日本ではいつも日常的に、それこそ毎日言うのに、海外に行った途端何と言っていいかわからず沈黙しまったらちょっと気まづくありませんか?ホームステイをするのが夢だったりすると、一時期でもその家庭にお邪魔するわけですから毎日使う表現はなんとか英語で言いたいものです。例えば、作ってくれた食事を目の前にして「いただきます!」は何と言いましょうか。ここでそのまま食べ始めるのはなんだか罰が悪いような・・・。今回は、そんな英語圏では微妙な表現、「いただきます」に関することを勉強してみましょう!

英語圏で「いただきます」は言わないの?

ここで疑問になってくるのが、英語でこんなに日常的に使う表現を習っていないということは、海外ではもしかして「いただきます」を言わないのかというもの。そうです。一概には言えないのかもしれませんが、一応、英語圏では日本語の「いただきます」や「ごちそうさま」に当たる言葉を言う習慣はありません。習慣がないのだからそれに相当する言葉もないのは当然ですよね。

宗教によってはお祈りをしてから食事をするというところもあるそうなので、郷に入っては郷に従えになるでしょう。

「いただきます」に相当する表現

「いただきます」に相当する表現

しかし、日本人としては食事前に、特に料理を作ってくれたというのに何も言わずに食べるのが気まずいというのなら、以下のような言葉を覚えておきましょう。まずは、料理を作った側が言うセリフから。

Aさん
Let’s eat!
訳)さあ、食べよう!
Bさん
Wow! I love this!
訳)おお!私これ好き!

他にも、アメリカではよく使われるという表現のLet’s dig in.があり、これも料理を作った側が「さあ食べよう!」というような意味で使います。その他で言うとこんなものも。ホームステイをしたら言われるかもしれませんよ?

Aさん
Dinner is ready!
訳)ご飯できたよ!
Bさん
I’m coming!
訳)今行く!

これは自分が使う側というよりは、相手に言われてきちんとそれを聞き取れるように覚えておかなくてはいけない表現ですね。

他にも、今から作ってもらった料理を食べるのであれば、以下のような言葉を言ってみるのはどうでしょうか。

Aさん
They looks great!
Aさん
Thank you!

とてもシンプルですが、一言言うだけでも違いますよね。食事前に何かをする習慣がない英語圏で手を合わせると、それを真似してくれる人たちもいて、逆に「いただきます」を教えて帰ってくるということでコミュニケーションを取ることも面白そうではないでしょうか。

食事の準備について感謝を表す表現

食事の準備について感謝を表す表現

英語圏では「いただきます」にぴったり相当する表現はありませんが、食事を作ってくれたことに感謝を表したいシチュエーションに出くわすかもしれません。

そういった場合は、シンプルに “Thank you for …”または”Thanks for … “を使って、感謝の意を表しましょう。

Aさん
Thank you for making dinner!
訳)晩ご飯を作ってくれて、ありがとう。
Bさん
My pleasure. I hope you like it.
訳)どうしたしまして。気に入ってくれるといいな。

「召し上がれ」を表す表現

日本語では料理を作った人から「召し上がれ」と声をかけることは少ないですが、フランス語圏では、ホームパーティーに招待されて食事をいただくとき、料理を作ったホストまたはホステスから “Bon appétit”「召し上がれ」とよく声を掛けられます。

フランスの家庭に招かれた経験はないですが、アメリカに留学していた際、フランス系の留学生の女性と親しくなり、ホームパーティーに招待されると、 “Bon appétit”「召し上がれ」と言われたことがありますし、フランス料理店でも “Bon appétit”「召し上がれ」という表現をよく耳にします。

”Bon appétit”は直訳すると「良い食欲を」という意味ですが、そこから転じて「召し上がれ」という意味になりますね。フランスは美食の国ですし、食事を供するときに「おいしい料理を楽しんでほしい」という気持ちから、この表現が生まれたのでしょう。

英語で「召し上がれ」は “Enjoy your meal”になり、食事を提供する側からの表現であることを改めて認識しますね。

食前の祈りを表す英語表現

食前の祈りを表す英語表現

冒頭でも少し触れたように、宗教によっては、食事の前に祈りの言葉を述べてから、食事をすることもあります。

そういった食前の祈りの英語表現を少し紹介します。

<キリスト教のルーテル派の祈り表現>

Come, Lord Jesus, be our guest,
And let these gifts to us be blest. Amen

主イエスよ、私たちと共にいてください。
私たちがいただくこれらの賜物を祝福してください。アーメン。

<別のキリスト教宗派の祈り表現>

God is great. God is good.

And we thank him for our food. Amen.

神は偉大である。神は善である。

そして、私たちの食べ物に感謝します。アーメン

”Let’s pray” や “Shall we pray?”と声を掛けた後に、上記のような祈りの表現が続きます。

「郷に入っては郷に従え」ですから、そういったキリスト教宗派のお宅にホームステイしたり、招待された場合には、食事の前にこういった祈りを捧げてから食事をすることになるでしょう。。

ちなみに「郷に入っては郷に従え」は、英語で “When in Rome, do as the Romans do.”となりますね。食前の祈りを捧げてから、食事をいただくというのも、とても貴重な経験になりそうです。

Aさん
Have you ever prayed to God before having meals?
訳)食前に神に祈りをささげたことはありますか?
Bさん
Never. But in the case of Christmas dinner, I’d like to say a prayer before eating.
訳)一度もないよ。でも、クリスマスディナーの場合、食前に祈りを捧げたいな。
Aさん
I hated the Common Table Prayer when I was a kid.
訳)私は子供の頃、食前の祈りが嫌だったわ。
先ほど紹介した食前の祈りは、”Common Table Prayer”と呼ばれることもあります。キリスト教の宗派によっては、家族で食事をする際に、食前に祈りを捧げてから食事をいただく慣習が残っているようです。

「ごちそうさま」に当たる表現は?

「ごちそうさま」に当たる表現は?

さあ、「いただきます」に相当する英語を学んだので、ついでといっては何ですか「ごちそうさま」も英語で表現してみましょう。やはり、食べ終わった後に何も言わず無言で食卓を去って行っては奇妙に思われますから、何かは言いたいところです。それを言い表すならこちら。

Aさん
That was really delicious.
訳)とてもおいしかったです。
Bさん
Oh, thank you.
訳)ああ、ありがとうね。
Aさん
Thanks for the lovely meal!
訳)おいしい料理をありがとう。
Bさん
I’m so happy to hear that.
訳)それを聞けて嬉しいよ。

「ごちそうさま」に含まれる感謝を、料理を作ってくれた人に向けて言うのなら変ではありませんよね。だからシンプルにありがとうと伝えたり、おいしかったよと言うのが英語流の「ごちそうさま」に当たります。

それ以外には、お腹がいっぱいになったと伝えることで食事の終わりを告げることもできます。役立つフレーズはこちら。

Aさん
I’m done!
訳)ごちそうさま!
Bさん
You’ve ate a lot!
訳)めっちゃ食べたね!
「ごちそうさま」に相当する表現として、”I’m done!”が紹介されているのを見かけますが、その表現は「食べ終わったよ」というニュアンスです。相手や状況を確認してから使った方がいいですね。
レストランなどでお食事して「ごちそうさま」と言いたい場合、先ほど紹介した “That was really delicious.”というのが、ふさわしい表現のように思えます。どこの国のレストランの食事や家庭料理であれ、「おいしかった。ありがとう!」という気持ちを伝えたい場合には、この表現がピッタリですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。英語で「いただきます」は言うのかどうかや、「いただきます」に相当する英語表現を紹介しました。食前の表現は、文化や宗教によって違ってくることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

日本でも、家族など誰かと食事をする時に会話しながらしれっと食べ始めている時がありますから、「いただきます」を言わなくても違和感がなければそれでもOKです。ただ、どうしても違和感があるという場合には、上記のようなフレーズを使ってみてくださいね。食事を作ってくれた人への感謝の気持ちを、自然な英語で表現できたら、それでOKです。