“easy”は、大多数の方が英語の勉強を始めてすぐに出会う単語なので、とても馴染み深い言葉です。
ある程度英語に慣れたところで「Take it easy!」という慣用句に出会い、「ん?どういう意味?」と思った経験のある方や、「あれ? “difficult” ってネイティブはあんまり使ってないかも…」と感じる方も多いと思います。
この記事では “easy” の基本的な使い方から応用、そして反対語の “difficult” について徹底解説します。
“easy” の基本から使いこなしまで
「easy」は「簡単な」「やさしい」という意味です。
このパソコンは簡単に簡単に使えますね。
簡単な方法なんてありません。
この時期は風邪をひきやすいです。
豆腐は消化が良いです。
“be easy (for〜) to…” で「(〜にとって)…するのは簡単だ、…しやすい」という言い方ができます。
この質問に答えるのは簡単です。
また、上の文は次のように言い換えることもできます。いわゆる「It〜to構文」です。
=It is easy to answer this question.
この質問に答えるのは簡単です。
その他の例:
=It is not easy for me to read this book.
この本は私にとって読みにくいです。
この “ be easy (for〜) to…” は、人を主語にすると違和感のある文になってしまうのでご注意ください。
【OK例】
- This book is easy for me to read.
- It is easy for me to read this book.
【NG例】
- I am easy to read this book.
“easier” の使い方と例文
“easier” は “easy(簡単な、やさしい)” の比較級です。
「より簡単」「よりやさしい」という意味で、以下の2つを比べる時に使用します。
- 物事を比べる時
- 動作を比べる時
物事を比べる時
2つのものを比べて、どちらが簡単かを伝えるときに使います。
基本の形は“A is easier than B”(AのほうがBより簡単)です。
私にとっては化学より数学のほうがやさしいです。
動作を比べる時
2つの動作を比べて、どちらが簡単かを伝えるときに使います。
“It is easier to do A than B”(AするほうがBするより簡単)が基本形です。
冬より夏のほうが早起きしやすいです。
“easier” を使ったフレーズ
“easier” を使った有名な慣用句があります。
Easier said than done.
これは「言うは易し、行うは難し」ということわざで、言うのは簡単だが実行するのは難しいことを表しています。
毎日運動を始めるよ。
それ、言うは易し、行うは難しだよ!
“easily” の使い方と例文
「easily」は「簡単に」「楽に」という意味の副詞です。日常生活でよく使われる単語です。
基本的な使い方は、以下の3つです
- 動作を説明する時
- 最上級を強調する時
- 比較する時
動作を説明する時
“easily” を動詞の前や後ろに置いて、その動作が簡単にできることを表します。
彼女は簡単にゲームに勝ちました。
きみなら簡単にできるよ。
彼はすぐにきげんが悪くなります。
最上級を強調する時
形容詞を強調する使い方です。「間違いなく」「明らかに」という意味になります。
これは間違いなく私が今まで見た中で最高の映画です。
彼女は明らかにチームで一番の実力者だ。
それは間違いなく旅行中で一番良かった思い出だ。
比較する時
比較級を強調する時に使います。「断然」「ずっと」という意味で使います。
この本は前の本よりずっと良いです。
この映画は前作よりずっと良いね。
新しい携帯は前のよりダントツで速いよ。
“easily” を使ったフレーズ
“It’s not easily done”
難しい課題や簡単にはいかないことを説明する時に使います。
プロのミュージシャンになりたいと思っているんです。
簡単にはできないけど、一生懸命練習すれば、きっとなれるよ!
“You can easily see that…”
目で見て分かることや、状況が明らかな時に使います。
なんで彼がストレスを感じてると思うの?
今日の彼の様子を見れば、すぐに分かるでしょ。
“It could easily happen”
誰にでも起こりうる状況や、可能性の高いことを説明する時に使います。
間違った相手にメールを送りそうになっちゃった!
大丈夫、誰にでもありがちなことだよ。
3つのシーン別 “Take it easy” の使い分け方
“Take it easy” は、シーンによって異なる使い方ができる便利なフレーズです。
この章では、3つの場面での使い方をご紹介します。ドラマや映画などでもよく聞く表現なので、状況に応じて使い分けができるようにしておきましょう。
なお、友達との会話でよく使われるカジュアルな表現なので、フォーマルな場面では避けましょう。
友達との別れ際に
友達と別れる時のカジュアルな挨拶として使えます。「また今度!」「気をつけてね!」といった友好的な気持ちを込めて使います。
もう帰るね。
じゃあね!
興奮している相手に
相手が興奮したり、イライラしたりしている時に使う表現です。「深呼吸して」「冷静になって」といった気持ちで声をかけます。
すっごく腹が立つ!仕事辞めてやる!
落ち着いて!まずは話し合おうよ。
心配そうな相手に
不安そうな相手を励ましたい時に使います。「リラックスして」「焦らなくていいよ」という優しい気持ちを伝えます。
プレゼン、すごく緊張するな…
大丈夫だよ!準備はばっちりでしょ
一目で意味がわかりづらい “easy” の頻出フレーズ
“easy” を使ったフレーズの中でも、パッと見ただけでは意味がわからないものがいくつかあります。
この章では、その中でもネイティブがよく使う4つの “easy” を使ったフレーズをご紹介します。
I’m easy.
「何でもいいよ」「どっちでもOK」という意味で、何かを選ぶときや自分は特にこだわりがない時に使う便利なフレーズです。
夕食はどこに行く?
私はどこでもいいよ。あなたが選んで。
(Go) easy on the~
意味は「控えめにしてね」「そんなにたくさん入れないで」で、何かを入れすぎたり使いすぎたりしないように声をかける時のフレーズです。“go” を付けた方が伝わりやすいですが、なしでもネイティブは理解してくれます。
氷は少なめでお願い。そんなに冷たくしたくないな。
塩は控えめにしてね。入れすぎは体によくないよ。
(Go) easy on me.
意味は「優しくしてね」「あんまり厳しくしないで」で、初めてのことや苦手なことに挑戦する時、相手に配慮をお願いする時に使います。
このゲーム初めてなんだ。優しくしてね!
面接の時は優しくお願いします。すごく緊張してるんです。
Easy does it.
これは、壊れやすいものや怪我をした人などを動かすときなどに、「ゆっくりやってください、気をつけてやってください、落ち着いて」という声かけです。単に “Easy.” だけでもOKです。
例えば、何か高価なものを2人で運んでいる状況で、1人がぐらついた時などにもう1人が “Easy!(気をつけて!)” と声をかけたりします。
このグラス割れ物だから!気をつけてね!
あっ、危ない!落ち着いて運んでね!
“easy” “simple” “light” の違い
英語で「簡単」と言いたい時,つい”easy”を使いがちですが “simple” や “light” を使うとより自然な英語表現になることがあります。
それぞれニュアンスが少し違うので、場面に応じた使い分け方をご紹介します。
“easy”:「簡単な、やさしい」
最も基本的な表現で、難しくない様子を伝えるときに使います。
このゲームは遊びやすいよ。
簡単に作れるレシピです。
“simple”:「単純な、分かりやすい」
複雑でない様子、シンプルさを強調したいときに使います。
分かりやすい英語で話してもらえませんか?
シンプルなデザインが好きです。
“light”:「手軽な、軽い」
気軽さや手軽さを表現します。負担が少ない様子を伝えるときに使います。
朝ごはんは軽く済ませました。
軽く何か食べませんか?
反対語 “difficult” の使い方と例文
“difficult” は「むずかしい、困難な」という意味です。
“easy” と同じように “be difficult(for〜 )to…” で「〜にとって…するのはむずかしい」という意味で使えます。
=It’s difficult to learn Japanese.
日本語は習得するのが難しい言葉です。
=It’s difficult to use this remote control.
このリモコンは使いにくいです。
また “difficult” には「気難しい」「扱いにくい」という意味もあります。
彼は気難しい人です。
“difficult” の類義語
“difficult” は少し固い表現なので、日常会話では “hard” や “taugh” を使うことが多いです。
“hard”
「固い」「辛い」「苦しい」「厳しい」「激しい」などの意味のほか、「大変」「難しい」という意味もあります。
それは信じにくいです。
=それは信じがたいです。
この数学の問題は私には難しすぎます。
早起きは大変です。
“taugh”
タフという言葉からは「たくましい」「ねばり強い」「頑丈な」「硬い」という意味を連想しやすいですよね。
しかし「難しい」「困難な」という意味もあります。
数学のテストはとても難しかったです。
最近はいい仕事を見つけるのが難しいです。
人生は時々大変だね。
“difficult” の例文
この本は小さな子には難しくてわからない。
この問題を短期間で解くのは難しいです。
ぼくには英単語を覚えるのが難しいです。
娘は今難しい年ごろです。
たとえ困難でも、私はそれをやります。
まとめ
“easy” と “difficult” を使った文はとても作りやすく、自分の得意なこと、苦手なことを紹介する場合に役立ちます。
これを機会に得手・不得手リストを作ってみるのも良いですね!
例えば…
It’s easy for me(私が得意なのは)to use a computer. (コンピューターを使うこと)
- to ride a bike. (自転車に乗ること)
- to make a salad. (サラダを作ること)
It’s difficult (hard) for me(私が不得意なのは)to get up early. (早起きすること)
- to write letters in English (英語で手紙を書くこと)
- to speak in front of other people. (人前で話すこと)
皆さんも、ぜひ作ってみてください。
それでは次回をお楽しみに!
参照:アンカー 大人のための英語学習辞典 2016年12年20日初版第1刷発行 (株式会社学研プラス)