旅行に行ったり出張に行ったり、遠出する際に「キャリーバッグ」は非常に便利な存在ですね。

しかし、英語でもそのまま “carry bag” と言って通じるのでしょうか。もしかしたらキャリーバッグは和製英語で、他に正しい呼び方があるのかもしれませんね。

ということで、今回のテーマは「キャリーケース」です。車輪付きのカバンを英語で何と呼ぶのが正しいか、詳しく確認していきます。

また、記事後半では「ガラガラ」や「ゴロゴロ」に近い語感の言葉や、「ボストンバッグ」の正しい呼び方についても触れているので、ぜひ参考にしてください。

それでは、早速始めていきましょう!

「キャリーバッグ」「キャリーケース」は和製英語?

日本では、下に車輪が付いているバッグのことを「キャリーバッグ」と呼びますが、残念ながらこれは和製英語。そのため、海外で “carry bag” と言っても基本的には通じません。

また、似た表現の「キャリーケース(carry case)」も同様に和製英語です。

Aさん
The words “carry bag” and “carry case” are only used in Japan.
訳)「キャリーバッグ」や「キャリーケース」という言葉は、日本でしか使われていません。

“carry bag” は英語だとどういう意味?

そもそも、carry とは「運ぶ」という意味の動詞なので、bag や case を修飾することはできません。場合によっては、carry a bag(カバンを運ぶ)という別の意味に受け取られてしまう可能性もあります。

Aさん
I want a carry bag.
訳)キャリーバッグが欲しいな。
Bさん
Uh? That’s none of my business. It’s up to you whether you carry a bag or not,
訳)ん? 知らないよ。カバンを持とうが持つまいが君の自由さ。

 

また、英語には “carrier bag” という表現があるので、そちらに聞こえる可能性も。

こちらは直訳すると「運ぶためのバッグ」となり、大きめの買い物袋を指して使われます。こちらの場合も、やはり日本のキャリーバッグとは全然違うものになってしまいますね。

Aさん
No. I want “a carry bag”!
訳)違う、私は「キャリーバッグ」が欲しいの!
Bさん
“A carrier bag”? We bought many things today, so our hands are already full of carrier bags!
訳)「買い物袋」だって? 僕たちは今日たくさん買い物をしたから、両手がもう買い物袋でいっぱいじゃないか!

 

Aさん
That’s all!
訳)もういいよ!
Bさん
Thank you for watching our comedy performance!
訳)漫才をご覧いただき、ありがとうございました!

 

「キャリーバッグ」は英語で正しくは何て言う?

「キャリーバッグ」は英語で正しくは何て言う?

日本で言うキャリーバッグに近いものは、英語だと “suitcase” と言います。発音記号は「súːtkèɪs」、カタカナだと「スートゥケース」が近いでしょう。

日本でもスーツケースという言葉はありますが、比較的大型のものをスーツケース、小型のものをキャリーバッグと呼び分けている人が多いですよね。

しかし、英語ではこのような呼び分けはなく、大きくても小さくても、車輪の付いたカバンは suitcase で通じます。

もしそれでも小型であることを強調したいなら “small suitcase” と言えば良いでしょう。

Aさん
I want a suitcase.
訳)スーツケース(キャリーバッグ)が欲しいな。
Bさん
Okay. Let’s go to a department store.
訳)わかった、デパートに行こうか。

 

ちなみに、なぜ suitcaseと呼ぶかというと、中にスーツ(suit)などの衣類を入れるから。そのため、本来は車輪無しのものでも suitcase と呼んでいたようです。

また、「旅行用のカバン」という意味で “traveler bag(traveling bag)” という表現も存在しますが、これはスーツケースに限らず大型のカバン全般を指します。

Aさん
A suit case is one of traveler bags.
訳)スーツケースは旅行用カバンの中の1つです。

「ガラガラ」「コロコロ」は英語で何?

日本ではキャリーバッグを「ガラガラ」と呼ぶこともありますよね。英語でこの語感に近いのは “trolley bag(trolley case)” という表現です。

trolley とは、「手押し車、台車」という意味。イギリスではショッピングカート(shopping cart)のことも trolley と言います。

これらに共有するのは、動かす度に「ガラガラ」と音がするところ。そのため、同じような音がする suitcase も、通称として trolley bag と呼ばれるようになったようです。

また、「ガラガラ」以外に、「コロコロ」と呼ぶ人もいますが、これに近いのは “roller bag” です。意味はそのまま「車輪が付いたカバン」ということですね。

Aさん
I want a trolley bag and a roller bag.
訳)ガラガラとコロコロが欲しいな。
Bさん
What’s the difference between them?
訳)何が違うの?

 

とはいえ、あくまで一般的なのは “suitcase” で間違いありません。まずは suitcase を使ってみて、表現に幅を出したくなったら、trolley bag や roller bag と使い分けていくと良いでしょう。

「ボストンバッグ」は和製英語?

「ボストンバッグ」は和製英語?

キャリーバッグと同じく、日英で呼び方が異なるカバンとして「ボストンバッグ」についてもお話ししておきましょう。

日本では樽(タル)型の大振りな肩掛けカバンを「ボストンバッグ」と呼びますが、これは完全な和製英語です。そのため、そのまま “Boston bag” と言っても、日本以外では通じないと思った方が良いでしょう。

Aさん
I want a Boston bag.
訳)ボストンバッグが欲しいな。
Bさん
What’s that?
訳)何それ?

 

「ボストンバッグ」は英語で何て言う?

ボストンバッグは英語だと “barrel bag” と言います。barrel は「樽」という意味なので、形そのままの名前ですね。

しかし、実際は用途に合わせて、“gym bag(ジム用)”、“club bag(スポーツクラブ用バッグ)”、“overnighter bag(1泊用バッグ)” などと呼ぶ方が一般的。もちろん、先述した “traveler bag”、”traveling bag” でもOKです。

Aさん
“Boston bag” means a barrel bag.
訳)「ボストンバッグ」は、樽型のバッグって意味だよ。
Bさん
I see. But I usually call bags like it “gym bag”.
訳)なるほどね。でも僕はそういうカバンを「ジムバッグ」って呼ぶよ。

 

なお、「ボストンバッグ」という呼び方は、アメリカのボストン大学で学生がよく使っていたことから、日本で売り出す際に名づけられた造語のようです。

イメージとしては、海外で日本関連の商品にやたら「サムライ」と付けられるような感じですね。

Aさん
Hey, how about these shoes named “samurai shoes”?
訳)ねぇ、この「サムライシューズ」って名前の靴どう思う?
Bさん
So cool! We Japanese call those shoes “Tabi”.
訳)めっちゃかっこいい!僕ら日本人はこういう靴を「足袋」って呼んでるよ。

 

Aさん
Is that so? Their shapes are very unique.
訳)そうなんだ。形がとっても変わってるね。

まとめ

今回は「キャリーバッグ」について、詳しく確認してきました。

キャリーバッグは和製英語なので、”carry bag” と言っても海外では通じません。英語だと、車輪が付いたカバンは “suitcase” と呼ぶのが最も一般的です。

とはいえ、キャリーバッグという日本語が誤りというわけではありません。「郷に入っては郷に従え」と言うように、国によって、相手によって言葉を変えれば良いだけです。

今回ご紹介したことを参考に、場面に応じて適切な表現でキャリーバッグを表していきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!