最大限の体力と精神力、技術が必要となる競技がトライアスロンです。このトライアスロンは、パラリンピックにも採用されている競技です。またトライアスロンは、世界中で愛されている競技でもあります。英語のニュース記事や動画も多いトライアスロンは、英語の勉強にとってもたいへん役に立つ存在です。この記事ではトライアスロンの基本や用語、トライアスロンに関する英単語や例文などをご紹介します。

トライアスロンを英語で何と言う?

トライアスロンは英語では「Triathlon」です。triはギリシャ語で3を、athlonは競技を意味します。つまりtriathlonとは「3つの競技」を意味する単語、だということになります。また、パラリンピックは「Paralympics」です。パラリンピックとトライアスロンを一緒にした、「Paratriathlon(パラトライアスロン)」という言葉もあります。パラトライアスロンの意味はその言葉の通り「障がいを持つアスリート向けのトライアスロン」です。

パラリンピックにおけるトライアスロン

パラトライアスロンで英語を学ぶ場合、競技について知っておくことは必要不可欠です。パラトライアスロンはトライアスロンの1種ですが、幾つかの点で異なります。その違いを見ていく前に、トライアスロンに関する基本事項を説明します。

トライアスロンに関する基本事項

トライアスロンの歴史は1970年代前半からスタートします。紀元前まで遡ることが可能な競技とはまた違い、比較的新しいスポーツだと言えるでしょう。発祥の地はハワイです。トライアスロンは「スイム(水泳)」と「バイク(自転車)」、「ラン(ランニング)」の3つの種目で構成されています。たいへん過酷なスポーツであることから、日本では「鉄人レース」と呼ばれたこともありました。各種目の距離はレースによって違いますが、オリンピックにおいては競技時間などを考慮し「ショート・ディスタンス(短距離)」で行われています。

ショート・ディスタンスは英語にすると「Short distance」です。スイムが1.5 キロメートルでバイクが40 キロメートル、そしてランが10 キロメートルです。合計距離は51.5キロメートルとなります。オリンピックのトライアスロンとパラトライアスロンの主な相違点は、各種目の距離とトランジションの意味合い、そしてガイドとスイムイグジットアシスタントの存在です。

パラトライアスロンの距離

パラトライアスロンは、ショート・ディスタンスの半分となる「スプリント・ディスタンス」で行われます。英語では「Sprint distance」です。具体的にはスイムが750メートルでバイクが20キロメートル、ランが5キロメートルとなります。3つの種目の合計距離は25.75キロメートルです。

トランジション

トランジションとは「移行」や「過度」、「変遷期」などを意味する言葉です。英語では「transition」です。トライアスロンでのトランジションは、スイムからバイク、バイクからランへ種目を移行する過程を表します。またトランジションに要した時間も、トータルタイムに含まれます。パラトライアスロンにおいても基本的には同じです。ただし「ハンドラー」が存在する点が、トライアスロンとは異なります。ハンドラーとは競技者の手助けをする人のことで、英語では「handler」です。種目によっては障がいのある選手だけでは、トランジションをうまくできないことがあります。その場合ハンドラーが手伝うことで、素早いトランジションが可能となります。

障がいのあるアスリートとハンドラーが一体となってトランジションを行い、1分1秒を争う様もパラトライアスロンの醍醐味の1つです。

ガイドとスイムイグジットアシスタント

パラトライアスロンにおける「ガイド」とは、視覚障害を持つアスリートに協力し、共に競技を行う人のことです。英語では「guide」です。スイムとランではテザーというロープでアスリートと繋がり、一緒に競技をします。またバイクではタンデムバイクの前席に座り、アスリートを誘導しながら自分も競技を行います。ガイドにも卓越した競技の技量が求められることから、トライアスロン選手が務める場合も少なくありません。

「スイムイグジットアシスタント」とは、スイム区間のゴール地点に待機し、アスリートを水から引き上げる人たちのことです。また引き上げるだけではなく、トランジションエリアへの移動も手助けします。英語では「Swim Exit Assistant」で、略称は「SEA」です。共に競技を行うガイドとは異なり、SEAはサポート要員という位置づけとなります。とはいえ競技時間に影響を与えるという点は同じであり、とても重要な存在なのは間違いありません。

最低限覚えておきたいパラトライアスロン用語

まず覚えておきたいのが、種目のクラス分けです。障害の内容などによって幾つかのクラスがありますが、最低限つかんでおきたいのは「PTWC」と「PTS」、そして「PTVI」の3つの用語です。PTWCが座位クラスでPTSは立位クラス、PTVIは視覚障がいクラスとなっています。クラスにより使用可能な器具や補装具などが異なります。足首に巻く、センサーがついたバンドは「アンクルバンド(Ankle band)」です。これによりスイムのゴールを判断します。審判員は「マーシャル(Marshall)」です。トライアスロンではルール違反があったとき、選手にペナルティが課せられます。その場合に選手が入るのが「ペナルティボックス(Penalty box)」です。

いろいろな理由により、レースを完走できないことがあります。それを「DNF(Do Not Finish)」と言います。大会結果は「リザルト(Result)」です。結果を知りたいときには、Resultの項目を探すようにしましょう。

パラトライアスロンでよく見られる英語の例文

パラトライアスロンに関する記事や、掲示板などでよく見られる例文は次の通りです。これらを知っておくことで、パラトライアスロンの記事などに対する理解力が増すでしょう。スイムは英語で「Swim」です。バイクは「Bike」ですが、記事によってはcyclingやbicycleを使うこともあります。またランは「Run」です。

Aさん
His swim is powerful.
訳)彼の泳ぎは力強い
Aさん
She is good at swimming than anyone else.
訳)彼女は誰よりも泳ぐのが得意です
Aさん
He swam to the end with his guide.
訳)彼はガイドと共に最後まで泳ぎきった
Aさん
She learned how to ride a bicycle from her head coach.
訳)彼女は監督から自転車の乗り方を教わった
Aさん
The goal of the cycling race is just around the corner!
訳)自転車レースのゴールはもうすぐ!
Aさん
The last event of paratriathlon is running.
訳)パラトライアスロンの最後の種目はランニングです
Aさん
She ran at the top.
訳)彼女はトップで走った。

パラトライアスロンで英語を学ぶ方法

パラトライアスロンで英語を学ぶ方法はさまざまです。それぞれ特徴やメリットが異なるので、目的に合ったものを選びましょう。可能であれば、複数の方法で学ぶのがおすすめです。

ネット記事を利用する

英単語やフレーズなどの使い方を学ぶのに適しているのが、パラトライアスロンに関するネット上の記事です。2つの窓でParatriathlonを検索し、興味が持てる英語の記事を探します。見つかったら片方は英語版のまま、もう片方は和訳して表示します。これにより、英語と日本語を比較しながら学ぶことが可能です。ただし自動翻訳の場合、意味不明な日本語となることもあるので注意が必要です。そういった場合には辞書などでよく調べ、正しい意味をつかみ取るようにしましょう。それにより、実践的な英語力を養えるからです。

動画を視聴する

英単語の実際の発音を知ったり、ヒヤリングスキルを高めたりしたい場合に適しているのが動画の視聴です。なかなか聞き取れないこともありますが、肝心なのは諦めないことです。何度も同じ動画を視聴することで、ヒヤリングスキルは向上します。また、アクセントや発音の強弱を身に付けるのにも動画は役立ちます。

レース実況を視聴する

可能であれば、実際のレース実況を視聴してみましょう。臨場感あふれる英語を学べますし、パラトライアスロンの魅力を味わいながら英語に触れることもできます。アスリートの奮闘に感動した際、耳に飛び込んできたフレーズは忘れがたいものです。とはいえレース実況は早口になることが多く、簡単には聞き取れないかもしれません。事前にスローな語り口の動画で、できるだけヒヤリングスキルを伸ばしておくのが大切です。

SNSで学ぶ

くだけた表現や、スラングなどを覚えたいときにはSNSを活用してみましょう。ネイティブスピーカーが普段使っている、生活感のある英語を学べます。相互交流が可能なSNSなら、自分の英語スキルをチェックすることもできます。特にパラトライアスロンの開催時は、実際のレースに即した単語や文章を、目で確認できるのでおすすめです。

パラトライアスロンで英語力を高めよう!

トライアスロンは大勢の参加者が、一堂に会して競技を行うのが特徴です。入り乱れてレースを行いますし、中盤の駆け引きやゴール手前の攻防も見どころとなっています。特にパラトライアスロンの場合、肉体的ハンデを前向きに受け止めたアスリートたちの、白熱したレースを堪能可能です。見ているだけで引き込まれるのがパラトライアスロンだと言えるでしょう。この魅力ある競技で英語を学び、英語力を高めましょう。