スカーフというと女性物のイメージがありますが、最近では男性がスカーフを着けることも増えてきましたね。
かくいう私も、たまにバンダナをスカーフ代わりにして首に巻いています。スタイリングのアクセントになるだけでなく、ジャケットの汚れ防止にも役立つのでおすすめですよ。
さて、ということで今回のテーマは「スカーフ」です。英語でスカーフはそのままなのか、他の言い方があるのか、詳しく確認していきます。
また、スカーフに似たアイテムである「マフラー」や「ショール」、「ストール」との違いについても触れているので、これらの違いが気になっていた方は必見です。
スカーフの歴史やスカーフの巻き方もご紹介します!
それでは、早速始めていきましょう!
「スカーフ」は英語で何て言う?
首に巻いて使用するアクセサリーである「スカーフ」は、英語でもそのまま “scarf” と言います。発音記号は「skάɚf」なので、日本語と同じ発音でも十分伝わります。
また、スカーフの複数形は “scarves” あるいは “scarfs” と言います。文法上は scarves の方が正しいものの、最近ではアメリカ英語を中心に scarfs と書いたり言ったりすることも増えているので、どちらを使っても問題ありません。
My mother has a variety of colorful scarves.
訳)私の母は色とりどりのスカーフを持っています。
スカーフとマフラーは何が違う?
日本では比較的薄手のものをスカーフ、冬に着用する厚手のものをマフラーと呼び分けていますが、英語の場合はどちらも scarf と呼びます。日本ほど厳密には分けていないんですね。
そのため、日本人の思い描くスカーフを間違いなく伝えるためには “silk scarf” や “lightweight scarf” などと、一言添えて表現するのがおすすめです。silk scarf は「シルク製のスカーフ」、lightweight scarf は「薄手のスカーフ」という意味になります。
I want a new lightweight scarf.
訳)新しい薄手のスカーフが欲しいな。
また、反対にスカーフでなく防寒用のマフラーを表現したい場合は “winter scarf” や “thick scarf” と言うとよいでしょう。winter scarf は「冬用のマフラー」、thick scarf は「厚手のマフラー」という意味になります。
英語にも muffler という単語自体は存在しますが、こちらは主に自動車やオートバイの排気口を意味するので、首に巻くアクセサリーの意味では使わない方が無難でしょう。
I made a muffler myself.
訳)自分でマフラー作ったんだ。
Oh, wow! You’re talented. It’s not something amateurs can easily make.
訳)へえ、器用なんだね。素人じゃ普通そんなの作れないよ。
Hehe, thank you. Would you like to try it?
訳)えへへ、ありがとう。よかったら試してみない?
Me? Oh, sorry, I don’t have a car or a motorcycle, so I don’t think I can make any use of it.
訳)僕が? ごめん、車もバイクも持ってないからちょっと使えそうにないな。
Huh?
訳)え?
Huh?
訳)え?
ショールやストールは、スカーフと何が違う?
スカーフと似たアクセサリーに「ショール」や「ストール」があります。英語ではそれぞれ “shawl”、”stole” と言います。
まず 、shawl は一般的な scarf より大判のものを指し、主に女性が肩に掛けたり、頭に被ったりして使用するアクセサリーです。
続いて、stole も shawl と同様に大判のものですが、こちらは首にグルグル巻いて使用することも多いです。どちらかというとカジュアルなアイテムが多く、若い人に人気があるようです。
とはいえ、shawl と stole はファッション好きな人にしか伝わらない、少しマニアックな用語です。そのため、日常的にこれらを表現する場合は単に scarf と呼ぶか、“long scarf(長いスカーフ)” や “oversized scarf(大判のスカーフ)” とした方が伝わりやすいでしょう。
訳)ショールやストールは、ファッションに興味のない人はあまり知らない単語だよ。
訳)そうだね。実際僕も今の今まで知らなかったよ。
スカーフの歴史
今のように「スカーフ」という名前が使われ始めたのは16世紀後半の エリザベス1世の時代のイギリスです。もともとは、北方民族が防寒用の首巻として首に巻いていた布だと言われています。スカーフがイギリスに伝わった16世紀のヨーロッパでは、当時の貴婦人たちが日焼けを防ぐためや防寒を目的に、装飾を兼ねて使っていたそうです。その後ルイ14世の時代には紳士貴族たちの首元の装飾として愛用されました。
18世紀ごろにはシルクやカシミヤ、豪華なレース、刺繍などを施したショールが男性の装飾に欠かせないものとなり、次第に女性のドレスと組み合わせるものになっていきました。
1930年代には、スカーフはブルジョワジーのシンボルとなり、1950年代にはグレース・ケリーやオードリー・ヘップバーンのスカーフファッションが人気に。そして、さまざまなスカーフの使い方が見られるようになりました。
日本でのスカーフの広がり
1930年代の日本は和洋折衷の市民文化「昭和モダン」が広がりました。女性が着物から洋服を着るようになり、女性の社会進出も進み、最先端の洋服を着た女性や男性をそれぞれ、モダンガール(モガ)、モダンボーイ(モボ)と呼ぶようになりました。その当時のモガの間でスカーフが登場します。
横浜スカーフとは?
養蚕業が盛んな横浜でシルクのハンカチーフが生まれましたが、1859年横浜が開港し、ハンカチーフなどシルク(生糸と絹製品)の輸出が盛んになりました。そのハンカチーフを大判サイズにしたスカーフがヨーロッパで人気となり、横浜産のスカーフが世界シェアの80%を占めた時期もありました。しかし、近年では、外国のブランド品が生産され、ファッションの変化と相まって横浜スカーフの生産は急激に減少しました。
日本でスカーフが浸透したのはバブル期ではないかといわれています。海外ブランドが日本に進出し、高級スカーフを求める女性が増えました。
世界のスカーフ
世界でも人気のトップブランドのスカーフの紹介をします。
エルメスのスカーフ
エルメスの創業者ティエリ・エルメスは元々は馬のサドルやハーネスを作る職人でした。エルメスのブランドのスタートは1837年。パリのランパール通りに馬のサドルやハーネスをデザインして販売する店をオープンしました。
1937年、スカーフの製造をスタートしました。最初のスカーフの柄は「オムニバスゲームと白い貴婦人」で、4代目のロベール・デュマ・エルメスが生み出しました。
エルメスのスカーフ「カレ」は、シルク素材に豊かな色彩の独特のデザインで世界中で人気を集めています。「カレ」はフランス語で正方形を意味し、5サイズ展開しています。素材は基本的にシルク100%。世界一売れたスカーフとしてギネスブックに登録されている「Brides de Gala:ブリッド・ドゥ・ガラ」は、馬勒(ばろく)が描かれており、1957年に誕生しました。エルメスは、発表した柄のパターンをすべて残しています。
エルメスのスカーフはファッションとしてのみならず、額に入れてインテリアとして飾る人も数多くいます。
エトロのスカーフ
エトロは、1968年にジンモ・エトロがイタリアのミラノに創業しました。ジンモがインドのカシミール紋様を独自のセンスと技法で再現しました。
ジンモは建築家を目指していましたが、父の経営している織物工場を受け継ぎ、独創的なテキスタイルを生み出しました。エトロの特徴であるペイズリー柄は、ジンモの祖母が利用していたカシミール地方のショールがきっかけだと言われています。
エトロは、さまざまなカラーのバリエーションが定評で女性向けだけでなく男性にも支持されています。特に大判のストールが人気です。
スカーフの巻き方
スカーフの巻き方は千差万別。巻き方次第でファッションのイメージがガラッと変わります。せっかくなので、いろいろ試してお気に入りの巻き方を覚えておくとファッションも楽しくなるでしょう。また、自己流にいろいろアレンジすることもおすすめです。
バイアス折り
基本的な折り方です。
- 裏面を上にして、ダイヤ型に広げましょう。
- 対角の2つの角の先端がスカーフの中央にくるように半分折ります。
- さらに両側を中心まで折り込んで細長い形にします。
- 折り目が中央で隣り合わせになるまで折ります。
ネクタイ結び
- バイアス折りしたスカーフを首にかけて、片方を長めにします。
- 長い方の端を短い方に巻きつけます。
- 巻きつけた方を、下から首の輪に通して上に出します。
- 3でできた結び目に通して、形を整えます。
ダブルツイストチョーカー
- バイアス折りしたスカーフを、両端を引っ張りながらねじります。
- 1を首に2重に巻きます。
- 首の前で結びます。結び目は前や横など工夫していただきます。
スカーフの具体的な使い方を英語で表現してみよう!
スカーフは主に首に巻いて使用するアクセサリーですが、頭に被ったり顔を覆ったり、いろいろな使い方をすることができます。
ここでは、そのような具体的なスカーフの使い方を英語で何と表現すればよいか、詳しく確認していきましょう。
「首にスカーフを巻く」in English
「首にスカーフを巻く」は英語で “wrap a scarf around one’s neck” と言います。one’s の部分は「私の首」なら my neck に、「あなたの首」なら your neck になります。
また、単に「スカーフを着用する」という意味なら “put on a scarf” や “wear a scarf” も使われます。「着用する」という動作なら put on が、「着用している」という状態なら wear が適切です。
訳)今日は寒いから、私はスカーフを首に巻くわ。
訳)おしゃれだし、それはいいね。
「スカーフを結ぶ」in English
スカーフを首などに巻く際、どのように結ぶかによって大きく印象が変わりますよね。そのようにスカーフを結ぶ行為は英語だと “tie a scarf” と言います。
Google などで “how to tie a scarf(スカーフの結び方)” というキーワードで検索をすると、スカーフの結び方を説明した動画が多数ヒットしますよ。
「スカーフを頭に被る」in English
「スカーフを頭に被る」は英語で “put on a headscarf” か “wear a headscarf” と表現するのが一般的です。
英語圏の国々では、日本同様 scarf は主に首や肩にかけるイメージがあるので、頭に被る場合はこのように headscarf(頭用のスカーフ) とよく表現します。
「スカーフで顔を覆う」in English
「スカーフで顔を覆う」はストレートに英語で表現すると “cover one’s face with a scarf” となります。このように言えば意図は十分伝わるでしょう。
スカーフで顔を覆うことには、宗教的な意味合いが込められている場合もありますが、最近ではファッションとして楽しむ人も増えてきています。
まとめ
今回は「スカーフ」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。
スカーフは英語でもそのまま “scarf” と言います。ただし、冬用のマフラーも同じく scarf と呼ぶので、差別化したい場合は “silk scarf(シルク製のスカーフ)” や “lightweight scarf(薄手のスカーフ)” などと表現する方がよいでしょう。
スカーフは海外でも人気のファッションアイテムです。今回ご紹介したことを参考に、英語でもファッションを楽しんでいきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習をしてくださいね。
Let’s enjoy!!