「以下省略」や「省略する」は英語で何と言うのでしょうか?長い単語や語句を何度も言うのは面倒で、できれば避けたいと思うものです。日本語と英語に限らず、フランス語やドイツ語、中国語などさまざまな言語で、省略表現は多く使われており、簡潔でわかりやすい言い回しを好むのは世界共通といえます。

今回は英語の「省略」に焦点を当て、カジュアルからフォーマルまで使えるいろいろな省略表現を紹介していきます。

「省略」を意味する代表的な英語

「省略」と英語で言いたいときは、どのような単語を使うのが適切なのでしょうか?英語で「省略」を意味する表現はいくつかありますが、なかでも代表的な3つの単語を紹介します。

abbreviation〔名〕「省略」

“abbreviation”は「省略」や「略語」を意味する名詞です。動詞は“abbreviate”(省略する)で、“abbreviated”(省略した)と使われることが多いです。日本語の「割愛する」「省く」を意味しており、長い単語や語句を短くしたときに使用される最も一般的な英語といえます。

Aさん
Doctor is abbreviated as “Dr.”
訳)医師は「Dr.」と省略されます。
Aさん
“Prof.” is an abbreviation of the word professor.
訳)「Prof.」とは教師を省略した言葉です。

ellipsis〔名〕「省略」

長い単語を短くしたのではなく、番号や単語を省いた場合に適した英語が“ellipsis”です。引用文などで、重要でない部分が「. . .」で書かれていることがありますが、これは“ellipsis points”と呼ばれ、「省略」を表した記号なので一緒に覚えておくとよいでしょう。

Aさん
Ellipsis points mean repetition in syntax descriptions.
訳)省略記号は、構文の説明内における繰り返しを意味しています。
Aさん
They were talking… then she went home.
訳)彼らは話していて…(省略)それから彼女は家に帰りました。

omit〔動〕「省略する」

「省略」を表す英語として、動詞“omit”(省略する)もよく使われます。“abbreviation”や“ellipsis”と同様に頻出の英語なので覚えておきましょう。

Aさん
The rest is omitted.
訳)以下省略します。
Aさん
I will omit this part in this meeting.
訳)ここでは、この部分は割愛させていただきます。

口語では“skip”を使う場合もあります。順番を飛ばして次に進むことを、日本語でもそのまま「スキップする」と言いますよね。簡単で使いやすいので一緒に覚えておくと役立ちます。

Aさん
Skip that part and go to the next chapter.
訳)その部分は飛ばして、次の章に進んでください。

「省く」のは単語や語句に限ったことではありません。日本語で「手間(時間)を省く」と言いたいとき、英語では“save”を使います。「節約できる」といった意味での「省略」も覚えておくと便利ですね。

Aさん
That would save effort, time and money.
訳)手間が省けて、時間もお金も節約できます。

よく使われる英語の省略表現

よく使われる英語の省略表現

「コーヒーいる?(あなたはコーヒーが欲しいですか?)」
「昨日会えた?(昨日○○さんに会えましたか?)」
など、当たり前に使っている省略表現に心当たりはないでしょうか。

繰り返し出てくる言葉やすでにわかっている単語を省略するのは、英語においても珍しいことではありません。前後の文脈から推測できる内容や言うまでもない情報は、省略されているのがほとんどです。サラッと使いこなせるとかっこいい、会話が弾むこと間違いなしの省略表現を一覧で紹介します。

日常会話編

gonna
(going to)
I’m gonna to go to the movies now.
これから映画に行くんだ。
wanna
(want to)
I wanna eat sushi.
お寿司が食べたいなあ。
gotta
(got to)
I gotta go!
もう行かなきゃ!
kinda
(kind of)
She is kinda impatient.
彼女は少しせっかちだ。
dunno
(I don’t know.)
Where is she right now? ー Dunno.
彼女は今どこにいるの?ー 知らないよ。
gimme
(give me)
Gimme change, please.
両替お願い。
lemme
(let me)
Lemme buy you a drink.
1杯奢らせて。
gotcha
(I got you)
Please close the window? ー Gotcha.
窓を閉めてくれない?ー了解。
sec
(second)
Just a sec.
ちょっと待って!
sup
(What’s up)
Hi! sup!
やあ!調子どう?
cuz/cus
(because)
I’m so sleepy cuz I stayed up late last night.
夜更かししちゃってすごく眠い。
cya
 (see you)
I’ll be seeing you then. ーCya!
じゃあまた後でね。ーうん、じゃあね。

ビジネス編

TBD/TBA
 (to be determined/to be announced)
Details of the schedule are TBD.
スケジュールの詳細は未定です。
JTLYK 
(just to let you know)
JTLYK that I’ll be out tomorrow morning.
取り急ぎ、ご連絡いたします。明日午前中は外出しております。
lmk
(let me know)
Lmk as soon as you have a schedule.
予定が決まり次第、ご連絡ください。
pls
(please)
Pls let me know your schedule by Friday.
金曜までに予定を教えてください。
HTH
(hope this helps)
I’m attaching the latest minutes of the meeting. HTH.
最新の議事録をお送りします。お役に立てれば幸いです。
NRN
(no reply necessary)
NRN.
返信は不要です。
TNT
(till next time)
Thank you for meeting me today. TNT.
本日はお越しいただきありがとうございます。またお会いしましょう。
FYI
(for your information)
FYI, I’m attaching the documents.
参考までに、資料を添付します。
TYIA
(thank you in advance)
TYIA Kevin.
よろしくお願いいたします。ケビン。

チャット・SNS編

thx/txs
(thanks)
ありがとう
k
(okay)
OK.
np
(no problem)
問題ないよ
WYD?
(What are you doing?)
今、何してるの??
TBH
(to be honest)
正直言うと
LOL
(laughing out loud)
(笑)
JK
(just kidding)
冗談だよ。
FR
(for real?)
マジで?
RB
(reply back)
返事ちょうだい。
IDK
(I don’t know)
わかんない。
TTYL
(talk to you later)
またあとでね。
n
(and)
○○と
w/
(with)
○○(人の名前)と一緒に
w/o
(without)
○○なしで
ASAP
(as soon as possible)
できるだけ早く

省略表現はとてもカジュアルなので、基本的に目上の人に対しては使いません。たとえ仲間内であっても、相手によっては失礼に当たる場合もあるため注意が必要です。

かっこよくてこなれた印象を与える省略表現を上手に使いこなすために、覚えておきたいポイントを4つまとめました。

  • 元の正しい表現を習得してから使うこと
  • 非常にカジュアルな表現だと理解しておくこと
  • 目上の人に対しては不適切であること
  • 相手と状況を見極めて使うこと

上記の4つに気を付けて、親しい友人や仲間との会話をさらに楽しんでいきましょう。

まとめ

英語の「省略」にフォーカスし、日常会話からビジネス、チャットやSNSで使えるさまざまな省略表現を紹介しました。英語はじつにシンプルで合理的な言語です。日本語に比べると曖昧な表現が少ないので、かえって言葉にしづらい、という人もいるでしょう。しかし、長い言葉を省略してわかりやすく伝えるといった意味では、英語も日本語も大きな違いはありません。

今回紹介した省略表現はとても簡単で使いやすいものばかりです。気に入ったフレーズを覚えて表現の幅を広げ、英会話に磨きをかけていきましょう。