つるんとした舌触りにもちもちした食感が魅力の「白玉団子」。
日本の和菓子として知られている「白玉団子」は、シンプルに黒蜜やきな粉をかけても、あんみつやアイスクリームに添えても美味しいですよね。
2020年頃には第2のタピオカとして注目を浴び、カラフルな「デコ白玉」や、ヘルシーな「豆腐白玉」など、一大ブームを巻き起こしました。
現在も、和菓子にとどまらず、さまざまなスイーツや料理に欠かせない存在になりつつあります。
今回は、そんな「白玉団子」について、そのルーツである中国の歴史と伝統、代表的な白玉団子の種類、適切な英語表現を紹介していきます。
「白玉団子」とは
「白玉団子」は、もち米を原料とする白玉粉で作る団子のことです。
丸くてつるんとした見た目に、なめらかでもちもちとした食感が特徴です。
黒蜜やきな粉、抹茶などをトッピングして食べるのが一般的ですが、アイスクリームやホイップクリーム、小豆、フルーツなどを添えても美味しく食べられます。
醤油団子やみたらし団子のような、もち米とうるち米を混ぜた団子粉で作った「団子」と違って、「白玉団子」は冷やしても固くならないため、デザートとしてとても人気があります。
子どもから大人まで、幅広い年代の人々から愛されている「白玉団子」のルーツを探っていきましょう。
「白玉団子」のルーツと歴史
「白玉団子」のルーツは、中国の伝統的な料理「湯圓(タンユエン)」と「元宵(ユエンシャオ)」といわれています。
「湯圓(タンユエン)」と「元宵(ユエンシャオ)」は、どちらも中国の伝統的な「白玉団子」で、もち米を丸めて餡を包んだ料理です。
中国では、旧暦の1月1日(春節)からお正月の祝賀シーズンが始まります。
春節の最後を締めくくる旧暦の1月15日は元宵節と呼ばれ、夜になると人々は提灯に火を灯し、満月を眺めながら一家団欒を過ごす風習があります。
中国の「白玉団子」は、そんな大きな節目である元宵節に欠かせない、家庭円満や一族の幸福を象徴する食べ物として、古くから親しまれてきました。
元宵節で食べられている「白玉団子」は、日本でいうお月見団子よりも少し大きめで、中に甘い餡が入っており、蒸したり揚げたりと調理方法にもバリエーションがあります。
中国の伝統的な白玉団子
中国の伝統行事、元宵節で食べられている「白玉団子」には、大きく分けて2種類あります。
南方の「湯圓(タンユエン)」と、北方の「元宵(ユエンシャオ)」は、それぞれ材料や作り方が違うため、風味や食感、味が異なります。
湯圓(タンユエン)
「湯圓(タンユエン)」は、宋の時代に、浙江省の寧波一帯で誕生しました。
江蘇省や浙江省を中心とした南方地域で食べられています。
水の中で挽いた湿ったもち粉に油を加えて成形してから、餡を包んで丸く仕上げます。
柔らかくきめ細やかでなめらかな食感と、とろける餡が特徴です。
湯圓の餡には、小豆や胡麻、木の実などなどさまざまな種類があります。
特に有名なのは、すりおろした黒胡麻に砂糖と板状にした豚の腹脂を練った黒胡麻餡です。
しっとりもちもちの湯圓を一口かじると、とろりと溶け出す濃厚な黒胡麻餡は多くの人々を虜にしています。
元宵(ユエンシャオ)
「元宵(ユエンシャオ)」は、北京を中心とした北方地域で生まれた「白玉団子」です。
もち米を水で浸してから石臼で挽き、出来上がった粉から作った生地で、ピンポン玉ほどに丸めた餡を包みます。
乾いた生地で作るため、食感はやや固めで、ほどよい歯応えがあるのが特徴です。
元宵の餡には、胡麻や小豆、ピーナッツなどと砂糖を混ぜた甘いものから、肉を使ったしょっぱいもの、またドライフルーツを入れたものなどがあります。
「白玉団子」の英語
「白玉団子」を意味する英語は一つではなく、文脈や状況によって、以下のようないろいろな言い方があります。
- rice-flour dumplings
- sticky rice flour dumplings
- white sweet dumplings
- sticky rice balls
- rice cake balls
- mochi balls
- shiratama mochi
「白玉団子」を辞書で調べると、”rice-flour dumplings”と出てきますが、”dumplings”は、粉類を水などとこねて成形したもの全般を意味するため、相手によっては正しく伝わらない可能性があります。
英語圏では、肉や野菜の具が入った「餃子」や「小籠包」などを指すことが多いので、日本や中国のようなデザート感がある「白玉団子」のイメージとはかけ離れてしまうでしょう。
「白玉団子」をより正確に伝えるためには、色や形、味などを特定できる補足説明が必要になります。
たとえば、”rice cake ball”(ボール状の餅)や、”sticky rice dumplings”(もちもちの餅米を使った団子)と言ってもわかりやすいですね。
「餅」は、そのまま”mochi”で通じることもあるので、”mochi balls”または”shiratama mochi”と紹介しても良いでしょう。
「白玉団子」の英語例文
まずは「白玉団子」を、わかりやすく説明している表現からみてみましょう。
訳)白玉団子は、白玉粉という米粉から作った団子のことです。
訳)白玉団子は、餅と同じような、もちもちとした弾力のある食感と風味が特徴です。
「白玉団子」の美味しさや食べ方は、以下のような言い方ができます。
訳)白玉団子は、きな粉や黒蜜と一緒に食べると美味しいです。
訳)わたしは、白玉団子の甘さともっちりとした食感が大好きです。
「白玉団子」が入ったあんみつやぜんざいなどのデザートを紹介しています。
訳)このゼリーには、甘い白玉と甘い小豆が添えられています。
訳)白玉ぜんざいは、かき氷の上に白玉団子、アイスクリーム、小豆餡をかけたデザートです。
まとめ
中国にルーツを持つ「白玉団子」について、歴史と伝統、中国に伝わる代表的な白玉団子、そして適切な英語表現を紹介しました。
「白玉団子」は、中国の伝統行事「元宵節」で古くから親しまれてきた料理「湯圓(タンユエン)」と「元宵(ユエンシャオ)」が起源といわれています。
地方によって作り方や味は異なりますが、もちもちとした生地と濃厚な餡の美味しさは、中国の多くの人々から長く愛されてきました。
「白玉団子」を意味する英語には、いろいろな表現があります。
”sticky rice flour dumplings”や”white sweet dumplings”だったり、”rice balls”や”mochi balls”だったりと、さまざまな言い方ができるので、正しく伝わるようわかりやすく説明することが大切です。
もちもちの食感がたまらない「白玉団子」は、温かくても冷たくても美味しく食べられます。
明日のおやつは、本格的な中華風はもちろん、日本ならではの和スイーツとして、またはお好みのアレンジを加えて、オリジナルの白玉デザートを作ってみてはいかがでしょうか。
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