「雰囲気」というのは便利な言葉の一つで、普段の会話でもよく使っている人が多いのではないでしょうか。

「雰囲気」は一言で「人」「環境」「場所」などについて、さまざまな意味合いを表現できるため、欠かせない表現だと言えるでしょう。

ただ、「雰囲気」を英語で表現するとなるとパっと言葉が出てこない方も多いですよね。
英語の場合、どのような雰囲気かによって単語を使い分ける必要があり、日本語の「雰囲気」のように一単語で幅広い意味を表現できるものがありません。

そこで今回は、「雰囲気」の英語表現について解説します。

「雰囲気」の英語表現4選

英語で「雰囲気」を表現する場合、4つの単語が挙げられます。

それぞれニュアンスが異なるため、違いを押さえていきましょう。

atmosphere

「雰囲気」の英語はatmosphereと習った記憶がある方も多いのではないでしょうか。

atmosphereは「雰囲気」のほかに「大気」「空気」という意味でも用いられる単語です。そのため、場所や環境の雰囲気・空気感を伝えるときに使われやすい単語です。

ただ、atmosphereは幅広い意味で使えるので、「雰囲気」の基本表現として覚えておきましょう。

ambience

atmosphereとよく混同されがちなのがambienceという単語です。

ambienceも「環境」「雰囲気」という意味の名詞なのですが、atmosphereとambienceは使うシーンに違いがあります。

というのも、先ほど解説したatmosphereは場所や環境の雰囲気・空気感を伝えるときに幅広く使えるのに対し、ambienceはレストランやホテルなどの空間を取り囲む独特の空気感に対して使われる表現なのです。

もっと詳しく解説すると、ambienceはもともと「取り囲む」という意味があり、特定の場所が取り囲む場所の雰囲気を表現する言葉としてambienceが使われるのです。

とくにレストランやホテルなどで感じる“特別感”“高級感”を表現するときに用いられるケースが多いです。

mood

moodは「気分」「機嫌」などの意味がある単語ですが、「雰囲気」を表現するときにも使われます。もともと人の気分や機嫌を表現するという意味があるため、「“人の気分によって変わる”雰囲気」を表現するときに使うのがポイントです。

また、類義語の「moody」とは「気分屋の」「不機嫌な」などの意味がある形容詞です。
日本語で「ムーディ」というと「落ち着いた雰囲気」「心を奪われる空気感」といったポジティブな解釈となりますよね。

しかし英語のmoodyは「気分屋の」「不機嫌な」といったマイナスな意味合いでしか使われないので注意しなければなりません。

vibe

日本音若者が使い言葉として認識されている「バイブス」という言葉の元になっているのがvibeです。

vibeは「バイブレーション」「振動」という意味のvibrationという言葉が語源となっているように、「心を揺さぶられるような本能的に伝わる空気感・感覚」というニュアンスの雰囲気に対してvibeという単語を使います。

特定の人や場所から生み出される雰囲気に対して用いられるのがポイントです。

シーン別!雰囲気の英語表現を解説

シーン別!雰囲気の英語表現を解説

「雰囲気」は主に4つの単語があり、それぞれの違いについて解説しました。

ここでは、「雰囲気」を表す表現を3つの場面に分けて例文を紹介します。

人の雰囲気

「彼は落ち着いた雰囲気の人です」「彼の雰囲気が好きです」など、人に対して「雰囲気」という言葉を使うことがあるでしょう。

その場合、先ほど紹介した単語の中では「vibe」、それ以外なら「style」「personality」などを使って表現できます。「style」「personality」は雰囲気というよりも「性格」や「人となり」といった意味に訳されますが、雰囲気という意味合いで使ってもよいでしょう。

Aさん
I got a great vibe from her.
わたしは彼女からいい雰囲気(感覚)を受けました。
Aさん
She has a cheerful personality.
彼女の性格は明るいです。
Aさん
I like her style.
わたしは彼女のスタイル(やり方)が好きです。

 

場所の雰囲気

レストランやホテル、会議など場所の雰囲気を表現するときは「atmosphere」「ambience」「vibe」などの単語を使いましょう。

Aさん
The atmosphere in the meeting was heavy.
会議の雰囲気は重苦しかったです。
Aさん
The ambience in the shop was very good.
そのお店の雰囲気はとてもよかったです。

ちなみに、日本語ではいい意味合いで「ムーディ」という言葉を使いますが、moodyはネガティブな意味で用いられる形容詞です。そのため、「いい雰囲気だね」と伝える場合は「atmosphere」「ambience」「vibe」などを使って伝えるようにしましょう。

環境の雰囲気

「アットホームな雰囲気」「緊張した雰囲気」など、空気感に対する雰囲気は「atmosphere」を使います。

  • いい雰囲気:a nice atmosphere
  • あたたかい雰囲気:a warm atmosphere
  • なごやかな雰囲気(フレンドリーな):a friendly atmosphere
  • 穏やかな雰囲気:a calm atmosphere
  • おしゃれな雰囲気:a smart atmosphere
  • 華やかな雰囲気:a splendid atmosphere
  • 緊張した雰囲気:a tense atmosphere
  • 雰囲気がある:with atmosphere
Aさん
The positive atmosphere lasted all day.
よい雰囲気が少なくとも一日続きました。
Aさん
The atmosphere became strained when the sales director came.
部長が来たら張りつめた雰囲気になりました。

「雰囲気」に関連する英語表現

「雰囲気」に関連する英語表現

最後に「雰囲気」に関連する英語表現を紹介します。

雰囲気を作る

「会話でいい雰囲気を作りたい」「リピーターが増えるような雰囲気を作りたい」など、意識していい空間にすることを「雰囲気を作る」と言いますよね。

これは「create the atmosphere」を使って表現するとよいでしょう。

Aさん
I want to create an friendly atmosphere.
わたしは話しやすい雰囲気を作りたいです。

雰囲気を壊す

よい雰囲気だったものが悪化することを「雰囲気が壊れる」「雰囲気を壊す」と言いますが、その場合は「to spoil the mood」というフレーズを覚えておくとよいでしょう。

spoilは「台無しにする」「役に立たなくする」といった意味の動詞です。

Aさん
Don’t spoil the mood.
雰囲気を壊さないで。

まとめ

いかがでしょうか。

今回は「雰囲気」の英語表現について解説しました。
「雰囲気」は一言でさまざまな意味を表現できる便利な言葉ですが、英語の場合、どのような雰囲気かによって表現を使い分ける必要があります。
そこで、「atmosphere」「ambience」「vibe」「mood」の4つを基本の表現として、それぞれの違いを知っておくようにしましょう。

ぜひ今回の記事を参考に「雰囲気」の英語表現を会話で活用してみてくださいね。