皆さんは寝るときに何を着ていますか?
私はこれまで着古したTシャツなどを適当に着ていたのですが、着るだけで疲労が軽減するというリラックスウェアをもらったので、最近はそれを着て寝ています。それ以来、朝の目覚めがよくなったような気がします。寝るときに着るもの1つでこうも変わるかと、驚きを隠せない今日この頃です。
さて、多くの人が寝るときに着用するのは、間違いなく「パジャマ」でしょう。そこで今回は、パジャマを英語で何と言うかをテーマに、詳しくお話ししていきます。
パジャマ以外の「寝間着」や「ネグリジェ」の英語表現やスラングについても取り上げるので、ぜひ参考にしてください。
それでは、早速始めていきましょう!
「パジャマ」は英語で何て言う?
「パジャマ」は英語で “pajamas” と言います。発音記号は「pəˈdʒɑːməz」で、カタカナだと「パジャマズ」です。
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単語自体は日本語と同じものの、アクセントが異なるので、日本語式に「パジャマ」と言っても通じないことが多いでしょう。日本語だと「パジャマ」と最初のパにアクセントがきますが、英語の pajamas の場合は「パジャマズ」と、ジャの部分にアクセントが来ます。そのため、ジャの部分を少し伸ばし気味に「パジャーマズ」と発音すると、通じやすくなります。
I always wear pajamas when I go to sleep.
訳)私は寝るとき必ずパジャマを着ます。
パジャマは常に複数形?
ここまでを見て、pajama でなく pajamas と常に複数形で書かれていたことに気づきましたか? 英語の場合、このように pajamas と複数形で表すのが普通で、pajama と単数形で表すことはほぼありません。
その理由は、パジャマが常に上下セットの存在だからです。上はキッチリした格好で下だけパジャマ、あるいはその逆といった格好は、普通ではないですよね。
とはいえ、最近ではリモート会議などでそのような服装も条件付きで増えてきたので、a pajama などと単数形で言い表す日も近いかもしれませんね。
ちなみに、パジャマの上だけを個別に表したいのであれば “pajama jacket” や “pajama top” が適切です。また、下の場合は “pajama bottoms”、”pajama pants”、”pajama trousers” などと呼ばれます。
このように、pajama が 形容詞的に使われている場合は s を付けなくてOKです。ややこしいなと感じた方は、とりあえず「pajama は常に複数形」と覚えておくとよいでしょう。
Okay, that concludes our remote meeting. Thank you, everyone.
訳)では、これでリモート会議を終わります。皆さんありがとうございました。
Great job, everyone! Oh, hey A, you’re wearing your pajama bottoms!
訳)みんなお疲れー。ってAさん、下パジャマじゃん!
Wait, you can see them? How embarrassing!
訳)えっ、見えてます? 恥ずかしっ!
パジャマはイギリス英語だとスペルが違う?
ここまで使ってきた pajamas というスペルはアメリカ英語のもので、イギリス英語だと “pyjamas” というスペルが使われています。アメリカ英語とイギリス英語は、center と centre のように、しばしばスペルが微妙に変わるので注意が必要ですね。
ただし、pajamas と pyjamas はスペルこそ違うものの、発音はまったく同じ「パジャマズ」でOKです。
パジャマに関するスラング表現
次に、“pajama”を表すスラングと“pajama”を使ったスラングを紹介します。映画やドラマで出てくることがありますので、意味がわかると便利ですね。
PJ’s
パジャマをスラング的に表現する際は、”PJ’s” という表現がしばしば使われます。これは pajamas を単純に省略した表現で、若者を中心に話し言葉やSNSなどでのカジュアルな書き言葉として人気があります。
特に、パジャマ姿で行うお泊り会である「パジャマパーティー(pajama party)」は “PJ party(PJ’s party)” と表現されることが多いです。
Tonight, we’re having a PJ party with everyone!
訳)今夜はみんなでパジャマパーティーだ!
Woo-hoo! Let’s have a blast until morning!
訳)よっしゃー!朝まではしゃぐぞー!
cat’s pajamas
“cat’s pajamas”というと、「猫のパジャマ」のことかなと思うかもしれません。今は、洋服を着せている猫や犬をよく見かけますし、パジャマを着せていても不思議ではありませんね。
この“cat’s pajamas”は、「とびきりすてきなこと(人、もの)」を意味します。なぜ猫のパジャマがとびきりすてきなのでしょうか。アメリカの小説家、Ray Bradbury(レイ・ブラッドベリ)の短編集にも「The Cat’s Pajamas」というタイトルの本があります。
1920年代のアメリカで動物の名前を使った言葉が流行したそうです。猫は当時、オシャレな女性を指すスラングでした。pajamas はその当時、新しい女性のファッションだったそうです。したがって、「とびきりすてきなこと(人、もの)」という意味を表していたのでしょう。
余談ですが、その当時流行した言葉で“cat’s pajamas”と同じ意味を持つ言葉があります。“bee’s knees”で直訳すると「蜂のひざ」となります。今も使われていますが、言葉からは想像できない意味を持つのはユニークですね。
下記の記事でも、猫が出てくるフレーズ・スラングを紹介しています。
「蜂(ハチ)」に関する英語表現を紹介した記事も読んでみてください。
Yesterday’s musical was the cat’s pajamas!
訳)昨日のミュージカルは、とびきりすてきだったね!
Both singing and dancing were bee’s knees.
訳)歌もダンスも最高だったな。
「パジャマパーティー」って?
先ほど「パジャマパーティー」について触れましたが、そもそも「パジャマパーティー」ってどのようなものなのか気になりますよね。そこで、ここではパジャマパーティーについて紹介します。
パジャマパーティーは、ドレスアップして参加するパーティーではなく、パジャマを着てリラックスして楽しむイベントのことです。自宅などのプライベートな場所で行うのが定番ですが、なかにはパーティーハウスを貸し切る場合もあります。
欧米で定番のイベントで、海外ドラマなどではティーンの女の子たちが仲のいい友達の家に集まって、パジャマでカジュアルに楽しんでいるシーンがよくでてきます。ドラマの影響で日本でも開催されるようになりました。
女子会のようなイメージで、パジャマ姿で他愛もないおしゃべりをしながら飲んだり食べたりして過ごします。内容が決まっているわけではなく、映画鑑賞やゲームなど自由な内容で開催されます。もちろん、女性だけと決まっているわけではなく男性の参加もアリです。
パジャマの語源と歴史は?
普段、「パジャマ」という言葉を何気なく使っていますが、そもそもなぜ「パジャマ」と言うのでしょうか。パジャマの語源とパジャマの歴史をひもといてみようと思います。
「パジャマ」という言葉の語源は、ヒンディー語の「paayjaamaa(パージャーマー)」からきています。ヒンディー語で「ゆったりとしたズボン」を表し、寝間着ではなく洋服としての意味を持ちます。
インドに駐在していたイギリス人が、ゆったりとしたズボンを寝間着として使用したことから、「パジャマ」という言葉が世界中に広まりました。
そのイギリス人の駐在員がイギリスへ帰国したとき、イギリスの寝間着は男女問わずワンピース型でした。ネグリジェのようなイメージです。ワンピース型の寝間着だと寝返りがしにくいなどの支障があり、2ピース型の寝間着を取り入れることになりました。
ワンピース型のナイトシャツの裾をカットし、インドから輸入した「パージャーマー」とあわせて2ピースにし、正式にパジャマと呼ぶようになりました。
日本にパジャマが入ったのはいつ?
日本では、江戸時代末期まで寝間着として浴衣が着用されていました。
パジャマに変わったのは、明治時代の欧米文化の影響で和服から洋服への変化に伴い、寝間着も浴衣からパジャマに変化していったということです。
現在では、ルームウェアとパジャマが併用されたり、スウェットを着て寝る人も増えているようです。
パジャマの関連語も英語で言ってみよう
ここでは、パジャマと似た意味で使われる「寝間着」や「ネグリジェ」を英語で何と言うか、詳しく確認していきます。
それぞれ寝るときに着るという意味では共通していますが、表すものに若干違いがあるので、この機会にぜひ覚えておきましょう。
「寝間着(寝巻)」in English
日本語の「寝間着(寝巻)」に近い意味合いで使われるのは “sleepwear(スリープウェア)” と “nightwear(ナイトウェア)” の2つです。
ここで使われている wear は着るもの、つまり服を表すので、sleepwear は文字通り寝る間に着る「寝間着」、nightwear は夜の間に着る「夜間着」というニュアンスになります。
sleepwear と nightwear が pajamas と異なっているのは、決まった形式がない点。pajama は一揃いの上下セットなのが普通ですが、sleepwear と nightwear はTシャツでもガウンでも何でも当てはまります。その点も、日本語の寝間着のニュアンスと非常によく似ていますね。
また、pajamas が常に複数形だったのに対して、sleepwear と nightwear は単数形で使われるのが一般的です。
「部屋着」in English
日本語の「部屋着」に相当する英語表現は “loungewear(ラウンジウェア)” です。ここで使われる lounge はもともと「くつろぐ、ゆっくりする」という意味の動詞なので、loungewear で「ゆっくりするための服」といったニュアンスになります。
なお、日本では部屋着のことをカタカナ語で「ルームウェア」とよく言いますが、roomwear という単語は英語では一般的ではないので要注意。通じないことはないですが、相手によっては混乱してしまう可能性もあるので、この機会に loungewear の方を覚えておきましょう。
「ネグリジェ」in English
女性がよく着る、ドレスのようなかわいらしい寝間着「ネグリジェ」は、英語だと “negligee” と言います。発音記号は「ˌneɡlɪˈʒeɪ」で、カタカナだと「ネグリジェイ」のように聞こえます。
ネグリジェはもともとフランスで発祥した nightwear だといわれています。上下が繋がったワンピース型になっていて、多くの場合フリルなどの装飾が付いていたり、生地が透けていたりとフェミニンでセクシーなデザインになっています。
海外のパジャマ事情は?
日本ではほとんどの人が、パジャマに着替えて寝ますよね。そして、四季がある日本では、パジャマも半袖や長袖、涼しい生地、温かい生地など使い分けます。
では、海外ではどんな服を着て寝るのか気になりますよね。海外のパジャマ事情についてみてみましょう。
フランス
フランスでは、17世紀から18世紀ごろまでは、男女問わずワンピース型寝間着が着用されていました。
レースやフリルが付いた柔らかい素材の寝間着で、貴族の男性もフリル付きのネグリジェを着ていたといわれています。
現在はパジャマが普及していますが、幼少期からショーツ1枚や裸で寝る習慣がある人も多いといわれています。
カナダ
カナダでは、夏はTシャツに短パン、冬はゆったりしたパジャマを着る習慣があるといわれています。冬は極寒ですが、家の中は暖房で暖かいので薄着の長袖でも大丈夫だそうです。
上下つなぎの着ぐるみパジャマなど、かわいいパジャマを着る女性も多いようです。「かわいい」が好きなのは、世界共通ですね。
ニュージーランド
ニュージーランドは日本と同じように四季がありますが、季節による温度変化は日本ほど大きくありません。
ニュージーランドでは、冬でも暖房で部屋を暖めているので、下着で寝る人もいるようです。もちろんパジャマを着て寝る人もいるので、各人の習慣によるといえるのではないでしょうか。
セルビア
セルビアは日本のように四季があります。季節に夜温度変化が日本より大きいです。
セルビアも、日本と同じようにパジャマを着て寝る人が多いようです。冬は長袖で、暑くなれば袖が短いパジャマを着るということです。日本に似ていますね。
中国
中国では、パジャマのまま外出する姿がよく見られるようです。家の近くにお出かけするときだけでなく、デパートやスーパーマーケットに出かけるときもです。
若い世代も年配の方も男性も女性も、よく見かけるようです。多くの人がパジャマで出かけるなら気にならないかもしれません。しかし、日本では見ない光景ですね。
まとめ
今回は「パジャマ」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。
パジャマは英語でも “pajamas” ですが、基本複数形で使う点と、発音アクセントが「パジャーマズ」と日本の場合とは少し違う点に注意が必要です。
寝るときに何を着るかは個人の自由。上下セットの pajamas を着る人もいれば、着心地のよいTシャツなどを loungewear にして寝ている人もいるでしょう。
今回ご紹介したことを参考に、寝間着に何を着ているか英語で話し合ってみると、それぞれの違いが見えて面白いかもしれませんよ。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!