身近に認知症の人がいる場合、英語で認知症の話をすることもあるかもしれません。
ちなみに、ご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、認知症は痴呆症のことです。以前は痴呆症と呼ばれていましたが、現在では「認知症」という呼称に統一されています。
少しデリケートな話題ですが、認知症患者の人が周囲にいる場合、英語でも認知症の話ができるようなっていると良いですよね。
そこでこの記事では、英語で認知症について話すための表現をご紹介します。認知症の話をすることがある人は、ぜひ参考にしてくださいね。
「認知症」は英語で?
まずは「認知症」を英語でなんというかをご紹介します。
認知症は、英語で「Dementia」と言います。医療英語でも日常会話でも「dementia」が使われる、一般的に浸透している名詞です。
ちなみに、認知症に似た症状である「アルツハイマー」は「Alzheimer」、または「Alzheimer disease(アルツハイマー病)」と言い、こちらは日本語とほとんど同じになっています。
アルツハイマーはかつては「アルツハイマー型認知症」と呼ばれていたので、認知症の1つと思っている人もいるでしょう。しかし、現在は「アルツハイマー病」で統一されています。
ちなみに英語でも「Alzheimer dementia」と、「アルツハイマー型認知症」のように呼ばれていました。
アルツハイマーと認知症はどう違う?
英語とはあまり関係ありませんが、認知症についての会話を正しく行うために、混同しやすいアルツハイマーと認知症の違いを知っておきましょう。
そもそも「認知症」とは病気の名前ではなく、認識力や記憶力、判断力などが下がってしまい、生活上支障をきたすような状態のことを指します。
原因となる病気は他にあり、その症状の1つとして認知症がある……というイメージです。
アルツハイマー病にはさまざまな症状がありますが、認知症もその1つ。むしろ、認知症はアルツハイマー病の症状の代表格ですね。
つまり、「アルツハイマー」は病名であり、「認知症」は症状・状態を表す言葉ということです。
認知症の話題で使える英会話フレーズ
ではここからは、認知症の話題で使える英会話フレーズを、会話例文形式でご紹介していきます。
認知症は少々デリケートな話題ですから、取扱いには注意!日本人相手だったら、どんな話し方をするかを考えれば、きっと英語でもうまく認知症の話ができるようになるはずです。
誰かが認知症になった場合
まずは、誰かが認知症になったことを伝えるフレーズをみてみましょう。
どうしたの?心配そうだけど。
昨日母さんを病院に連れて行ったら、認知症になってることがわかったんだ。
ああ、それはお気の毒に。彼女はどうしてる?大丈夫なの?
ありがとう。まあ、今はそれほど悪くはないけど、どうなるかな。
「認知症になった」は「get demented」と言い表すことができます。上記でご紹介した「dementia」は名詞でしたが、「demented」という形容詞もあるんですね。
誰かが認知症だと言う場合
「認知症になった」ではなく、すでに認知症の人がいる場合は、どう言えば良いのでしょうか。こちらも会話例文でみてみましょう。
今週末はどうする予定?遊ばない?
そうしたいけど、家にいないといけないんだ。
あら、どうして?
僕のおじいちゃんは認知症だから、一人でいさせられないんだ。今週末は両親が仕事だから、僕がおじいちゃんの面倒をみないといけないんだよ。
なるほど。それは大変そうね。
そうだね。でも、少なくとも彼は僕には優しく接してくれるんだ。認知症のせいで、私のことを小さい子どもだと思っているんだよ。
誰かが認知症だと告げる場合は「have dementia」と言うことができます。病気になったときなどは、「have」をよく使いますから、覚えやすいのではないでしょうか。
認知症の可能性があるという場合
最後に、「認知症の可能性がある」という話に使えるフレーズも見てみましょう。
お母さんを病院に連れて行かなきゃいけないんだ。
何があったの?
彼女、認知症かもしれないの。
それはお気の毒に。でも、どうしてそう思ったの?
お母さんは時々、私たちのことを忘れるの。父もね。だから、認知症になった可能性が高いんだ。
うーん、彼女が適切な治療を受けられるように願うよ。
「認知症の可能性がある」とうフレーズは、ここまでご紹介したフレーズの応用でしたね。「it is possible」や「might」という表現を使えば、そのニュアンスを出すことができます。
認知症についてのNGワード
冒頭で、今は「痴呆症」という言葉は使われていないことに触れていますが、実はこれ、英語でも同じことが起こっています。
英語で「痴呆症」に似ている言葉は「senile」。しかし、この言葉はもう使われなくなっていますから、今使うと悪い印象を与えてしまうかもしれません。
もしもネイティブが「senile」を使っているのを聞いても、真似はしないように気をつけましょう。
ただし、意味は知っておくと良いでしょう。「痴呆症」とついつい言ってしまう日本人がいるように、今でも「senile」を使ってしまうネイティブスピーカーもいるかもしれませんから。
認知症の話をするときには少し注意を
今回ご紹介したようなフレーズを使えば、認知症についての会話はスムーズにできるでしょう。しかし、認知症というデリケートな問題について話すときには、少し注意も必要です。
自分のことや、自分の家族について話すときはあまり気にする必要はありませんが、話している相手の家族やその人自身の認知症について話題になったときには、気遣いと思いやりを忘れずに。
日本語でも言わないことは、英語でも言わないようにすれば、無用なトラブルを防げるはずですよ。