「個人の意志にとらわれない、客観的な意見が求められます。」

「客観的に見ても、良いイラストだと思いますよ。」

このように、一歩引いた目線や個人的な感情にとらわれない考え方のことを「客観的」と言い、ビジネスシーンでもプライベートなシーンでも使われる言葉ですよね。

また「客観的」とは反対の意味である「主観的」という言葉も同じだけ使われます。

こうした「客観的」と「主観的」を、英語では何と表現するのでしょうか?

この記事では、「客観的」と「主観的」を意味する英語表現を例文付きで紹介します。

この記事を読み終わる頃には、物事の見方を表す「客観的」と「主観的」を英語で適切に表現できるようになっているのでぜひ最後まで読んでください。

「客観的な」は英語でなんて言う?

「客観的な」を英語で言うと”objective(オブジェクティブ)”と表現することができます。

“Object”(オブジェクト)は、「物」や「物体」を表す英語です。

物事を客観的に見るということは、つまり人間的な主観を抜きにして、数字やデータを元にした純粋な「物としての性質」を見ることなので、「物」や「物体」を表す”object”を形容詞にした形で”objective”と表現するイメージです。

【例文】

  • The experiment’s results were objective, as they were based on measurable data and scientific observations.
    実験の結果は客観的であり、計測可能なデータと科学的な観察に基づいていました。
  • In the business report, the analyst presented an objective analysis of the company’s financial performance.
    ビジネスレポートでは、分析家が企業の財務パフォーマンスに対する客観的な分析を提示しました。
  • The documentary aimed to provide an objective view of historical events without bias or personal opinions.
    そのドキュメンタリー番組では、偏見や個人の意見なしに歴史的な出来事の客観的な視点を提供することを目指しました。

「客観的に」は英語でなんて言うの?

「客観的に」は英語でなんて言うの?

「客観的に見る」などの「客観的”に”」と言いたい時は”objectively”を使います。

前項でお伝えした”objective”が形容詞だったので、”objective”に副詞の形を作る”〜ly”をくっつけて「客観的”に”」を表すわけですね。

【例文】

  • The journalist reported the news objectively, presenting the facts without personal opinions or biases.
    記者はニュースを客観的に報道し、個人的な意見や偏見抜きで事実を提示しました。
  • During the scientific study, the researchers analyzed the data objectively, ensuring unbiased conclusions.
    科学的な研究の中、研究者たちはデータを客観的に分析し、偏りのない確実な結論を出しました。
  • In the courtroom, lawyers present the evidence objectively to help the jury make an informed decision.
    法廷では、弁護士は客観的に証拠を提示し、陪審員が正確な判断を下すのを手助けします。

「主観的」を意味する英語表現

「主観的」を意味する英語表現

主観的は英語で言うと”subjective”になります。

“Subjective”の元になっている”subject”(サブジェクト)は見覚えや聞き覚えがあるかもしれませんね。

“What’s your favorite subject?”(あなたの好きな科目はなんですか?)といった感じで、学校英語の例文に出て来やすい表現です。

“Subject”には「学校の科目」だけではく、「主題」や「題目」といった、より広い範囲での意味があります。

「主題」や「題目」は、客観的な事実を元に説明されるものですが、“subjective”という形容詞の形になると、”subject”の表す「主題」や「題目」を「主観的に捉える」というニュアンスに変化します。

例えば学校科目の「数学」は、客観的な事実に基づいて作られた法則を学びますよね。

その「数学」の授業を聞く生徒たちは「面白い!」と思うかもしれませんし、「つまらない」と思うかもしれません。

こうした「面白い!」や「つまらない」は、「主観的な感情」ですよね?

このように、皆さんがよく知る”subject”(主題、科目)と、”subjective”(主観的な)という形容詞表現との間には、上述したようなイメージ、ニュアンスの違いがあります。

“subject”と”subjective”の間に、こうした「ニュアンスのギャップ」を感じられるようになると、英語を「丸暗記」ではなく「体感的に」学べる、使えるようになりますよ。

【例文】

  • In the discussion, participants shared their subjective experiences, emphasizing individual perspectives.
    ディスカッションでは、参加者は個人的な視点を強調しながら、主観的な経験を共有しました。
  • Her interests are mainly in subjective documentary narratives and family related stories.
    彼女の関心の軸にあるのは、親族や家族に関連した物語など主観的なドキュメンタリーだ。
  • Art critics often provide subjective interpretations, as artistic appreciation varies from person to person.
    芸術をどう評価するかは人によって異なるため、美術評論家は主観的な解釈を行うことがよくあります。

また、上述の”objectively”と同じで、副詞の形を作る”〜ly”を付けて”subjectively”にすることで、「主観的に」という使い方をすることもできます。

【例文】

  • The doctor is very good at understanding the pains subjectively described by the patients.
    その医者は、患者が主観的に表現した痛みを理解することにとても長けている。
    (引用:英ナビDictionary

  • In the art class, each student expressed subjectively how they interpreted the abstract painting.
    美術の授業では、各生徒が主観的に抽象画をどのように解釈したかを説明しました。
  • Artistic drawings are subjectively interpreted; their meanings are multiply determined.
    芸術的な絵は主観的に解釈されるので、色んな意味に取られます。

まとめ

この記事では、「客観的」と「主観的」を意味する英語表現を例文付きで紹介しました。

ここまでお読みのあなたは、物事の見方を表す「客観的」と「主観的」を英語で適切に表現できるだけの知識が十分に身についているでしょう。

この記事でお伝えした内容が、あなたの英語表現をより豊かにできれば幸いです。