「知らないかもしれないけど、外国人で納豆食べる人はそんなに少数派じゃないよ」
「義両親が大好き。私って少数派?」

多数派・少数派に分けた話題の会話をすることってありませんか?
普段の暮らしで多くの人がしないことをするとき、または権利というような真面目な話しをするときに少数派という言葉が使われます。

皆さん、少数派の英語表現や使い方は大丈夫ですか?

この記事では、英語「少数派」をお題にし、反対語や類義語など様々な表現を紹介していきましょう。イギリスの少数派事情もお届けします。

「マイノリティー」の意味とは?

マイノリティーという言葉があります。
例えば、100人の人がいたとして、90人が犬が大好きな犬派です。残りの10人は猫派であり、犬派と比べると人数がグッと少ない状態です。このとき、猫派の人たちがマイノリティーと呼ばれます。
このことから分かるように、マイノリティー=少数派になります。

マイノリティーは英語minority

マイノリティーは英語minorityからきた言葉です。

名詞としては、全体を構成する2つのもののうちの少数のもの、人種や宗教などにおける少数派、マイノリティー、そして支配政党に対する少数政党という意味があります。
形容詞としては「少数の」になります。

そこで、辞書Cambridge Dictionaryでもminorityの意味を調べてみましょう。
すると「a smaller number or part(より小さい数または部分)」という定義があることが分かります。

参考:Cambridge Dictionary “minority”

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minorityの使い方と例文

自分が少数派のときにはI’m in the minority.(私は少数派だ)で表現できます。続けて、Cambridge Dictionaryの同ページから例文も2つ参考にみてみましょう。

Aさん
It’s only a tiny minority of people who are causing the problem.
訳)問題を引き起こしているのは、ごく一部の人々だけです。

何か重大な問題が起こった場面。その状況にいた人すべてではなく、ごく一部(a tiny minority)だけが問題の原因になっているということですね。

Aさん
Children with single parents at my school were very much in the minority.
訳)私の学校では、片親を持つ子どもたちは非常に少数派だったよ。

シングルペアレンツでなく、母親・父親がいる子どもがほとんどという状態の学校に通っていたという話しですね。

さて、ここでminorityの名詞としての意味「全体を構成する2つのもののうちの少数のもの」を思い出してみましょう。
ポイントは何かが2つあって、それらを比較しているという点です。

では、比較する上で、minorityに対して多数である「多数派」を知らないわけにはいかないですね。
さっそく、みてみましょう。

「多数派」の英語

「多数派」の英語

minorityのopposite(反対語)は、名詞「majority」です。

majorityはカタカナでマジョリティとしても日本語のなかで使われることがある「多数派」を表す言葉です。

多数派以外にも、以下の意味があります。

  • (人や物の集まりの)大多数・過半数
  • (選挙や投票時の)多数派(党)

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majorityの使い方と例文

Aさん
I’m in the majority.
訳)私は多数派だ。
Aさん
His opinion about the scandal of partygate is in the majority.
訳)パーティゲートのスキャンダルについての彼の意見は多数派です。

パーティゲートとは2020年、英保守党がコロナに関するルールを破ってクリスマスパーティをしていたスキャンダル。2023年6月、ジョンソン元首相は議会を故意にミスリードしたと報告書が発表しました。後からパーティの動画などの証拠が出てきて大きなニュースになっています。

Aさん
The majority said they never thought to move to a different country.
訳)大多数は他の国に移住するなど考えたこともなかったと述べた。
Aさん
The majority of people use a smartphone.
訳)大多数はスマートフォンを使用しています。

逆に言えば、他の国に引っ越しをすると考える人、スマホを使っていない人は少数派ということになります。

「少数派」の言い換え表現

「少数派」の言い換え表現

少数派(=マイノリティー)の類義語もみていきましょう。
言葉としてはマイナー、非主流派、小勢などが挙げられます。

minor

minorには少数派や「小さいほうの・より少ない」という意味があり、重要性、深刻さ、重要性が低いニュアンスを持っています。

Aさん
Beach soccer is one of the minor sports.
訳)ビーチサッカーはマイナーなスポーツの一つです。

non-mainstream

「非主流派」の意味を持つ単語がnon-mainstreamです。mainstreamにすると反対語で主流・本流になり、それに対してnonで否定しています。

Aさん
The small publishing company is searching for works by a non-mainstream author.
訳)その小さな出版社は、非主流派の著者の作品を探しています。

「サイレント・マイノリティー」の英語

「サイレント・マイノリティー」の英語

この記事ではサイレント・マイノリティーについても取り上げましょう。
マイノリティーの複合語であるサイレント・マイノリティーとは、声を上げられない悩みを持つ人たちのことを言います。

silent minority

「静かな・口に出さない・口に出せない・沈黙した」などの意味を持つsilentを使ったフレーズsilent minorityはあらゆる状況で起こります。例えば、会社勤めの人の組織内サイレント・マイノリティー、LGBTQ+の人々がまだまだ声を上げられない悩みをもっていることなど、少数派ゆえに理解されず孤独を感じるときにサイレント・マイノリティーを使います。

Aさん
About 40% of gay workers are a silent minority.
訳)同性愛者の労働者の約40%は、サイレント・マイノリティー(沈黙の少数派)だ。

LGBTQ+は性的マイノリティーとも呼ばれます。ケースによっては家族から、また学校や職場などでの無理解や偏見が多く、辛い思いをしている人たちが多くいます。

minority right

マジョリティと比べるとマイノリティーの人たちは、何かと差別を受けやすい立場にいます。
最期に、イギリス政府のウェブサイトから、イギリスにおける差別における”あなたの権利”を紹介しましょう。以下のように明確に述べられています。
差別の英語は「discrimination(不公平は扱い・差別)」です。

Types of discrimination

  • 年齢
  • 性別適合
  • 結婚、または同性結婚
  • 妊娠中、または産休中
  • 障害
  • 肌の色・国籍・民族・人種・宗教・信念
  • 性別
  • 性的指向

You’re protected from discrimination

  • 職場で
  • 教育現場で
  • 消費者として
  • 公共サービスを利用するとき
  • 不動産を購入または賃貸するとき
  • 協会などのメンバーまたゲストとして

※これらは「The Equality Act 2010」によって、差別から法的に保護されています。

いかがでしょうか?法があっても完璧な保護とならない部分もありますが、これがイギリス。LGBTQ+コミュニティのためのフェステイバル「プライド・パレード」も2022年で50年を迎えています。もともと、マイノリティーである同性愛者の権利を求めるデモの一つだったんですね。まさしく、minority rightを主張しているのです。

参考:GOV.UK “Discrimination: your rights”

まとめ

マイノリティーはminorityであり、全体を構成する2つのもののうちの少数のもの、人種や宗教などにおける少数派などを意味します。反対に、多数派はmajorityであることも分かりました。
何事も数で解決するべきではありませんし、立場や意見が違ってもお互いが尊重できるような社会のほうが優しくってこれからの在り方ではないでしょうか。