相手を褒めるときによく使う「賢い」という言葉を英語では何と言うか知っていますか?
「賢い」を意味する英語は、日本語でもなじみのある「スマート」や「クレバー」以外にも、じつはたくさんあるのです。
英語では状況によっていろいろな表現があり、それぞれが持つ意味も変わってきます。
今回は複数の言い方がある英語の「賢い」について、よく使われる8つの表現と使い分け方を紹介します。
smart
”smart”は、「賢い」を意味する最も一般的な英語です。
おもにアメリカで使われており「物覚えや理解が速い」「正しい決断ができる」といった意味を表します。
子どもから大人まで年齢に関わらず、知識が豊富で勉強ができる人を指して使う代表的な英語なのでぜひ覚えておきましょう。
人だけでなく動物にも使えるので、犬やイルカ、チンパンジーなど賢い哺乳類について話すときにも役立ちます。
”smart”の日本語訳例
- 賢い
- 頭が良い
- 頭の回転が速い
- 利口な
- 賢明だ
- 優秀だ
- 要領がいい
Ethan doesn’t study hard but he is naturally smart.
訳)イーサンはあまり勉強しないけど、生まれつき頭が良い。
Camila is beautiful, smart, and funny. She’s the perfect woman!
訳)カミラは美人で、頭がよく、ユーモアもある。まさに理想的な女性ね。
My dog is so smart. He quickly learned ‘wait’.
訳)私の犬はとても賢いの。すぐに「待て」を覚えたのよ。
”smart”を使った慣用表現に”book smart”と”street smart”という言葉があります。
”book smart”は勉強や学力に対して、”street smart”は生活面や知恵に対しての「賢い」を意味しています。
Grace has many qualifications but she’s book smart.
訳)グレースは、資格をたくさん持っていて頭がいいけど常識がないのよね。
Daniel, you are really street smart!
訳)ダニエル!君はまったくもって世渡り上手だな!
clever
”clever”は、”smart”同様に「賢い」を意味する英語としてよく知られている単語です。
おもにイギリスで使われており、同じ「賢い」でも文脈や言い方によってニュアンスが変わります。
ポジティブな意味にもネガティブな意味にも捉えられるので、”clever”を使うときは表情や声のトーンで、相手が誤解しないように表現することも大切です。
”clever”の日本語訳例
- 賢い
- 能力が高い
- 頭の回転が速い
- 機転が利く
- 器用な
- 巧みな
- 抜け目ない
Eleanor, you’re one of the cleverest people I know.
訳)エレノア、あなたはわたしの知る中で1番賢いわ。
How clever of you to notice that!
訳)それに気づくとは、賢いやつだなあ!
Scarlett made a clever excuse to skip a ballet lesson.
訳)スカーレットは、バレエのレッスンをサボるために賢い言い訳をした。
wise
”wise”も「賢い」という意味の英語でよく知られている単語です。
知識、学力を含めた「賢さ」に注目した”smart”や”clever”とは違い、「生きるための知恵」や「経験の豊かさ」を意味しています。
”wise”は、子どもや若い人に向けてではなく、経験値の高い大人や年配者に対して使われるのが一般的です。
”a wise old man”とは言いますが、”a wise child”には少し違和感があるので、使い分けには注意しましょう。
”wise”の日本語訳例
- 賢い
- 知恵がある
- 経験が豊富な
- 知識が豊富な
- 思慮深い
- 分別がある
- 適切に対処できる
Listening to the advice of your parents is usually a wise choice.
訳)親の助言に耳を傾けることは、たいてい賢い選択なんだよ。
My grandfather is very experienced and wise, so he gives me good advice.
訳)おじいちゃんは経験豊富で賢い人だから、良いアドバイスをくれるの。
By others’ faults wise men correct their own.
訳)人の振り見て我が振り直せ。 ※ことわざ
intelligent
”intelligent”は、”smart”や”clever”よりも少し堅めでかしこまったニュアンスのある英語です。
先述の”smart”や”clever”が口語的であるのに対し、”intelligent”は文語的でフォーマルな表現と覚えておくといいでしょう。
年齢問わず知能が高く才能ある人を指した単語なので、子どもから大人まで、誰に使っても問題ありません。
人以外にも動物やパソコン、最近ではAIなどを形容する場合にも使えます。
”intelligent”の日本語訳例
- 賢い
- 頭が良い
- 教養のある
- 知識が豊富
- 理解力が高い
- 論理的思考力に優れる
Mr. Matthew is an intelligent, ambitious young man.
訳)マシューさんは、頭の良い野心家だよ。
Henry is so intelligent that you wouldn’t believe they’re only 5 years old.
訳)ヘンリーは5歳と思えないほど賢いなあ。
Dolphins seem like more intelligent beings than humans.
訳)イルカは人間よりも賢い存在のように思える。
intellectual
”intellectual”は、「高度な教養と知識がある」という意味を持つ英語で、人の賢さを形容する場合にのみ使われます。
知的な思考やそれを好む人を指して、理知的な賢さを示す単語で、
“intellectual property rights”は「知的財産権」を、” intellectual curiosity”は「知的好奇心」を意味します。
スペルの似ている”intelligent”とは違って、動物やその他のものには使えないので注意しましょう。
”intellectual”の日本語訳例
- 知的な
- 理知的
- 教養のある
- 聡明な
- 頭脳明晰
- 機知に富む
Besides being beautiful, Emma is kind and intellectual, like her mother.
訳)美しいだけでなく、エマは母親に似て知的で優しい女性よ。
Please keep in mind that It’s important to have intellectual curiosity.
訳)知的好奇心を持つことは大事なのよ、覚えておいてね。
bright
「明るい」や「輝いている」という意味を持つ”bright”も、「賢い」を表す英語として覚えておきたい単語です。
「キラリと光る才能を持っている」といったニュアンスで、子どもの賢さや利発さを表現するときによく使われます。
”bright”の日本語訳例
- 賢い
- 地頭が良い
- 聡明な
- 利口な
- 利発
- 才能のある
- 将来有望な
Sophia, my friend’s daughter, looks bright.
訳)友達の娘のソフィアは賢い子だよ。
I think John will be very successful in the near future is a bright young man.
訳)ジョンは頭が良いから、近い将来大成功するでしょうね。
brilliant
”bright”の意味をさらに強くしたのが”brilliant”です。
これまで紹介してきた「賢い」を表す単語のどれでも表現できないほど、「圧倒的に賢い」場合に使われます。
”brilliant”の日本語訳例
- 並はずれて頭が良い
- 極めて優秀な
- 才気あふれる
- ずば抜けた才能のある
Olivia was brilliant at grasping the gist of a book.
訳)オリヴィアは本の要点をつかむ才能に秀でているよ。
Jessica is a brilliant student in this University.
訳)ジェシカは、この大学で他のどの生徒よりも優秀な生徒だよ。
”brilliant”と同じような使い方ができる”genius”も覚えておくと便利です。
特に秀でた天性の才能がある、つまり天才であるというニュアンスで相手を褒め称えるときに使えます。
You’re a genius!
訳)君は頭がいいね、天才だ!
crafty
賢いは賢いでも、おもに「ずる賢い」というネガティブな意味で使われるのが”crafty”です。
「技能」や「巧妙」の”craft”からきている単語で、「悪知恵が働く」「(悪い意味で)頭が回る」という意味を表します。
”crafty”の日本語訳例
- ずる賢い
- 悪賢い
- 計算高い
- 抜け目ない
- 小賢しい
- 狡猾な
- 悪知恵のはたらく
Chloe is a crafty girl, so he should have expected this situation to happen.
訳)クロエはずる賢いので、こうなることは予想できたはず。
Ashley was crafty as a fox! I don’t want to work with him anymore.
訳)アシュリーはズル賢い人だった。2度と一緒に働きたくないわ。
※crafty as a fox:悪知恵が働く
まとめ
複数の言い方がある英語の「賢い」について、よく使われる8つの表現と正しい使い分け方を紹介しました。
日本語では、「頭が良い」も「ずる賢い」も「賢い」の一言で表せますが、英語では指している対象によって表現が違ってきます。
まずは「賢い」を表す基本の3単語”smart”と”clever”、”wise”を覚えることから始めましょう。
文脈や状況に応じて適切な英語を使えるようになれば、表現の幅が広がり会話も盛り上がります。
例文を繰り返し声に出して練習し、言いたいときにパッと口から出てくるようになるといいですね。