ここ数年、よく聞く言葉に「サステナビリティ」や「サステナブル」があります。
これらの意味はどのようなもので、英語の表現はどういったものになるでしょう?

記事では、使えるようになっておきたい「サステナビリティ」「サステナブル」の意味の解説、そして英語の正しい使い方を例文とともに紹介しましょう。

サステナビリティ – sustainability

サステナビリティ - sustainability

まずは「サステナビリティ」の正しい意味、そして英語表現である”sustainability”についてみていきます。

サステナビリティとは?

サステナビリティという言葉は最近聞く言葉だと感じる人がいるでしょう。しかし、この言葉の出どころはもっと古く1987年、ノルウェーの当時の首相ブルントラント氏が委員長だったブルントラント委員会で初めて用いられました。この委員会とは「環境と開発に関する世界委員会」でした。
それ以降は、地球サミットや国連環境開発特別総会でもサステナビリティに重きがおかれるようになっていきます。

サステナビリティの意味は「持続可能性」であり、分かりやすく言えば、自然環境・社会・健康そして経済が将来に渡って持続可能な発展ができるよう目指すという考え、または取り組みのことです。サステナビリティをサスティナビリティと言うことがありますが、どちらでも問題ありません。
サステナビリティの3つの柱として、経済発展・社会開発・環境保護があります。

サステナビリティが進んでいる国はフィンランド、スウェーデン、デンマークと北欧3国が上位3位を占め、その後ドイツやベルギーと続きます(2021年)。ちなみに、日本はこのとき18位です。

sustainability

サステナビリティは世界で語られます。英語の表現を知っておくこと、会話に使えるようにしていくことはネイティブたちとのコミュニケーションに必要な時代です。

サステナビリティの英語表現は”sustainability”です。というよりも英語sustainabilityから日本語サステナビリティができたということが由来です。

sustainabilityの意味と語源

sustainabilityを辞書で調べると、やはり「持続可能性」そして「持ちこたえる力」であることが分かります。sustainabilityを分解してみてみれば、sustain(持続する)+ability(〜できる)ですので「持続可能性」そして「持ちこたえる力」であることが理解できます。

そして、sustainの語源はsus(ラテン語のsubで下からという意味)とtain(ラテン語のteneoでつかむ・支えるという意味)の組み合わせであり、合わせると下から支えるということになります。

sustainabilityの例文

では、英会話にsustainabilityを使えるように例文で使い方をみていきましょう。

環境を破壊せずに持続するというところがキーとなります。環境の英語は名詞”environment”であり、カタカナ発音はエンヴァイロメントのようにします。サステナビリティに関する英文や会話で頻繁に使われる単語ですのでぜひ覚えてください。以下の例文でも使われています。

Aさん
Sustainability is made up of three pillars: the economy, society and the environment.
訳)サステナビリティは経済、社会、環境の3つの柱で構成されています。
Aさん
I’m interested in sustainability and would like to learn more.
訳)私は持続可能性に興味があって、もっと知りたいと思っています。
Aさん
The company announced their sustainability plan.
訳)同社は、サステナビリティ計画を発表した。

工場での生産時の活動、輸送などで汚染物質が大気中に放出され大気汚染になるため、持続可能性は企業の社会的責任も大きくなります。企業がその責任を果たしていくことで、環境問題などに大きな興味を持つユーザーがつくとwin winになります。
同じ商品でもひとつは古いままの方法で、もう一方の企業は環境に配慮したものをとなれば、その差は明らかでしょう。

サステナブルとsdgsの違い

サステナビリティと同時に「サステナブル」という言葉もあります。サステナビリティをサスティナビリティと言っても問題がないように、サステナブルもサスティナブルとすることもあります。

sustainable

sustainabilityは名詞でしたね。そして、形容詞にするとsustainable(サステナブル)になります。発音はサステイナブルのようにし、意味は長期間に渡って「続けられる・維持できる・持ちこたえられる・耐え得る」や、環境を破壊せずに「持続・継続・存続可能な」になります。

このことから、サステナブルツーリズム、サステナブルファッション、サステナブル住宅などの言葉が生まれました。これらは従来の在り方よりも、環境に配慮した素材を使ったり、労働環境の整備を行なった上で生産するという形をとっています。

SDGsとは?

持続可能性の話題になるときに、SDGsというワードもよく聞くことがあるのではないでしょうか?

SDGsは以下のフレーズを略した言い方です。
Sustainable Development Goals
このフレーズを日本語に訳すと「持続可能な開発目標」となります。Goalsは目標であり、ここがsustainableとSDGsの大きな違いになります。

The 17 Goals

SDGsのゴールとして、United Nations(国連)で以下のThe 17 Goals(17つの目標)が設定されています。日英表記で紹介しましょう。

1. No Poverty – 貧困をなくそう
2. ZERO Hunger – 飢餓をゼロに
3. Good Health and Well-being – すべての人に健康と福祉を
4. Quality Education – 質の高い教育をみんなに
5. Gender Equality – ジェンダー平等を実現しよう
6. Clean Water and Sanitation – 安全な水とトイレを世界中に
7. Affordable and Clean Energy – エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
8. Decent work and Economic growth – 働きがいも経済成長も
9. Industry, Innovation and Infrastructure – 産業と技術革新の基盤をつくろう
10. Reduced Inequalities – 人や国の不平等をなくそう
11. Sustainable cities and Communities – 住み続けられるまちづくりを
12. Responsible consumption and Production – つくる責任、つかう責任
13. Climate Action – 気候変動に具体的な対策を
14. Life below Water – 海の豊さを守ろう
15. Life on Land – 陸の豊さも守ろう
16. Peace, Justice and Strong Institutions – 平和と公正をすべての人に
17. Partnerships for the Goals – パートナーシップで目標を達成しよう

サステナブルとSDGsの違い

SDGsのゴールには、ジェンダー平等や気候変動というキーワードも出てきました。サステナブルとSDGsの違いは、17の具体的な目標設定を有するか有しないかになります。

Aさん
The 17 SDGs are an urgent call for action by all countries.
訳)SDGs17つの目標は、すべての国に行動を求める緊急の呼びかけである。

17のどの目標も一国が行動に移しただけでは目標達成になりません。世界各国が真剣に取り組む課題だと言えます。

サステナビリティ経営

サステナビリティ経営という言葉を知っていますか?
企業経営のあり方において経済、社会そして環境の持続性を考え、事業におけるサステナビリティの向上を図る経営を指します。

sustainability management

サステナビリティ経営を英語にすると”sustainability management”になります。managementは親しみのある言葉ですが、会社などの経営や管理といった意味があります。

Aさん
Sustainability Management focuses on the preservation of the environment, ensuring the optimal functioning of our ecosystem.
訳)サステナビリティ経営は、環境の保護と生態系の最適な機能の確保に重点をおいている。

preservation of the environment=環境の保護
optimal=最適な・最善の・最も有利な
ecosystem=生態系

Aさん
The University of Bath has a Sustainability Management Master Course.
訳)バース大学には、サステナビリティ経営の修士課程があります。

イギリスの大学にはサステナビリティ経営に関して学ぶ学部があります。

sustainability manager

サステナビリティ経営を行なう人を”sustainability manager”と呼びます。必要となるスキルは、変化に柔軟に対応できる、より効率的な仕事の方法を採用するようにチームをリードすることです。上の例文で紹介したように、大学のコースを修了してなることもできます。

B Corp

B Corp(B Corporation)という認証制度があります。
アメリカの非営利団体B Labにより運営され、環境や社会に配慮した事業を行なう、透明性や企業責任など様々な厳しい条件をクリアした企業に認証が与えられます。

B Corp認証を持つ企業は、社会的信用を獲得、国際認証のためグローバル化が進むなどの大きなメリットがあります。日本でも現在38企業がB Corp認証を受けています。
B Corpとサステナビリティ経営は深く関わっているでしょう。

持続可能性の言い換え表現

持続可能性の言い換え表現

持続可能性であるsustainabilityはどのような英語に言い換えができるのでしょう。
最後に英語の幅を広げるためにもそれらを紹介します。

sustainabilityの言い換え

sustainabilityは以下のいくつかの表現に置き換えることができます。
Eco/Ecology
Ecological
Eco-friendly
Efficient
Non-consumptive

例えば、sustainable fashion(サステナブルファッション)をecology fashionのようにできます。ecology fashionとは、消費者の健康や労働者の労働条件、そして環境への影響を考慮して作られた衣服です。
サステナブルツーリズム(sustainable tourism)という言葉もecotourismに言い換えられます。持続可能な観光を意味し、環境破壊を避け自然を守りつつ、かつ住民の暮らしを向上させようという取り組みです。

まとめ

サステナビリティはsustainability、サステナブルはsustainableです。持続可能性は、世界中の人が関わるべきとても大きなテーマです。外国人と話すときにも環境に関わる話題になることがありますので、ぜひ本記事をお役立てください。