カジュアルファッションの定番アイテムである「パーカー」、皆さんのワードローブにも1着は用意されているのではないでしょうか。

スウェット素材で日常的に使えるパーカーから、冬場に重宝するモコモコのパーカーまで、いろいろな種類がありますよね。寒い時期なんかは、トップスもアウターもフード付きで「パーカーオンパーカー」になってしまうことも…。

さて、そんなパーカーは英語でもそのまま通じるのでしょうか。結論から言うと、日本語のパーカーの使い方は和製英語そのまま使うと英語では意味が通じなかったり、誤解が生まれたりする可能性があります。

ということで今回は、「パーカーを英語で何と呼べばいいのか」「日本ではなぜパーカーと呼ぶのか」など、パーカーにまつわるアレコレを詳しく解説していきます。

それでは、早速始めていきましょう!

「パーカー」は英語で何て言う?

「パーカー」は英語で何て言う?

日本で「パーカー」と呼ぶフード付きのスウェットシャツは、英語だと “hoodie” と呼ぶのが一般的です発音記号は「hʊdi」、カタカナだと「フディ」が近いでしょう。最近だと日本でも、おしゃれなブランドなどは「フーディ、フーディー」と表記することが増えてきました。

hoodie はフード(hood)付きの洋服を総称する表現なので、スウェットシャツであることをより正確に表現したい場合は “hooded sweatshirt” と言うこともあります。

Aさん
I want to buy a hoodie.
訳)フーディー(パーカー)を買いたいんだよね。
Bさん
Do you mean a hooded sweatshirt?
訳)フードの付いたスウェットシャツってこと。

 

Aさん
That’s right. You’re sweating the details as usual.
訳)その通り。相変わらず細かいことを気にするね。
Bさん
Haha. What being a “sweat”!
訳)はは、「汗」だけにね!

 

パーカーと parka は違う意味?

フード付きのトップスを総称して「パーカー」と呼ぶのは日本だけ、つまり和製英語です。

英語にも “parka” という単語がありますが、これは真冬用のフード付きの防寒アウターを指しますもともとはイヌイット(エスキモー)の言葉で、アザラシなどの動物の革を利用した防寒着を表していたようです。

そのため、日本と同じ感覚でフード付きトップスを parka と呼ぶと、季節によっては「寒がりなのかな?」と不思議に思われかねません。

Aさん
I often wear a parka in spring.
訳)春にはよくパーカーを着ています。
Bさん
In spring? You’re so sensitive to cold.
訳)春なのに?寒がりなんだね。

 

なぜ日本ではパーカーと呼ぶのか

日本でなぜフード付きのトップスをパーカーと総称するのか、その理由に定説はありませんが、おそらく最初に輸入されたフード付きの洋服が parka だったからだと推察されます。

きっと以下の会話のような誤解が発生したのでしょう。

Aさん
Oh, this coat has a sack at the neckpoint!
訳)【日本人】うわ、このコート首に袋が付いてる!
Bさん
We call the clothes like this “parka”.
訳)【英語圏の人】そういう服をパーカーと呼ぶんですよ。

 

Aさん
I see.(The clothes having a sack at the neckpoint are all called “parka”!)
訳)【日本人】なるほどー。(首に袋が付いてる服は全部「パーカー」ってことだな!)

いろいろなパーカーの種類を英語で言ってみよう

ここからは、スウェット素材以外のパーカーの呼び方や、形の種類について確認します。

日本ではフードの付いている洋服は全て「パーカー」と呼ばれますが、英語ではそれぞれ何と呼ぶのでしょうか。それぞれ詳しく見ていきましょう。

「マウンテンパーカー」in English

アウトドアファッションで人気のあるマウンテンパーカーは上着なので、parka の一種です。そのため、英語でも “mountain parka” と言えば通じます薄手のマウンテンパーカーの場合は “mountain hoodie” と呼ばれることもあります。

ただし、日本でも「マウンテンパーカーって何?」と存在を知らない人がいるように、英語圏でも全員が全員 mountain parka を知っているとは限りません。

そのような場合は “hooded outdoor jacket(フード付きのアウトドアジャケット)” などと説明すると、イメージが伝わるでしょう。

「アノラックパーカー」in English

アウトドア用のパーカーのうち、特に被りで着用するタイプのものを「アノラックパーカー」、あるいは単に「アノラック」と呼びます。これは英語でも同様に anorak と言えば通じます。

anorak はもともと、イヌイット(エスキモー)が着ていたフード付きのアウターを表していた言葉です。「あれ、どこかで聞いた話…」と思いますよね。その通り、anorak と parka は本来ほとんど同じ意味なんです

イヌイットの言葉に忠実に訳すなら、parka は「毛皮を使った上着」、anorakは「風を防ぐための上着」となりますが、実質用途はほぼ一緒なので、現在では同じような意味で使われています。強いて言うと、英語では parka が、フランス語では anorak が多く使われる傾向にあります。

そのため、日本で言う「アノラックパーカー」は同意語を反復している、ちょっと変な表現。「頭痛が痛い」みたいな違和感を与えかねないので、英語では “anorak parka” とは呼ばないようにしましょう。

「ジップパーカー」in English

着脱がしやすいよう前身頃にジッパーが付いたスウェット素材のパーカーを、日本ではよく「ジップパーカー」と呼びます。ジップパーカーを英語で表現するなら、”zip up hoodie” でOKですちなみに、zip up は「ジッパー(ファスナー)を閉じる」という意味の動詞としても使うことができます。

また、反対にジッパーが付いていないタイプのパーカーを指して、おしゃれな人々は「プルオーバー」と呼ぶこともあります。プルオーバー(pullover)とは「上から被る」という意味。英語でも同様に “pullover hoodie” と呼びますが、通常の hoodie は基本プルオーバーなので、単に hoodie と呼ぶだけでも充分です。

まとめ

今回は、「パーカー」をテーマにお話ししてきました。

日本語のパーカーは、トップスからアウターまで含めてフード付きの洋服全般を指しますが、英語の parka は防寒用のアウター限定の表現です。いわゆるスウェット素材のパーカーは hoodie(hooded sweatshirt)と呼びます。

日本語にはパーカーを始め、いろいろな英語がカタカナ英語として定着していますが、全てがそのまま通じるとは限りません。英語圏の人々に誤解を与えないよう、使う際には注意が必要です。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!