日本語では和訳が同じでも、英語では何種類か別の単語があり、それぞれを使い分けなければならないことは多々あります。そのうちのひとつが「伝える」という動詞。今回は、英語で「伝える」を正しいシチュエーションで使えるように、それぞれの動詞のニュアンスまで伝えていくことを目的としています。まずは一般的でどんなシチュエーションでも使いやすい単語を覚え、次にニュアンスが異なる単語を暗記して使い分けしてみましょう!

一般的な「伝える」はtell

「伝える」というと、Tellという英単語が一番有名ですかね。やはり中学校で習い、たくさん練習してきた単語というものはすぐに出て来るものですが、中学で習う英単語は基礎的かつ汎用性がある一般的なものになります。

ですから、Tellは日本語の「伝える」とニュアンスはほぼ同じで、相手に何かを言葉で伝えることを言います。日常会話でもよく使われますし、もちろんビジネスシーンでも使用可能です。

他の単語との区別がしやすいようにより詳細な意味合いを説明するならば、Tellは言葉を伝達するという動作そのものに重きを置いています。ですから、伝える内容などは関係ありません。ただ歩くという行動を示すWalk、ただ言うという行動をしますSayなどと同じ類の、動作中心の動詞と覚えておきましょう。

汎用性は高いので、日本語訳は「伝える」以外にも、「言う」や「教える」、「語る」が使え、文脈によって適切な訳が異なります。

Aさん
Please tell him that I’ll be late.
訳)私は遅れるって彼に伝えてくれない?
Aさん
He told me not to believe her.
訳)彼は彼女を信じるなと言ったんだ

情報を伝えるならinform

情報を伝えるならinform

Informは、情報や事実を知らせるという意味ですが、日本語訳はやはり「伝える」となります。Tellが伝える内容に重きを置かないのに対し、Informは特に新しい情報や重要な情報を伝えることを意識するという点が異なります。

また、Tellは日常会話でもよく聞く単語になりますが、Informというと少しフォーマルなイメージがあり、書き言葉としてもよく出てくる英単語となります。ですから、家の中で家族と話している時には普通使いません。かなり堅苦しいと思われてしまい、あえて使う場面でなければ違和感があります。

名詞にすればInformationとなり、これはお店の中で迷った時や、サービスを受ける時に寄れる場所として日本でも使われていますね。

Aさん
I will inform you of your results by next Wednesday.
訳)明日までに結果をお知らせ致します
Aさん
I need to inform you this news.
訳)私は君にこのニュースを報告しなければならない

結果の報告はreport

Reportは、調査したものなどを結果として報告するという動詞です。これも「伝える」と訳して違和感のない単語ですよね。もちろん、状況によって「報告する」と訳し変えても指す使えありません。同じ「伝える」でも、このように調査した結果を伝えることに重点が置かれていることが特徴です。日本語としても使うことがあるので、なんとなくのイメージは掴みやすいでしょう。

よく使われる場面としては、ビジネスシーンや新聞、テレビのニュースの中でレポーターが説明をしている時です。よってReportもフォーマルな動詞になります。

Aさん
I have to report the results of the meeting to my boss today.
訳)今日の会議で調査結果を報告しなければならない
Aさん
I report you that Adams succeeded to make new medicine.
訳)アダムスが新薬の開発に成功したことをお伝えします

伝言する場合はpass on

伝言する場合はpass on

こちらは熟語として使う「伝える」という動詞ですが、人に情報を伝達していく、広げていくというニュアンスを持っています。

もともとPassは「渡す」という意味を持っていますし、前置詞のOnは継続する要素を持ちますから、これらを組み合わせば、情報を人に渡していくという意味になるのです。よって、伝統などを語り継ぐといった場面でも使われる熟語です。

Aさん
Please pass on the information to Ms. Smith.
訳)その情報をスミスさんに伝えてください
Aさん
I want to pass on “Ainu” culture in next generation.
訳)私はアイヌの文化を次の世代に伝え継ぎたいのです

辞書では独特の言い回しも見られる

Weblioの辞書を引いてみると以下のような例文が出てきました。このように、英語独特の言い回しを見てみるとまだまだ「伝える」にはたくさんの英語表現があることがわかりますね。参考までに見ておきましょう。

道を伝える、法を伝える
to preach the truth

道を伝える
to preach the truth

感動を伝える。例文帳に追加
To express the excitement

感動を伝える。
To convey being moved

消息を伝える
bring word

福音を伝える
preach the Word

例文
報を伝える
to communicate the news to one―impart the news to one―tell one the news”

「伝える」と「伝わる」の違いに注意

「伝える」と「伝わる」の違いに注意

今回は「伝える」という英語をご紹介しましたが、日本語として字面や音が似ている「伝わる」とは異なる点には注意しましょう。「伝える」は、能動的に自分から情報を発信する行為、そして「伝わる」は、受動的に相手から情報が伝えられた場合ですからね。

「伝わる」の場合はIntroduceなど、また別の英単語を使うので別の機会にでもご紹介しましょう。似ていても、別の意味になることを意識しないと正しい意味で使えません。今回は「伝える」という動詞にのみ着目しましょう。

まとめ

「伝える」という英語の動詞は、一般的に使うのであればTellで良いのでしたね。日常会話でも使われるものですから、これをベースに勉強していけばOKです。もう少しフォーマルな英語を使いたいのなら、ビジネスシーンで使うことが多いInformやReportもありました。しかしこちらは、伝える内容に焦点が置かれていたり、結果を伝えるというニュアンスが強いものでした。このような微妙な違いを理解すれば、たとえ訳が「伝える」と同じでも、きちんと使い分けることができます。ぜひ、シチュエーション別で使えるように練習してみてください!