「実際に」という日本語は便利ですよね。ちょっと添えるだけで、言葉の信憑性が急に増したかのような印象を与えることができます。この表現が英語でも使えたら、どんなに便利だろうか、そう思った人も多いのではないでしょうか。

しかし、それこそ実際に「実際に」を使おうと思っても、どんな表現が適切なのかわからないですよね。

ということで、今回のテーマは「実際に」を英語で何と言うかです。ひとくちに「実際に」と言っても、英語にはいろいろな表現が存在します。それぞれで相手に与えるニュアンスが異なるので、場面に応じて使い分ける必要があります。

でも大丈夫、この記事を読めば、英語の「実際に」がしっかり使い分けられるようになりますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

「実際に」は英語で何て言う?

「実際に」という日本語に相当する英語は、主に以下の5種類です。

  • actually
  • in fact
  • indeed
  • as a matter of fact
  • the thing is

「え、5つもあるの?」と面倒に思う人もいるかもしれません。しかし、これらは一括りに「実際に」に相当するとはいっても、それぞれに異なるニュアンスを持っているんです

そのため、1つひとつがしっかり使い分けられるようになれば、あなたの英語表現はレベルアップすること間違いありません。1つずつ詳しく確認していきましょう。

「知ってた?」を表す “actually”

「知ってた?」を表す “actually”

「実際に」に対する訳語として最も有名な actually は、相手の知らない新情報を示す際によく使われます。「知らないと思うけど、実際には〇〇なんだよ」というようなニュアンスです。「実は」とか「本当は」などと言い換えても良いですね。

actually の語根になっている act という単語は、もともと「行う、動かす」といった意味があります。そこから、動きを表す action、演技という動きをする actor(actress)などと意味が広がり、「動いている⇒実際の様子」という連想から actually(actual)は「実際に」という意味に発展しました。ちなみに、読み方は「アクチュアリー」です。

Aさん
Actually, I am a princess.
訳)実は、私って王女なの。
Bさん
Really? Actually, I am a prince.
訳)そうなの?実は、僕も王子なんだよね

actually は上の会話のように文頭で使われることもあれば、下の会話のように文中で使われることもあります

Aさん
Let’s arm wrestle!
訳)腕相撲をしようよ!
Bさん
Are you kidding? I’m actually very strong…
訳)なめてもらっちゃ困るな。俺って本当はかなり強いんだぜ…。

 
 

「実はさ!」という驚きを表す “in fact”

「実はさ!」という驚きを表す “in fact”

“in fact” も actually と同様、相手の知らない新情報を示す際に使われます。actually と比べて、「驚きの事実!」といったような強調しているニュアンスです。ちなみに読み方は「イン ファクト」。

ここで使われている fact という単語のコアイメージは「どこに出しても恥ずかしくない事実」。そのため、in fact は一般的には知られていない物事の真相などを示してよく使われます。「実は」とか「実際のところ」という訳語を当てはめてもしっくり来ますね。

Aさん
He is the president of this company. But in fact, it is mainly running by his son.
訳)彼はこの会社の社長です。でも実際のところ、その会社はほとんど彼の息子に運営されています。

in fact は文頭で使われることがほとんどですが、場合によっては以下のように文中にさり気なく含まれる場合もあります。「言い忘れてたけど」といったニュアンスですね。

Aさん
Do you know gorilla’s muscle is in fact not for fight, but for guard?
訳)ゴリラの筋肉って、実は戦いのためじゃなくて防御のためにあるんだって。
Bさん
Cool! They are gentlemen.
訳)そうなんだ!ゴリラって紳士的だね。

 
 

「知ってると思うけど」という確認を表す “indeed”

“indeed” は、相手が既に知っていることの確認を表します。わかり切っていることに actually とか in fact を使うと白けてしまう、そんな時は indeed を使うと便利です。「知っての通り」と言い換えても良いですね。読み方は「インディード」でOKです。

Aさん
Indeed, I’m not a rich.
訳)知っての通り、私はお金持ちじゃありません。
Bさん
Yes, I know.
訳)うん、知ってる

ちなみに、indeed はアメリカ英語ではあまり使われません。主にイギリス人が好んで用いる表現なようです。そのため、アメリカ人を相手に indeed を使うと、少し気取っているようなイメージに受け取られる可能性があるので注意が必要です。

「事実」という説明的な響きの “as a matter of fact”

「事実」という説明的な響きの “as a matter of fact”

“as a matter of fact”は、端的に事実を述べるのに最適な言葉です。

5つもの単語が連結していることからもわかるように、どちらかというと文語的、つまり文章で使うことが多い表現です。そのため、普段の会話で用いると「あえて硬めに言っている」というニュアンスを与えることができます。

Aさん
The microwave doesn’t work! What happened?
訳)電子レンジが壊れてるわ、どうしたの?
Bさん
Mom, as a matter of fact, I am the culprit.
訳)お母さん、実を申しますと、私がその犯人です。

 

いろいろ使いまわせる “the things is“

いろいろ使いまわせる “the things is“

以上の4つはそれぞれにニュアンスが異なりますが、もっと気楽に使いたいという場合にオススメなのが “the thing is“ という表現です。

thing というのは「もの・こと」を表す名詞で、幅広い対象に使われますよね。そのため、このように the thing とすることで、「話の核心」「言いたいこと」「要点」などをフワッと表現することが可能なんです。

そのため、the thing is はカジュアルなシーンではもちろん、ビジネスシーンなどでも幅広く使うことができる便利フレーズです。ちなみに、実際使う場合は、「ザ スィング イズ」と個々に区切って言うよりも、「ザスィンギズ」といったように縮まって発音されることが多いです。

Aさん
Why did you break up?
訳)なんで別れちゃったの?
Bさん
The thing is, she didn’t really love me.
訳)実際のところさ、彼女は僕のことを本当には愛してなかったんだよね

the thing is は、これまでの4種類にあったニュアンスをすべて含意することができる非常に便利な表現です。しかし、便利過ぎるが故に口癖になってしまい、どんなときでも the thing is と言ってしまいがちなので注意が必要です。日本人でも「実際さ」などが口癖になってしまっている人がいますよね、あんなイメージです。

便利だからといって乱用すると、本当に伝えたい「実際」があるときに困ってしまいます。オオカミ少年状態にならないよう、ご利用は計画的に。

まとめ

今回は、「実際に」を表す英語表現について確認してきました。

actually、in fact、indeed、as a matter of fact、そして the thing is。5つの表現は似ていますが、それぞれに違ったニュアンスを持っています。1つひとつの違いを理解して場面に合わせた表現ができると、英語での自己表現の幅が広がりそうですね。

真実はいつも1つかもしれませんが、事実の見え方は人それぞれ。今回ご紹介したことを参考に、事実の色合いに合わせた言葉を使えるようにしていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!