英語でも通じるのでしょうか? もしかしたら和製英語で、海外だと別の呼び方があるのかもしれませんね。

ということで、今回のテーマは「カーディガン」です。英語での正しい呼び方について、語源などを踏まえつつ詳しく確認していきましょう。

また、記事の後半では「パーカー」や「ダウンジャケット」など、その他の羽織ものの呼び方についてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

それでは、早速始めていきましょう!

「カーディガン」は英語で何て言う?

肌寒いときに便利な羽織もの「カーディガン」は、英語でも “cardigan” と言います。発音記号は「kάɚdɪg(ə)n」で、カタカナ英語そのままでも通じます。

そもそもカーディガンとは、前開きになったセーター(sweater)のこと。そのため、同じ素材の洋服であっても、前にボタンが付いていたら cardigan、ボタンが無くて上から被る仕様だったら sweater と呼ぶのが一般的です。

このあたりの事情も、日英でほとんど同じなので問題ないでしょう。

Aさん
I made this cardigan from a pullover sweater.
訳)プルオーバーのセーターから、こんなカーディガンを作ったよ。
Bさん
Oh, you’re good with your hands.
訳)へえ、手先が器用なんだね。

 

“cardigan” の語源は?

カーディガン(cardigan)という呼び方は、その発案者の名前を由来としています。

時は遡り19世紀、当時勃発していたクリミア戦争に従軍していたイギリスの伯爵「カーディガン」氏は、兵士たちが防寒用に着用していたセーターを見て、以下のように思ったそうです。

Aさん
We need to pull on sweaters in the cold field, but those injured can’t do it easily. Then, it’s more useful to open the front of sweaters?
訳)寒いところではセーターを被って着なければいけないが、負傷した兵士にとっては簡単ではない。では、セーターの前を開けたらもっと便利なのではないか?

そうして生まれたのが、現在のカーディガンの原型だと言われています。

つまり、カーディガンとはもともと、負傷した兵士が着やすいように工夫されたセーターのことだったんですね。

その使い勝手が良かったことから、戦争が終わった後もカーディガン伯爵の名前を通称として広まり、そのまま “cardigan” が正式名称として定着したようです。

余談ですが、カーディガンに限らず、昔の衣服は被って着用するプルオーバー(pull over)タイプが多かったようです。そのため、ビンテージのシャツなどを古着で探すと、時代の古いものはボタンが付いていなかったり、付いていても首元に数個だけだったりと、現代のものとは違っていて面白いですよ。

「カーディガンを着る(羽織る)」は英語で何て言う?

「カーディガンを着る(羽織る)」は英語で何て言う?

洋服を着ることは、通常 “put on” を使って表すので、カーディガンもそのまま “put on a cardigan” と言って問題ありません。しかし、カーディガンの「羽織る」ニュアンスを表したいなら、”slip on a cardigan” とするのが良いでしょう。

“slip on “ とは「(滑らせて)着る」という意味の動詞。カーディガンは普通、左右の腕から滑らせて着用するため、slip on の語感がぴったりなんです。

ちなみに、slip on は紐無しの靴である「スリッポン(slip-on)」の語源にもなっています。

Aさん
I usually slip on a shirt first, and slip on a cardigan on it, and slip on pants and a slip-on.
訳)私は普段、シャツを羽織ってその上にカーディガンを羽織って、ズボンを履いてからスリッポンを履くよ。
Bさん
You slip too much.
訳)めちゃくちゃ滑ってんなー。

 

カーディガン以外の羽織ものは英語で何て言う?

hoodie

季節の変わり目などに重宝する羽織ものは、カーディガン以外にも存在します。

ここでは、その代表例として「パーカー」と「ダウンジャケット」を、そして「羽織もの」自体を英語で何と言うか詳しくご紹介します。

「パーカー」in English

カーディガンと同様、ちょっと肌寒いときに便利なのが「パーカー」ですね。

そんなパーカーは、英語では “hoodie” と呼ぶのが一般的。日本と同じように “parka” と言ってしまうと、氷点下でも耐えられそうな、本格的な防寒着を指すのでご注意を。

Aさん
I’ll take the parka.
訳)その防寒着をください。(※パーカーと言っているつもり)
Bさん
Parka? Which one? It’s spring now, so we don’t have winter clothes.
訳)防寒着? どれのことですか? 今は春なので、冬用の防寒着は取り扱っていませんよ。

 

ちなみに、hoodie とは「フード付きの服」という意味の俗称で、正式には “hooded sweatshirt” と言います。直訳すると「フード付きのスウェット(トレーナー)」ということですね。

「ダウンジャケット」in English

分厚いダウンジャケットは真冬用ですが、薄手のものなら春明の羽織ものとしても人気ですよね。

そんなダウンジャケットは、英語でも “down jacket” でOK。ここで言う “down” は「下」ではなく「羽毛」という意味。同じスペルではありますが、まったく語源の異なる別単語です。

また、薄手のものと強調する場合は、 “light down jacket”“lightweight down jacket” と呼ぶこともあります。薄い(thin)ことよりも軽さ(light)に着目して表現するのが一般的です。

Aさん
Recently, many shops have lightweight down jackets.
訳)最近では、たくさんのお店が薄手のダウンジャケットを売ってるよね。
Bさん
Yeah. They’re very useful to use as light outers themselves and inner of other outers.
訳)そうだね。軽い上着としてはもちろん、他の上着のインナーとしても便利だよね。

 

ちなみに、ダウンジャケットのような中綿入りのジャケットは “puff jacket”、”puffer jacket” とも呼ばれます。

puff は「息を吹いて膨らます」という意味で、フワフワと膨らんだものを指す際によく使われます。女性にとっては、化粧品で使われる「パフ」が身近でしょうか。

そして puffer は「膨らんでいるもの、膨らませるもの」ということで、なんと「フグ」を表すんだとか。つまり、puffer jacket は「フグみたいに見えるジャケット」。

うーん、言い得て妙ですね…。

Aさん
Hey, you look like a puffer fish in that jacket.
訳)ねえ、そのジャケット着てるとフグみたいだよ。
Bさん
You’re so mean!
訳)ひどい!

 

「羽織もの」in English

英語でも「羽織もの」という語感を表現したければ、”something to slip on” が良いでしょう。

slip on は先述の通り「(滑らせて)着る」という意味なので、”something to slip on” とすることで、「滑らせて着る(羽織る)何か⇒羽織もの」というニュアンスを表すことができます。

Aさん
I put in my bag something to slip on such as a cardigan between seasons.
訳)季節の変わり目は、カーディガンのような羽織ものをカバンに入れています。

まとめ

今回は「カーディガン」について詳しく確認してきました。

前開きのセーターであるカーディガンは、英語でもそのまま “cardigan” と言います。発案者であるカーディガン伯爵の名前を取った正しい英語なので、安心して使ってOKです。

季節の変わり目は気温の変化で体調を崩しやすいので、カーディガンなどの羽織りものを使って、上手に体温調節していきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!