日本の場合、都道府県で地域を表すため「県」は英語で何て言うのだろうと思って調べる人も多くいます。そうするとPrefectureという単語が出て来るのですが、これは実は微妙なんですよね・・・。なぜかというと、アメリカでは「州」であるStateが使われていますし、英語圏にそもそもPrefectureを使う地域が少なく、知っているネイティブすら少ないことも。ただ、一応単語としてはあるのでそのご紹介と、実際にはどう表現するのが適切なのか、この2つを意識しつつ解説をしていきます。

「県」は英語でprefecture

冒頭で書いたように、「県」は英語ではPrefectureと言うのでしたね。ですから例えば「三重県」であればMie Prefectureと書きます。

ちなみに、都道府県は地名ですから最初のアルファベットは大文字になりますが、○○県のように表記する場合は、PrefectureもPのみ大文字にして書きます。

少し長い単語なので、Prefectureには略もあります。「Pref.」と書きますが、ここで気を付けたいのは発音は省略せずそのままプリフェクチャーと言うことです。

「 ◯◯-ken 」でもOK

○○県と言いいた時には、日本語のまま-kenと書いてもOKです。国によって統治の仕方やそこでの地域の区切りの呼び方が異なるなら、その国独自の呼び方に合わせても良いからです。日本固有の文化であるものが無理に英訳されず、そのままkimonoやkotatsuと言われるのと同じです。

○○県と言う時には、地名と県の間にハイフンを入れることを忘れないようにしましょう。例えば英語圏から日本に向けて荷物を送る時、住所に○○-kenと書くと、地名がどこからどこまでなのかわかりやすくなります。

もし外国人がMiekenと見たら、「ken」も含めてそれ全部が地名だと思うことでしょう。このような勘違いを防ぐためにもハイフンは何気に重要な役割を果たしてくれます。この場合の-kenは小文字で構いませんよ。

Aさん
I’m from Saitama-ken.
訳)私は埼玉県出身なの
Bさん
Saitama-ken? Where is it?
訳)サイタマケン?どこにあるの?

Prefectureを使っている国はどこ?

Prefectureを使っている国はどこ?

「県」は英語でPrefectureを使うとわかりましたが、そもそも日本以外でPrefectureを使っている国は他にあるのでしょうか。調べてみたところ、行政区分でPrefectureを使うのは韓国や中国、モロッコ、ベトナムなどのアジア圏に集中してしました。

また、これらの国がすべての区分をPrefectureとしているわけではなく、他の行政区分も併用していることもわかりました。

つまり、Prefectureは英語ではあるものの、英語圏ではほぼ馴染みがないものであることがわかりますね。実際、アメリカやイギリス、カナダ、オーストラリアなどは行政区分にPrefectureを使いません。ですから、もし日本人からPrefectureという単語が出たら、文脈から日本独自の行政区分なのだろうと理解してくれることが多いです。

実際は英語で〇〇県をどう書けばいい?

英語圏でPrefectureを知っている人が少ないなら、英語で○○県と書きたい時にはどうするのが良いのでしょう。一番無難なのは、そもそも「県」を付けないことです。

三重県出身だと言いたいなら「I’m from Mie.」だけで伝わりますし、中学生のころにもこのように書いたはずです。国際郵便でも、このように「県」は省略して書かないのが一般的です。日本以外で伝わりにくい単語を書けば逆にわかりにくい荷物となってしまうかもしれません。

Aさん
I’m from Aichi Prefecture.
訳)愛知県出身です
Bさん
Prefecture? Probably I got it.
訳)ケン?たぶんわかったと思う

「都」「府」「道」は英語で?

「県」がPrefectureなら、気になるのはその他の行政区分の英語での言い方ですよね。「都」「府」「道」も、まとめてPrefectureで良いのでしょうか。

実は英語でも「都」「府」「道」に相当する英語は一応あります。「都」なら「metropolis」と言い、こちらは聞いたことがある人も多いと思いますが、「大都市」という意味です。

「府」は「urban prefecture」です。しかし、「大阪府」と記入するときには「Osaka Prefecture」で、「Osaka Urban Prefecture」とは記入しません。ちょっとややこしいですね・・・!

そして「道」ですが、これはあえて言うならば「island」です。なぜなら、日本で「道」を使うのは北海道のみで、その北海道は島だからです。よって、やはり行政区分は付けずそのまま「Hakaido」と書くのが普通です。

英語圏が使う行政区分は何?

英語圏が使う行政区分は何?

上記でも、英語圏ではPrefectureを使わないと書きましたが、では何を使っているのでしょうか。

同じ英語圏でも使う英語が異なり、アメリカは「state」、イギリスは「county」、カナダは「province」、オーストラリアは「district」と「state」を使っています。

よく、イギリスの「county」を間違えて「country」と書いてしまう人がいますが、これはイギリスのことを知らない証拠です。Countryは「国」ですから、イギリスという国の中にある「州」がまた国だったらおかしいですよね。注意して覚えておきましょう。

これらは日本語訳するとすべて「州」になることが多いですが、「州」を付けずに地名だけ紹介していることも多く見られます。英語圏だからといって行政区分が統一されているわけではないので、それぞれの国で使われているものを知っておくと良いでしょう。

まとめ

「県」は英語でどう言うのかを見て来ましたね。英語では一応Prefectureという単語があるものの、この単語を知らないネイティブは多いので、単に地名を言うだけの方が伝わりやすいことも解説しました。「都」「府」「道」も同様、地名だけ言うのが無難です。また、アメリカやイギリス、カナダ、オーストラリアではそれぞれ使われる行政区分の単語が異なっていることにも注意が必要でしたね。これらの単語も覚えておきましょう!