パラリンピックの機会にカヌー(スプリント)のルールを覚えたいという方もいるかもしれません。そこでルールを覚えるだけではなく、ついでに英語学習をするのも1つの手です。ルールに関連する英単語を押さえていくだけで、スポーツの勉強をしながら英語学習もできます。関連する用語や例文を通して、英語の学習につなげていきましょう。
カヌー競技について知ろう
パラリンピックにおけるカヌー(スプリント)は、2016年のリオデジャネイロ大会から正式競技となった歴史の浅い競技です。カヌーはボートとは異なり、選手が進行方向に向かって座った状態で競技が行われます。1艇に1人が乗って8艇が同時にスタートしてタイムを競う競技です。またパラリンピックでは、下半身や体幹に障害がある選手が3つのクラスに分かれて競技に参加しています。競技に使われるカヌーですが、英語だと「canoe」と書きます。例文とセットで押さえておくことで、さまざまなパターンに対応できる英語学習につなげられます。例えば「カヌーで」という文章なら「by canoe」と表現できます。また「a canoe」と書かれている場合、丸木舟の意味で使われるケースも見られます。
スプリントって何?
カヌー競技と聞くと、流れの川などのコースを漕ぐイメージがある方もいるでしょう。ですがカヌー(スプリント)の場合には、流れがある川ではなく、流れのない静かな水面を直線で進みゴールまでのスピードを競います。カヌー(スプリント)におけるスプリントという単語ですが、カヌーではなく陸上のスプリントといわれたら聞き覚えがある方もいるかもしれません。スプリントは英語だと「sprint」と書いて、「短距離走」や「全力疾走」などを意味する単語です。例えば「全力疾走で避難する」という文章があったら、「make a sprint for shelter」と表現できます。また動詞で「全力疾走する」の意味で使われる場合も見られます。
種目の種類を知ろう
カヌー(スプリント)では、どのような競技種目が実施されるのでしょうか。距離はすべて200mで、流れのないコースを漕いでいくというシンプルなスタイルで順位が決まります。リオデジャネイロオリンピックで実施されたのはカヤックの障害のクラス別競技のみでしたが、東京オリンピックではヴァーという種目が追加されます。種目ごとの違いに注目して、パラリンピックを楽しみましょう。また200mは英語でも、同じように200mと表記することもあれば、200meterと書く場合もあります。英語の例文が「200メートル競走で金メダルを獲得する」なら、「win the gold medal in the 200-meter sprint」となります。競技の部分を変えるだけで応用が可能な例文です。
カヤック種目はどのようなものか?
カヌー(スプリント)におけるカヤック種目では、1艇の長さが5m20cmで最小幅が50cmになります。最小重量が12kgの直進性に優れた形状のものに乗って、スピードを競っていきます。艇はオリンピックと同じような形状で、パドルは長さが2mほどで水をとらえるブレードが両側についたものを使います。1本のパドルを持った選手が、艇の左右を交互に漕ぎながら進みます。カヤックは英語だと「kayak」となります。英語での用語だけを押さえておくのではなく、例文とセットでチェックしておくことが大切です。
I am a little anxious about controlling a kayak.
訳)カヤックの操作に少し不安がある。
名詞などを入れ替えることで応用が効く文章を押さえることで、英語学習につなげやすくなります。
ヴァー種目について知ろう
カヌー(スプリント)におけるヴァー種目では、カヤックよりも1艇が長くなります。長さは7m30cm以内で、最小重量が13kgのものに乗ってスピードを競います。ヴァー種目の特徴の1つが、本体の左右どちらか片方にバランスを取るためのアウトリガー(浮き具)が装着されていることです。アウトリガーがあることでカヌーが安定しやすくなります。アウトリガーは英語で「outrigger」ですが、語源で考えるとアウトとリガーの部分に分けて考える必要があります。リガーの部分は、備え付けるもしく船の装備などの意味を持つ「rig」が由来になります。つまりアウトが外で、リガーが船の装備を意味し、2つが合わさると船の外に取り付ける装備で、浮き具のことをアウトリガーと呼びます。
改造可能な部分に注目
パラリンピックのカヌー(スプリント)がオリンピック競技と異なる点の1つが、選手は障害に応じてルールの範囲内でカヌーのシート部分やコックピット内部の改造が可能なことです。体幹バランスを取るのが難しい選手だと、座席の改造をしないとバランスを保てません。素材や形状などを自身の障害や体型に合わせて工夫することで、艇と一体化して漕げるようになります。例えば座席と体を固定するためのベルトを取り付けるなどの工夫が見られます。「改造する」という用語は、「remodel」や「renovate」、「modify」など複数の英語表現が可能です。日本語に訳すと同じ意味でも、単語ごとに使われる場面が異なるので確認が大切です。
また「改造する」の意味がある単語の中で、一般的に使われているのが「remodel」になります。
I remodeled my car.
訳)車を改造した。
実際に改造するものによって英単語が使い分けられていることもあるので、使い方も合わせて押さえておきましょう。
パドルの英語表現を知ろう
カヌー(スプリント)で欠かせないのが、漕ぐときに使うパドルです。パドルで水をとらえてスピードに乗ってゴールを目指すことが、競技の勝敗をわけるポイントです。競技に欠かせないパドルですが、英語で表現すると「paddle」になります。カヌーなどのパドルや櫂の意味で使われるほかにも、パドルと似たような形状のものを意味する場合もあります。例えばヘラや水かきなども「paddle」と書いて説明されている場合もあります。また名詞でパドルを意味するだけではなく、パドルを漕ぐという意味の動詞で使われるケースも見られます。カヌーを漕ぐと表現したいなら「paddle a canoe」で、うまく水をかくという文章は「to paddle water well」と表せます。
上半身を鍛えることが大切
パラリンピックのカヌー(スプリント)では、下半身に障害がある選手が出場しています。脚の力で踏ん張ることができないので、パドルを漕いで進む際には上半身の筋力が重要な意味を持ちます。選手は個人で鍛えている場合もありますが、監督やコーチと相談しながらトレーニングメニューを決めている場合も多く見られます。障害によってできることが異なるため、それぞれの選手の状態に合わせたトレーニングを実施することが大切です。トレーニングは英語で「training」で、厳しい練習なら「hard training」、トレーニング期間は「training period」と表せます。
カヌーは水の上のバリアフリー?
パラリンピックのカヌー(スプリント)の選手の中には、「水の上は究極のバリアフリー」という選手も多くいます。段差や坂道がなく風邪を切って進めることがカヌーの魅力と感じている選手も多く、実際の競技では障害を感じさせない試合展開が見られます。バリアフリーは英語だと「barrier free」になりますが、日本語のバリアフリーと英語だと使われ方のニュアンスが異なります。英語の「barrier free」段差を解消し車いすで通行が可能になることが主な意味です。日本語のバリアフリーのように障害のある方にとっての環境を改善するという意味で使いたいなら、「create an easily accessible environment」と表現が使われています。
英語を覚えたら競技を楽しもう
カヌー(スプリント)に関連する英語だけでも、さまざまな単語や例文を押さえて学習につなげることが可能です。実際に英語での用語や例文を押さえたら、パラリンピックの競技を純粋に応援して楽しみましょう。英語学習を通してルールを学習したことで、競技の見どころを理解しカヌー(スプリント)の競技がさらに楽しみやすくなります。