今回のテーマは「デザイナー」です。

日本語では何かのデザインをする人を、ひとまとめにデザイナーと呼びますが、英語でも同じなのでしょうか。それとも、まったく違う呼び方があるのでしょうか。この記事では、日英でのデザイナーの呼び方の違いを詳しく確認していきます。

また、記事後半では「黄金比」や「著作権」など、デザイナーがよく使う専門用語にもついてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

それでは、早速始めていきましょう!

「デザイナー」は英語で何て言う?

「デザイナー」は英語で何て言う?

デザイナーは英語でも “designer” と言います。意味はそのまま「デザインする(design)人(-er)」ということ。

また、designer の発音記号は「dɪzάɪnɚ」です。カタカナ英語のままでも通じますが、アクセントが「デイナー」と「ザ」の部分にあるので注意しましょう。

ただし、日本では何かをデザインする人を幅広く「デザイナー」と表現しますが、英語では「何をデザインする人なのか」を具体的に表現するのが一般的です。

Aさん
I’m a designer.
訳)私はデザイナーです。
Bさん
What do you design?
訳)何のデザインをしてるんですか?

 

そのため、単体で designer と言うことは少なく、”〇〇 designer” とデザインする対象に合わせて詳しく説明する必要があります。

具体的なデザイナー名は英語で何て言う?

「ファッションデザイナー」や「グラフィックデザイナー」など、主なデザイナーの種類は以下の表にある通りです。

名称(日本語) 名称(英語) デザインする対象
ファッションデザイナー

(服飾デザイナー)

fashion designer

trendsetter

洋服や靴、帽子など、身に着ける衣服全般。
ジュエリーデザイナー

(宝飾デザイナー)

jewelry designer 宝石やアクセサリーなど、身に着ける装飾品全般。
グラフィックデザイナー

(CGデザイナー)

graphic designer

computer graphic artist

写真や動画、イラストなど、視覚に訴えかけるもの全般。
カーデザイナー car designer

automotive designer

自動車の外装や内装。
インテリアデザイナー interior designer 家具や調度品など、室内空間にあるもの全般。
建築デザイナー

(住宅デザイナー)

architect 建物の外装や構造など。
ガーデンデザイナー

(造園業者)

landscaper 個人宅の庭や公園、公共の庭園など。
フラワーデザイナー floral designer

florist

テレビ収録や結婚式、各種催事などで飾る花の装飾や、花束などの選定。

カタカナ英語そのままのものもあれば、少し表現が異なるものもあるので、あらためてしっかり違いを確認しておきましょう。

これらのうち、太字で記載した「ファッションデザイナー」と「建築デザイナー(住宅デザイナー)」の2つはちょっと注意が必要なので、以下で別途詳しく説明していきます。

「ファッションデザイナー」in English

ファッションデザイナーは英語でもそのまま “fashion designer” でOKです。日本で単に「デザイナー」と呼ぶ場合は、たいていファッションデザイナーのことを指しています。

しかし、日本語のファッションデザイナーという用語の表す意味は幅広く、トレンド全体を引っ張っていくような人も一括りにファッションデザイナーと呼ばれています。

ファッション業界のトレンドを作り出す人は、英語だと “trendsetter” と呼ぶのが一般的です。意味はそのまま「トレンド(trend)を配置(set)する人(-er)」ということ。敢えて日本語に訳すと「流行の仕掛人」といった感じになります。

trendsetter は、厳密にはトレンド全般を広める人を表しますが、やはりファッション関連で使われることが圧倒的に多いです。

「今年は緑が流行る」とか「今の旬はオーバーサイズ」といったトレンドは、自然発生的に生まれるのではなく、トレンドセッターが決めているんですね。

Aさん
Wearing outers inside out will be trendy in the next year.
訳)来年はアウターを裏返しに着るのが流行るよ。
Bさん
You say things as if you were a trendsetter.
訳)まるで君がトレンドを作ってるかのような物言いだな。

 

「建築デザイナー(住宅デザイナー)」in English

日本では建物のデザインをする人を「建築デザイナー(住宅デザイナー)」と呼びますが、英語では “architect” と言うのが一般的です。

「建築(architecture)をデザインする人(designer)」と直訳した “architecture designer” という表現もありますが、「建築士の資格を持っておらず、デザインだけする人」を限定的に表すことが多いようです。

多くの場合、建築デザイナーは建築士の資格も持っているため、日常会話では architect を使った方が良いでしょう。

デザイン用語を英語で言ってみよう

デザイン用語を英語で言ってみよう

デザイナーは専門職なので、素人にはわからない数々の専門用語を使用します。

もちろん、デザインするものによってその詳細はさまざまですが、ここでは色々なデザイナーに共通する、特に代表的なデザイン用語を確認しておきましょう。

「レイアウト」in English

ものごとを配置することを「レイアウト」と言いますが、これは英語でも同じく “layout” です。

もともとは「横にする、置く」という意味の “lay” と、「外側に」を表す “out” を組み合わせた動詞でしたが、そこから「外に置く⇒広げる⇒配置」と意味が発展し、現在のように名詞としても使われるようになりました。

ファッションなどのデザイン案だけでなく、建築やフラワーアレンジなど、幅広いデザインで用いられる表現です。

Aさん
It’s very important thinking about layouts in designing something.
訳)何かをデザインする際、レイアウトについて考えることは非常に重要です。

「黄金比」in English

「黄金比」とは、物が安定して美しく見える比率のことで、英語だと “golden ratio と言います。golden が「黄金」、ratio が「比率」という意味なので、そのままの直訳ですね。

黄金比は、古代ギリシャの時代から変わらぬ美しさの基本とされています。実際、ピラミッドやパルテノン神殿など、古代の建物はどこかに黄金比が隠れていて、現在でも建築界を中心によく使われる概念です。

具体的には、1:1.618の比率が黄金比だといわれています。最も美しい比率なのに整数で割り切れないところが、なんとも神秘的ですね。

Aさん
These stones are arranged in the form of the golden ratio.
訳)これらの石は、黄金比の形で配置されています。

「著作権」in English

何かをデザインするうえで、「著作権」は非常に重要です。

自分がデザインしたという権利を守ることももちろんですが、無意識に他人の著作権を侵害していないかについても、常に気を配る必要があるでしょう。

そんな著作権は、英語だと “copyright” と言います。copy が「複製」、right が「権利」という意味なので、直訳すると「複製を作るための権利」ということ。

デザイナーに限らず、他人の作ったものを許可なく複製すると「著作権侵害(copyright violation)」になってしまうのでご注意を。

ちなみに、人物の顔に与えられている権利の「肖像権」は、英語では “image right” と言います。

Aさん
I designed this T-shirt based on your face.
訳)君の顔をもとにして、このTシャツをデザインしたよ。
Bさん
You’re in violation of copyright.
訳)著作権の侵害だよ。

 

Aさん
No. I violated your image right, but didn’t violate copyright. You are not a creator of yourself, aren’t you?
訳)いいや、私は君の肖像権は侵害しているけど、著作権は侵害してないよ。君が君自身を作ったわけじゃないでしょ?
Bさん
Why are you so confidently?
訳)何でそんなドヤ顔なんだよ。

 

まとめ

今回は「デザイナー」について詳しく確認してきました。

デザイナーは英語でも同じく “designer” ですが、具体的に何をデザインするのかを添えるのが一般的です。

ファッションデザイナー(fashion designer)やグラフィックデザイナー(graphic designer)など、適切な対象と合わせて表現するようにしましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!