私たち日本人は、今でこそ小学校での英語の授業が導入されるようになり、英語が身近になってきたというものの、なかなか「バイリンガル」レベルになるまでには遠く険しい道のりがあるのが現実です。
ここ数十年でいろんな英語教育も開発されていますが、果たしてどんな特徴があるのでしょうか?
メリット・デメリットは?
さあ、徹底的に調査をしてみましょう!!!
目次
カランメソッドって何?
カランメソッドは1960年代、ベルリッツという英会話学校で働いていたロビン・カラン氏により開発されたメソッドです。
ダイレクトメソッド(直接教授法)と呼ばれる英語学習メソッドの一つで 、現在では世界40か国以上で導入されている学習法です。
母語を使わない、つまり「英語を英語のまま理解する」反復学習を繰り返すことで、通常の約4倍ほどの速さで英語が身につく、というものです。
2.カランメソッドの特徴
3.カランメソッドの勉強法
さあ、その独特な学習法による勉強法はどんなものなのでしょうか?
スクールによって多少に違いはありますが、基本的な流れはこのようになっています。
1~12までのステージがあり、ステージが上がるほど文法や単語の内容が難しくなります。
基本は「講師が質問」「生徒が回答」「講師が添削」という流れに沿って行われます。
- 先生が習った単語やイディオムを生徒と練習します。
- 覚えた単語などを使った質問が先生から生徒へ投げかけられます。(2回質問される)
- 生徒は先生が答えを言う前に即座に答えます。(きちんとした構文で答える)
- 即座に正しく答えられなかったら、もう一度先生から質問をされます。
- それでも答えられない場合は、早い段階で先生が答えを言い、生徒はそれを繰り返します。
- 回答はフルセンテンスで答えなければなりません。なおかつ、速いテンポが求められます。
- 答えられた場合でも、正しい発音や正しい文法が出来ているかをチェックされ、そこで復習をします。
この流れを反復する勉強法になります。
とにもかくにも「瞬発力」が求められる学習法と言ってよいでしょう。
4.カランメソッドによる効果は?
このカランメソッドの学習によって、どのような効果が見られるのでしょうか?
効果① 英語を日本語に変換せず英語で考える「英語脳」になる!
英語を日本語に訳して理解する授業を学校で受けてきたせいでしょうか?
どうしても一度日本語に直して考えてしまう、日本人にありがちな癖ですが、このような時間は与えられず、瞬時に答える訓練がされるため、次第に「英語で聞いて英語で考える」力が身についてきます。
効果② センテンスで考える癖がつく!
英語学習者の初心者は、どうしても答えを単語だったり、短いフレーズで答えがちですね。
大まかに正解していても、それは少し幼稚な、子どもが話すような英語になってしまいます。
必ず主語や動詞から始めることを鉄則とし、センテンスで話すことを徹底されるため、だんだんとセンテンスできちんと話すことが出来るようになります。
効果③ 短期間で英語を習得することが出来る!
もちろん個人差はありますが、データによると学習を始めたばかりの生徒がTOEIC500点を達成する時間は、平均350時間かかると言われているのですが、カランメソッドを使った学習では80時間で到達できるという結果も出ています。
こういうことからも、「4倍の速さで英語を習得できる」といううたい文句があるのもうなずけます。
5. カランメソッドは子供でも学習できるの?
このようなハードなトレーニングのカランメソッドは、子どもにも使えるのでしょうか?
カランメソッドを導入している英会話スクールには、7歳~10歳くらいから始めれれる「キッズコース」があるようです。
大人向けのカランメソッドは「12ステージ」ありますが、キッズ用は「4ステージ」。時間にすると約10時間必要なります。
しかしながら、一番難しいステージ4になると、大人用のステージ4と同じくらいのレベルの文法が使われるそうで、まったくの初心者ではハードルが高いようです。
また、キッズコースで使われる単語は約1400語ほどですが、大人向けの初心者レベルの1~3レベルと同じものになります。
文法も同じようですが、難しい関係代名詞などは使われていません。
生活に必要な日常会話などがメインなので、中学校などの英語の授業にも役立つのではないでしょうか?
勉強方法は基本的に同じですが、テキストは子どもが楽しみながら学習できるようにアニメなどが豊富なカラフルな作りになっています。
そして、大人のように質問が繰り返されるだけではなく、子どもが学びやすいように、ゲームやクイズなど楽しいアクティビティも取り入れられています。
大人のカランメソッドと同じように、反射神経、発音や文法のトレーニングは同じように行われます。
カランメソッドキッズはこんなお子さんににおすすめ!
- 読み書きはある程度できるがアウトプットを始めたい
- スピーキングを強化したい
- 親子で勉強したい
というお子さんに向いていると言えるでしょう。
6. カランメソッドをもっと効果的に活用するコツ
カランメソッドが年齢を問わずに効果があるのはわかりましたが、このメソッドをもっと効果的に学習するコツはあるのでしょうか?
必ず予習をしてレッスンに挑む
カランメソッドはすべて英語で授業をするため、理解できないこともあるかもしれません。理解できないまま反復しても自分のものにはなりませんね。
そのためにも単語の意味はもちろん、講師のスピードについていくためにも、音読を数回して予習すると授業がスムーズに進みます。
自分と相性がいい講師を指名する
どこの英会話スクールでも言えることでしょうが、自分と相性が悪い講師とのレッスンは、逆にストレスを感じたりして意味のないものになる恐れもあります。
オンラインレッスンなどは講師を指名できるシステムを導入しているところが多いので、自分にとって最適なスピードで英文を読んでくれたり、自分の要望をある程度聞いてくれるなどフレキシブルな対応ができる講師を選ぶことが大切です。
7. カランメソッドのデメリット
「通常の4倍の速さで英語を習得できる」とうたわれているカランメソッドにデメリットはあるのでしょうか?
それは・・・
- 自分の言いたいことが言えず、時間ばかりに気を取られるので英語を話すときの表現力に欠けてしまう
- 反復することがメインになるので、だんだん飽きてくる
- レッスンがスピーディであるため、頭が疲れてしまう
などがあるそうです。
カランメソッドに向いている人・向いていない人
このような特徴があるカランメソッドが向いていると思われる人は
- もっとスピーキング力を付けたい人
- 英語を正しく話せるようになりたい人
- 英検やTOEICは高得点だけど話すことが苦手な人
- 短期間で英語を話せるようになりたい人
などが挙げられます。
逆に、カランメソッドが向いていない人は
- リラックスした楽しいレッスンをしたい人
- 早口で話をされることが嫌いな人
- 細かく注意されることを嫌う人
などでしょう。
まとめ
現在、カランメソッドを導入しているスクールはほとんどがオンラインスクールのようです。
調査を進めていくうちに、このメソッドは「○○ブートキャンプ」のような、または、ベースボールの1000本ノックのような、体育会的「トレーニング色」が強いメソッドな印象を受けました。
確かに日本人が英語を学び始めた段階では、相手から言われたことを一度頭の中で日本語に変換して、それをまた英語に置き換える作業をするため、返事をするまでに「えーと、うんーと」となってしまいがちですよね?
このカランメソッドでボールを瞬時に打ち返すように、英語で聞いて英語で答えることが出来るようになれば、あとは発音や表現力を足していけば、バイリンガルも夢じゃないかもしれませんね!
しかしながら、何事も「学問に王道なし」で、簡単に身に着ける安易な方法はありません。
自分に合った学習法を見つけて、努力を積み重ねていくことは、どんなメソッドにも共通ではないでしょうか?