地震、爆発事故、武力攻撃まで、様々な緊急事態が起こっています。2025年1月28日に発生した、埼玉県八潮市の道路陥没事故もまさしく緊急事態です。転落した運転手のことも多くが心配しましたし、周辺の住民の生活にも大きな影響を与えました。
この記事では、緊急事態を表す英語emergencyの意味と正しい使い方を解説します。明日、何が起こるか分からないですし、旅行や留学で海外に行く人もぜひ緊急に関する英語表現を学びましょう。
エマージェンシーの英語emergencyの意味
緊急事態が起こると、健康や生活または環境に危険が差し迫り、日常生活が突然変わってしまいます。
そんな状態を英語emergencyが表現します。emergencyは名詞で、発音はimə́ːdʒənsiでカタカナ語だとエマージェンシーが近くなります。
emergencyには大きく2つの意味があります。それぞれに分け、以下で紹介しましょう。
emergencyで「緊急事態」「緊急の必要性・要件」
ひとつ目のemergencyは「緊急事態」や「非常事態」という意味です。突然または予期せずに起こる危機であり、危機・危険を伴う災害・事故が発生したときに使用する名詞です。また、政府による「緊急事態宣言」もemergencyで表現します。
これらの意味を例文を見ながら理解していきましょう。
訳)緊急事態!トルコで大地震が発生しました。
訳)津波のメッセージは、津波警報センターから出され、緊急管理者、その他の地方当局、一般市民に通知されます。
訳)欧州各国の首脳が、ウクライナ問題に関する緊急首脳会議を開催しました。
訳)この建物の非常口をご確認ください。
ここまでの例文のように、緊急時に早急な対応が求められるものをemergencyで表現します。
emergencyで「急病・急患」
2つ目のemergencyは「急病・急患」の意味です。緊急な措置が必要な急病や救急患者に自分がなる可能性、または近くにいる人がなってしまうこともあるかもしれません。したがって、緊急であることを英語で伝えられるようにすべきでしょう。これら、医療的な緊急事態を英語でmedical emergency、略してMEと表現します。
訳)彼女は心臓発作を起こし、緊急事態である。
訳)市内での医療緊急事態の後、その学生の容態は安定しています。
また、伝染病の大発生にはhealth emergencyが使用されます。2019年末に起こったCovid-19はまさしくhealth emergencyでした。
英語圏のemergency number
海外で緊急事態が起こってしまったときに、かけるべきemergency number(緊急電話番号)を案内します。
英語圏のemergency numberリスト
イギリス 999
アイルランド 999/112
アメリカ 911
カナダ 911
オーストラリア 000
ニュージーランド 111
Emergencyとemergenceの違い
emergencyに似た言葉にemergenceがあります。これら2つの単語は関連しています。ここでは違いについて比較してみましょう。
emergency vs emergence
emergency、emergenceとも語源はラテン語のemergereです。emergereは「出現する」や「浮かび上がる」の意味があり、特に危機的な状態で何かが突然浮上するイメージを持ってください。emergencyは予期せぬ何かが起こること、emergenceは物事が新たに現れる意味を持っています。
語源は同じですが、2つには以下の違いがあります。
emergencyは、すぐに対処が必要な状況。
emergenceは、何かが生じたり目立つようになること。
emergenceを使った例文をひとつ紹介します。
訳)AIの出現は、私たちの生活を変えました。
緊急とは?2つ目の英語urgency
ここまで、緊急に関する表現についていろいろみてきました。緊急とは、事が重大で、その対策が急がされることでしたね。emergencyが本記事のテーマですが、他にもurgencyという単語があります。そこで、urgencyについて解説します。
urgencyで「緊急・緊急性・切迫」
emergencyもurgencyも-cyで終わる単語です。この場合、状態や性質を表す名詞になります。他にも、privacy(プライバシー)やaccuracy(正確さ)が挙げられます。
urgencyには「緊急・緊急性・切迫」という意味があります。
訳)地球温暖化に対して、緊急な対策を講じる必要があります。
迅速な行動、他のことよりも優先すべきことをurgencyで表しましょう。
Emergencyとurgentの違い
似ている単語の登場が続きますが、ここではurgentを紹介します。もちろん、ひとつ上で紹介したurgencyの関連用語でありurgentは形容詞になります。
emergency vs urgent
emergencyとurgentには、まず品詞の違いがあります。emergencyは名詞、urgentは形容詞です。urgentの名詞形がurgencyになります。
emergency careとurgent careという言葉があります。前者は救急看護・治療であり、後者は応急手当です。
緊急性でいえば、emergency careは生命を脅かす病気または事故が含まれ、urgent careは生命を脅かすことのないものを指します。
なお、英語でのメールで至急で対応をして欲しいときには件名に”urgent”と加え、受信者の注意を引くことができます。このときにemergencyは使用しません。
emergeの意味
さらに、emergencyの関連用語であるemergeもみてみましょう。emergeは動詞で、emergenceに近い意味を持ちます。
動詞emergeで「明らかになる・出現する」
emergenceには何かが生じたり目立つようになる意味があることを紹介しました。emergeになると「明らかになる・出現する」の動詞になります。動詞活用は、emerge-emerged-emergedです。
訳)選挙後、違法行為が明らかになった。
state of emergencyの意味
最後のemergencyの使い方は、国家や政府などが表明する宣言を表すstate of emergencyです。
state of emergencyで「非常事態宣言」
政府による「非常事態宣言」を英語にするとstate of emergencyというフレーズになります。非常事態宣言は国の治安だったり国民の安全が危機にさらされた場合、政府が発令します。
訳)英国政府は、自然災害のために非常事態宣言を出しました。
非常事態宣言を出す・宣言するときの動詞はdeclareです。なぜその宣言をしたかという理由にはdue to(~が原因で・起因して)というフレーズを使うことが多くなります。
まとめ
emergencyは「緊急事態」や「急病・急患」を表します。
突然または予期せずに起こる危機であり、危険を伴う災害・事故が発生したときの言葉であることから、政府の出す非常事態宣言にも使用されます。関連用語も紹介しましたので、整理しながらそれぞれの使い分けをできるようにしたいですね。
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