「頭脳明晰」や「英語脳」、「脳トレ」など、「脳」を使った言葉は、日常でもよく耳にするでしょう。

日本語のことわざには「脳みそを絞る」や「脳裏に焼き付く」といった表現もありますね。

そんな当たり前のように使っている「脳」という日本語を、英語では何と言うのでしょうか?

今回は、「脳」を意味する英語と、「脳」に関連したいろいろな英語表現を紹介していきます。

 

「脳」を意味する “brain”

「脳(脳みそ)」は、英語で”brain”です。

通常”brains”と複数形になる場合が多く、「脳」=「頭」という意味で、”head”や”one’s head”と言われることもあります。

Aさん
My new job is brainwork. I overtaxed my brains yesterday.
訳)新しい仕事はすごく頭を使うのよ。昨日は酷使しすぎたわ。
Bさん
You must give your brains a rest at times.
訳)たまには脳を休めないと。

 

冒頭で紹介した表現を英語で言うと、以下のような表現になります。

「脳みそを絞る」と言いたいとき

Aさん
I can’t create new products without racking my brain.
訳)新商品の開発には、脳みそを絞らなければなりません。

「脳裏に焼き付く」と言いたいとき

Aさん
The moment of my mother’s death was burned into my brain. I still clearly remember that to this day.
訳)母が亡くなる瞬間が脳裏に焼き付いて、今でもはっきりと覚えています。

 

「脳を使った考え」を意味する “mind”

「脳を使った考え」を意味する "mind"

“mind”は、「脳みそ」を使って考えることを意味しており、人の考えや行動、感情などを表すときによく使われる英語です。

「考え事がたくさんある」は、”brain”ではなく”mind”を使ったほうが自然な言い方になります。

Aさん
My mind has many thoughts today.
訳)今日はいろんなこと考えちゃって。
Bさん
I can tell. Actually, I have a lot on my mind too.
訳)うん、なんとなくわかってた。僕も同じだよ(たくさん考えごとがある)。

 

なお、”mind”と似た「考え方」や「思考回路」を意味する英語はほかにもあり、”think”や”thought”を使って表現できます。

  • thought process
  • thought patterns
  • way of thinking
Aさん
The thought process is completely different when speaking Japanese versus speaking English.
訳)日本語を話すときと英語を話すときの思考回路は全然違う。
Aさん
His way of thinking is peculiar. Such a thought patterns that I don’t have is interesting.
訳)彼の考え方は独特だよね。そういう自分にはない思考回路がおもしろいのよ。

 

「頭脳明晰」は “clear-headed”

「頭脳明晰」は "clear-headed"

「頭脳明晰」は英語で “clear-headed”です。

頭脳明晰を辞書で調べると、「思考や判断力がくもりなく、はっきりしているさま」と書かれています。
参考:頭脳明晰の意味や読み方 わかりやすく解説 Weblio辞書

あまり聞き慣れない英語なので難しいと思った人は、

“clear”(はっきりした)

“headed”(頭をした)

で”clear-headed”(頭脳明晰)と直訳して覚えるのもいいかもしれませんね。

Aさん
When I talk to clear-headed people, I feel like I’ve become one.
訳)頭脳明晰な人と話すと、自分も頭が良くなった気になるよね。

“clear-headed”は、「頭が良い」を意味する以下のような形容詞に置き換えることも可能です。

  • smart
  • intelligent
  • clever
  • sharp
Aさん
How smart!
訳)なんて頭が良いのかしら!
Aさん
You are very clever indeed.
訳)あなたって本当に頭が良いのね。

 

「頭が良い」や「賢い」の英語について解説した以下の記事も読んでみると、さらに理解が深まるのでおすすめです。.

「英語脳」は “English understanding”

「英語脳」は、英語で “English understanding”と言います。

「英語脳」は、とても日本語的な表現で、海外ではほとんど馴染みがなく、ぴったり合う英語は存在しません。

わたしたちが普段使っている「英語脳」は、「英語を理解できる」「英語を聞き取れる」ことを意味しますよね。

したがって、「英語脳」=「英語がわかること」を指して、”English understanding”と表現するのが適切といえるでしょう。

Aさん
I want to have a good English understanding in the future.
訳)将来は英語脳になりたい。

具体的にどんなことを意味するのか詳しく説明すると、さらにわかってもらいやすくなりますよ。

Aさん
Switching from English to Japanese is sometimes difficult.
訳)英語(脳)から日本語(脳)への切り替えは難しいときもある。

 

英語脳については以下の記事でも解説しているので、ぜひ読んでみてください。

「脳トレ」は “brain training”

「脳トレ」は、英語で “brain training”と言います。

日本では子どもから大人までさまざまな「脳トレ」が人気を集めていますが、海外では年配の方が老化防止のためにやっているイメージが強く、あまり馴染みがないということも覚えておくとよいでしょう。

Aさん
My grandfather plays crossword puzzles on brain training apps every day.
訳)祖父は毎日、脳トレアプリのクロスワードパズルをやっている。

 

“brain” に関連した慣用表現

"brain" に関連した慣用表現

「頭が切れる」「頭を使う」といった日本語のように、英語にも”brain”を使ったいろいろな表現があります。

“brain”に関連した、覚えておくと役に立つ慣用表現を紹介します。

 

a brain behind something

“a brain behind something”は、「陰で重要な役目を果たす人」という意味で使われる表現です。

「表立って評価されていない」のが前提になっているため、相手を褒めるときには注意しましょう。

Aさん
Dr. Leo is the brain behind this university’s research team.
訳)レオ先生は、この大学の研究チームの司令塔だよ。

 

to pick one’s brain

“to pick one’s brain”は、「他人の知恵を借りる」という意味を持つ慣用表現です。

自分より知識のある相手や、頭の良い相手に対して使われます。

Aさん
I need to pick your brain. What can you tell me about this problem?
訳)ちょっと知恵をお借りしたいんだけど。この問題どう思う?

 

to get one’s brain in gear

“to get one’s brain in gear”は、「しっかり考える」「頭を働かせる」と言いたいときに使える表現です。

ゆったりくつろいでいる状態から、「さあやるぞ!」気合を入れるときにぴったりのフレーズといえます。

Aさん
I’ve got to get my brain in gear for the examination.
訳)試験に向けて頭を働かせておかなきゃ。

 

use your noodle

“use your noodle”は、「自分(の頭)で考えなさい」という意味を持つスラングです。

「脳みそ」を”noodle”(麺)に例えたおもしろい表現で、初めて聞いたら全く理解できないでしょう。

最適な場面で、サラッと使いこなせたらかっこいいですね。

Aさん
Use your noodle to solve the problem.
訳)問題を解決したいなら頭を使いなさい。
Aさん
She knows how to use her noodle.
訳)彼女は頭の使い方がわかっている。

 

まとめ

「脳」を意味する英語と「脳」に関連したいろいろな英語表現を紹介しました。

英語で、「脳」は”brain”、「脳を使って考えること」は”mind”と言います。

“brain”を使った慣用表現は難しいものもあるかと思いますが、例文を参考に練習してみるとよいでしょう。

意味を知っておくだけで、咄嗟の会話で混乱することなく対応できますよ。