この2つの単語は、大多数の方が英語の勉強を始めてすぐに出会う単語なので、とても馴染み深い言葉です。
ある程度英語に慣れたところで、「Take it easy!」という慣用句に出会い、「ん?どういう意味?」と思った経験のある方や、「あれ?difficultってネイティブはあんまり使ってないかも…」と感じる方も多いと思います。
今日は、「easy」と「difficult」について解説します。

「easy」「difficult」の基本的な意味について

2つの単語について順番に説明します。

「easy」について

「easy」は「簡単な、やさしい」という意味です。

Aさん
There is no easy way.
訳)簡単な方法なんてありません。

Aさん
Math is easier than chemistry for me.
訳)ぼくにとっては化学より数学のほうがやさしいです。

「be easy (for〜) to…」で「(〜にとって)…するのは簡単だ、…しやすい」
という言い方ができます。

Aさん
This question is easy to answer.
訳)この質問は答えるのが簡単です。

また、上の文は次のように言い換えることもできます。いわゆるIt〜to構文です。

Aさん
This question is easy to answer.
=It is easy to answer this question.

Aさん
This book is not easy for me to read.
=It is not easy for me to read this book.
訳)この本は私にとって読みにくいです。

この「be easy (for〜) to…」は、人を主語に「I am easy to read this book.」とすると違和感のある文になってしまうので、ご注意ください。
この場合は、「I read this book easily.」と、副詞を使えばOKです。
副詞を使った文章をご紹介します。

Aさん
You can do it easily.
訳)きみなら簡単にできるよ。

Aさん
He gets upset easily.
訳)彼はすぐにきげんが悪くなります。

Aさん
She won the game easily.
訳)彼女はその試合に楽勝しました。

「easy」には「簡単な」のほかに「楽な、気楽な、くつろいだ」という意味もあります。

Aさん
Life isn’t so easy.
訳)人生はそんなに楽ではない(甘くない)。

では、「difficult」の基本的な意味を説明します。

「difficult」について

「difficult」は「むずかしい、困難な」という意味です。
「easy」でご紹介した「be easy (for〜) to…」と同じように、「be difficult (for〜)to…」で「(〜にとって)…するのはむずかしい」という意味で使えます。

Aさん
Japanese is a difficult language to learn.
=It’s difficult to learn Japanese.
訳)日本語は習得するのがむずかしいことばです。

Aさん
This remote control is difficult to use.
=It’s difficult to use this remote control.
訳)このリモコンは使いにくいです。

また、「difficult」には「(人が)気むずかしい、あつかいにくい」という意味もあり、

Aさん
He is a difficult person.
訳)彼は気むずかしい人です。

のように使います。
「difficult」は少しかたい表現なので、日常会話では「hard」や「taugh」を使うことが多いです。
「hard」には「かたい、辛い、苦しい、厳しい、激しい」など、「taugh」には「たくましい、ねばり強い、(物が)がんじょ うな、(肉などが)かたい」という意味がありますが、「difficult」と同じ「むずかしい、困難な」という意味もあります。

Aさん
That’s hard to believe.
訳)それは信じがたいですね。

Aさん
The math exam was really tough.
訳)数学のテストはとても難しかったです。

「easy」を使った慣用表現について

「easy」について、日常的によく使われる表現があります。

Easy does it
これは、壊れやすいものや怪我をした人などを動かすときなどに、「ゆっくりやってください、気をつけてやってください、落ち着いて」という声かけです。単に「Easy.」だけでもOKです。
例えば、何か高価なものを2人で運んでいる状況で、1人がぐらついた時などに
もう1人が「Easy!(気をつけて!)」と声をかけたりします。
Take it easy
これは非常によく使われる表現で、「気楽に(のんびり)やってね、(人をなだめて)興奮しないで、(別れの挨拶で)じゃあね」といったシチュエーションで使われます。

Aさん
Bye,Jeff.
訳)じゃあね、ジェフ。

Bさん
See you,Beth.Take it easy.
訳)またね、ベス、じゃあね。

それでは、「easy」とよく似た単語についてご紹介します。

「easy」「simple」「light」の違いについて

「easy」と意味が似ている単語として、「simple」「light」があります。
「easy」は「簡単な」、「simple」は「単純な」という意味、「light」は「手軽な」というニュアンスを含みます。

Aさん
Could you speak simple English?
訳)簡単(単純)な英語で話してもらえませんか。

Aさん
I had a light breakfast.
訳)朝食は簡単に(手軽に)済ませた。

日本語に惑わされてつい「easy」と言ってしまいそうですが、「simple」や「light」を使うと何となく小慣れた英語に聞こえますね。

「easy」「difficult」を使った日常表現について

それでは、会話文をいくつかご紹介しましょう。

Aさん
It’s easy to catch a cold this time of year.
訳)この時期は風邪をひきやすいです。

Aさん
Easier said than done.
訳)(ことわざ)口で言うのは実行するよりやさしい=言うは易し、行うは難し

Aさん
Tofu is easy to digest.
訳)豆腐は消化がよいです。

Aさん
This computer is easy to use.
訳)このパソコンは簡単にかんたんにつかえますね。

Aさん
This book is difficult for young children to understand.
訳)この本は小さな子には難しくてわからない。

Aさん
It’s difficult to solve this problem in a short time.
訳)この問題を短期間で解くのはむずかしい。

Aさん
It’s difficult for me to memorize English words.
訳)ぼくには英単語を覚えるのがむずかしいです。

Aさん
My daughter is at a difficult age.
訳)娘はいまむずかしい年ごろです。

Aさん
You’re such a difficult person.
訳)あなたって気むずかしいですね。

Aさん
I will do it if it is difficult.
訳)たとえ困難でも、私はそれをやります。

まとめ

「easy」と「difficult」を使った文はとても作りやすく、自分の得意なこと、苦手なことを紹介する場合に役立ちます。
これを機会に得手・不得手リストを作ってみるのも良いですね!
例えば…

It’s easy for me(私が得意なのは)
 
to use a computer. (コンピューターを使うこと)
to ride a bike. (自転車に乗ること)
to make a salad. (サラダを作ること)
It’s difficult (hard) for me(私が不得意なのは)
to get up early. (早起きすること)
to write letters in English (英語で手紙を書くこと)
to speak in front of other people. (人前で話すこと)

皆さんも、ぜひ作ってみてください。
それでは次回をお楽しみに!
参照:アンカー 大人のための英語学習辞典 2016年12年20日初版第1刷発行 (株式会社学研プラス)