会話をする際、段取りよく話を進めることは非常に大切です。とくにビジネスシーンでプレゼンをするときなどは、物事の流れや状況をうまく説明しなければなりません。

その際、「今回は」「現時点では」など状況を説明する言葉を使いますが、英語では何と表現するのでしょうか。また、「今回は」という言葉は、状況を説明するだけでなく、何かを断ったり、特別なケースを表現したりするのにも使いますよね。

そこで今回は、状況説明で使える英語フレーズや、さまざまな意味合いの「今回は」について解説します。

「今回は」の英語表現

ある限定した時点を示すという意味の「今回は」は英語で「this time」と言います。

thisは「この」という意味から「今」「現在」という意味で使われています。また、timeは「時」「時間」「回数」などの意味があるので、「this time」で「今回は」となります。

単純そうな表現ですが、「this time」は現在、未来、過去のいずれのシーンでも使えるのが注意点です。
たとえば、「今回は説明する」「今回は説明するつもりだ」「今回は説明した」とどのシーンでも使える表現なのです。

Aさん
I give up this time.
今回は諦めます。
Aさん
I will explain the outline of the class this time.
今回の授業について概略を説明します。
Aさん
This time, I learned about this.
今回、わたしはこのことを学びました。

Aさん
This time I would like to continue forward using a same plan as last time.
今回は、前回と同じ計画で進めたいと思います。

このように、現在形、未来形、過去形のどの時制でも使えます。

状況説明の英語フレーズ

状況説明の英語フレーズ

状況を説明するフレーズは「今回は」のほかにもたくさんあります。ここでは、状況を説明するときに便利な英語表現について解説します。

at this point

「at this point」は「現時点で」「この時点では」という意味です。

そのため、今の状況に対して、今後は変わるかもしれないというニュアンスを含みます。また、状況よりも時間に対する「現時点で」というのを表現するときに使うのがポイントです。

Aさん
There are no changes with that at this point.
それは現時点で変わらないです。

 

Aさん
At this point I don’t have any plans for the next week.
現時点では、わたしは来週の予定がありません。

 at this moment

「今現在」「ちょうど今」という意味の「at this moment」も状況説明の英語の一つです。

momentは「瞬間」「ちょっとの間」「~するやいなや」といった意味があるので、「at this moment」は“その瞬間”というニュアンスを含む「今現在」として使われます。そのため、“今”決定すべきではないこと、“この瞬間に”決まったことなど、その瞬間を強調できます。

Aさん
There isn’t any problem at this moment.
今現在は何も問題ありません。
Aさん
Can I call you later?
後で電話してもいい?
Bさん
Yeah, but I’m so busy at this moment. If I have time, I will contact you.
うん、でもちょうど今忙しいから、もし時間ができたら連絡するよ。

this once

「this time」と似た表現が「this once」です。onceは「一度」「一回」などの意味があり、「this once」は「今回だけは」という日本語訳になります。

そのため、「this time」よりも「this once」の方が「今回限り」というニュアンスが強くなります。

Aさん
I will forgive you for this once.
今回だけはあなたを許します。

next time

「next time」は「この次」「次回」といった意味の言葉です。

「今度は」と曖昧な先のことを表現するときに使うのではなく、「次回」「次のとき」など次に向けての話をするときに使うのがポイントです。

Aさん
I’ll be careful next time.
次は気を付けます。
Aさん
I will explain it next time.
それはこの次に説明します。

「今回は」に関連する英語表現

「今回は」に関連する英語表現

「今回は」という言葉は、今行われていることを表すときに使う言葉ですよね。しかし、言い方やシチュエーションによっては、「今回は(お断りします)」「今回は(特別ね)」といったように異なる意味で使うこともあるでしょう。

そこで、ここでは「今回は」に関連する英語表現について解説します。

断るときの「今回は」

「遠慮する」「やんわりと断る」という意味で、「今回はやめておきます」と伝えるこがありますよね。

何となく行く気になれなかったり、また次回誘ってくださいというニュアンスを含みたかったりするときに使う言い方です。

この「今回はやめておきます」は英語で「I’ll pass this time」と言います。

Aさん
Let’s go on a trip next week.
来週旅行に行きましょう。
Bさん
I’ll pass this time. I have a touch of cold.
少し風邪気味なので、今回はやめておきます。
Aさん
We’re going to the concert tomorrow. Are you coming with us?
わたしたちは明日コンサートに行きます。あなたもわたしたちと一緒に来ますか?
Bさん
I think I’ll pass this time. I’ve run out of money.
お金がないので、今回は遠慮しておきます。

特別なケースを表現するときの「今回は」

「今回は」は特別なケースを表現するときにも使われます。

たとえば、「今回のお会計は出しておくよ」「今回は入場を許可します」といった言い方をすれば、限定的なニュアンスを表現できますよね。

このように特別な意味の「今回は」は「this once」を使って表現します。「this time」ではなく「this once」を使うことで“だけ”という意味を強調できます。

Aさん
I will lend you money just this once.
今回だけあなたにお金を貸します。

また「今回限り」は英語で「this time only」と言います。

onlyは「唯一の」「ただ~だけの」といった意味があるので、「今回」という意味の「this time」にonlyを付け加えることで、「this time only=今回限り」となります。

まとめ

いかがでしょうか。

「今回は」の英語表現について紹介しました。

会話をする際、「今回は」「現時点では」など状況を説明する言葉を入れることで、内容が伝わりやすくなります。

英語で「今回は」は「this time」が基本の表現であり、現在、未来、過去のいずれのシーンでも使えるのがポイントです。

「現時点で」という意味の「at this point」や「ちょうど今」という意味の「at this moment」、さらに「今回だけは」という意味の「this once」などの表現も使い分けられると、より細かなニュアンスが伝わりやすくなるでしょう。

ぜひ今回の記事を参考に、「今回は」の英語表現を会話で使ってみてくださいね。