今回は、「笑う」という英語の動詞にはどんなものがあるのかを解説していきます。一口に「笑う」と言っても、クスクスと笑っているのか、それともあざ笑っているのか、声を出してワッハッハと笑っているのか、これらの違いがありますよね。洋書を読んでいると色々な「笑う」に関する動詞が使い分けられていて、日本語版でも、日本語を母語とする人はこんな表現はしないなと思うようないわゆる翻訳であることがよくわかる表現になることが多いです。このように、英語圏では笑いの種類を分けて考えているので、それぞれの動詞を使い分けられるようにしておきましょう!

声を出して笑うのはlaugh

「笑う」と言えば英語ではLaughですよね。これは、声を出してワッハッハと笑う時に使う動詞です。単に声をd出して笑うことにしか焦点が行かない動詞なので、その時の感情は問いません。

楽しくて笑っている時にも、人を馬鹿にして笑っている時にも使えます。汎用性が高いのはメリットかもしれませんが、一方で読書をする時などには文脈を理解していないと相手の感情がわからなかったり、何を意図して笑っているのかわからなくなることもあります。

Laughは、大抵前置詞とセットで覚えるのでこちらは暗記しておきましょう。「laugh at~」で、「~を笑う」です。また、「laugh about~」で「~のことを笑う」とほぼ同じ意味の文章を作ることもできるので、両方を知っておくと便利です。

他にも、「laugh off」で「~を笑い飛ばす、一笑に付す」という熟語もあるので余裕があればぜひここで今覚えていってくださいね!

Aさん
Hey! Don’t laugh at me!
訳)おい笑うなよ!
Bさん
Sorry, but…it’s so funny.
訳)ごめん、でも・・・めっちゃ面白くて

微笑むならsmile

微笑むならsmile

「笑う」は英語でSmileでしょと思った方も正解です!Laughは声を出して笑うことを言いますが、Smileは声を出さずに笑うことを言います。日本語で言えば、「微笑む」ですね。「にっこり」という表現もできます。

こちらもLaughと同じように前置詞を使って「smile at~」とし、「~に微笑みかける」という熟語ができます。また、「smile back at~」で「~に微笑み返す」という熟語もあり、よく使うので覚えておきましょう。

冷笑するならsnicker

人を見下して笑う時に使いのがSnickerという動詞です。日常生活ではあまり使わない単語だと思いますが、小説の中では出てきますね。対面してSnickerすることはなくても、一人になった時に実は冷笑していたという場面も多々あります。

「笑う」という動詞を使う時にはatという前置詞は大活躍ですね。ここでも「snicker at~」で「~のことを冷笑する」という熟語があります。また、「snicker behind one’s back」は「陰で冷笑する」という熟語です。

なんとなくスペル的に人を表す名詞のように見えますが、きちんと動詞として使えるので注意しながら暗記してみてください。

Aさん
He must snicker behind his back!
訳)彼は陰で冷笑しているに違いないわ!
Bさん
Don’t be silly. He must not!
訳)バカなこと言わないで。そんなはずないよ!

フフッと笑うのはchuckle

Chuckleは、静かに笑う時に使う動詞です。その感情に通常悪意は含まれず、人を見下して笑ったり、ざまあみろと笑う場合には使いません。

「chuckle to oneself」で、「含み笑いをする」という意味になる熟語もあるので覚えておきましょう。音が楽しい動詞でもあるので、たくさんリスニングをして実際にその笑いを自分でやってみながら覚えるのもおすすめですよ!

クスクス笑うのはgiggle

クスクス笑うのはgiggle

Giggleは英語の本によく登場する表現で、小説だとキャラクターたちが笑う時に頻出する単語になります。意味は、クスクス笑うこと

人が失敗した時に、相手にバレないように笑う時などに使われることもあるので悪意のある笑いと捉えられる時もあります。こちらも発音してみると少し面白い音になりますね。

歯を見せて笑うならgrin

小説ではGrinも非常によく出てきますね。これは歯を見せてにっくりと笑うことを意味します。日本語訳をすると、「歯を見せて」というところがなんだか奇妙な笑いだと思ってしまうのですが、これはいわゆるGrinという笑いがどのような笑いなのか説明しているだけですから、実際はこんなに厳密に訳さなくても良いでしょう。

そこまで厳密な訳を求められておらず、むしろ読者を物語の中に引き込まなくてはいけない翻訳などでは余計な説明を省くことも大切です。

こちらも「grin at~」という熟語として使います。過去形にする時は、最後のnをもう一つ重ねて-edとなるので注意が必要です。

Aさん
When she was watching TV, she suddenly grinned.
訳)彼女はテレビを見ていた時ね、急に笑ったの
Bさん
What kind of program was she watching?
訳)どんな番組見てたの?

馬鹿笑いするならguffaw

馬鹿笑いするならguffaw

誰かがふざけた時、それを見てゲラゲラ笑うような時にぴったりな動詞はGuffawです。あまり見慣れない単語だと思いますが、小学生や中学生の頃ならよくありそうなシチュエーションですよね。

日本語では「バカ笑いをする」や「ゲラゲラ笑う」という言葉がわかりやすいでしょう。これも場合に応じて、訳すなら普通に「笑う」としたり、「腹がよじれるくらい笑う」と日本語で違和感のないように仕上げるべきでしょう。

まとめ

「笑う」は日本語だとクスクス笑うことも相手をバカにして笑うことも、文脈で伝わるならすべて「笑う」と言ってしまいがちです。しかし、英語ではそれぞれどんな笑いなのかによって単語が明確に分かれていましたね。もちろん日本語でも笑いの種類によって違う言葉はありますが、あまり日常で使わない印象です。特によく知られているLaughとSmileの違いは、今回しっかり覚えておきましょう。声を出して笑うのがLaugh、声を出さずににっこり微笑むのがSmileです。小説ではGiggleやGrinなどが結構出て来るので、読書が好きな人は今回出てきた単語をすべて覚えておいてほしいですね。