今回のテーマは「枠」です。
日本語では色々な意味で「枠」が使われますが、英語でも同様に1語で対応できるのか、意味に応じて色々な単語が使い分けられているのか、どちらなのでしょうか。
この記事では、「枠」を表す主な英単語と、それぞれのイメージの違いについて詳しく解説します。また、記事の後半では「窓枠」や「広告枠」、「借入枠」などを英語で何と表現するかについても取り上げています。
これを読めば、日本語の「枠」の語感を英語でも上手く表現できるようになりますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
「枠」は英語で何て言う?
日本語の「枠」という言葉は、「窓枠」などの物理的なものから、「借入枠」などの概念上のものまで幅広く表せます。
しかし、残念ながら英語の場合、それと一対一に対応する便利な表現がありません。そのため、どのような枠を表したいのかにより、表現を使い分ける必要があります。
英語で「枠」に相当する主な単語は、以下の通りです。
- frame
- case
- boundary
- margin
- limit
それぞれの意味の詳細について、順に確認していきましょう。
「枠」の英語①:frame
物理的に物を囲む「枠」を表す際は “frame(フレーム)” がよく使われます。
たとえば写真立ての枠や、絵画の枠、ドア枠などはすべて frame で表せます。そのため、実際に物を囲んでいる「枠」を言い表したい場合は、まず frame を使ってみると良いでしょう。
When the frame is luxurious, the picture inside also appears to be of superior quality.
訳)額縁(枠)が高級だと、中に入っている絵も優れたものに見えてきます。
「枠」の英語②:case
物を収める箱状の「枠」の場合は、”case(ケース)” を使って表します。
先述の frame は、物の上下左右を囲っているイメージですが、case の場合は前後も含めて、全体をしっかり覆っているイメージになります。
そのため、たとえば腕時計で考えると、文字盤の周りをグルッと囲っている枠(ベゼル)は frame で、前面のガラスや裏蓋なども含めた全体の枠は case といったイメージの違いが生まれます。
Watches contain numerous components packed into such a small case.
訳)腕時計は、こんなに小さな枠の中にたくさんの部品が詰まっています。
「枠」の英語③:boundary
範囲や境界の枠を表す際に使われるのが “boundary(バウンダリー)” です。
たとえば町をテクテク歩いていくと、どこかでその町の限界が来て、それを超えると隣町になりますよね。boundary の根っこには、このような物事の「限界」というイメージがあります。
物理的な区切れ目としての枠を示す際はもちろん、比喩的な意味でも使える便利な表現です。
Surrounding the village, there is a fence creating a boundary, and it is prohibited to exit from there during the stay.
訳)村の周囲には柵で枠が作られていて、滞在中にそこから出ることは禁じられています。
「枠」の英語④:margin
“margin(マージン)” は、何かの端にある余白としての枠を表す際に使われます。
たとえば、絵画などの四隅に白い余白があれば margin、その上に額縁などがあれば frame と呼び分けられます。
ちなみに、margin はビジネスだと「手数料」や「儲け」の意味でも使われます。日本語でも「中間マージン」などと言いますよね。
When I borrowed a textbook from my friend, I found doodles of flipbook comics drawn in the margins.
訳)友達に教科書を借りたら、ページの余白(枠)を使ってパラパラ漫画が描いてありました。
「枠」の英語⑤:limit
最大や最小など、物事の限度としての枠を表す際は “limit(リミット)” も使われます。「最大枠」なら maximum limit、「最小枠」なら minimum limit といった感じです。
たとえば収容人数の枠が10人であれば “the maximum limit is 10 people” と表現できます。
I need to make a reservation quickly, or else the booking limit will be reached!
訳)早く予約しないと、予約枠が埋まっちゃう!
「窓枠」や「借入枠」など、色々な枠を英語で言ってみよう!
ここからは、「窓枠」や「広告枠」、「借入枠」といった、枠の関連表現を英語で何と言うか、具体的に確認していきます。
ここまでにご紹介してきた5種類の表現を使うものが多いですが、中にはそれ以外の表現が適切なものもあるので、ぜひ考えながら読み進めてみてください。
「窓枠」in English
「窓枠」は英語で “window frame” と言えばOKです。窓枠は窓の周囲を覆っているため、物理的に四方を囲む frame のイメージがそのまま活きています。
また、ピンポイントに窓枠を表す単語として “sash(サッシ)” もあります。日本語でもカタカナ言葉で窓枠をサッシと言いますが、これは英語由来の言葉だったんですね。
The window frame became warped due to the earthquake, making it difficult to open and close.
訳)地震のせいで窓枠が歪んで、開閉がしにくくなってしまいました。
「広告枠」in English
「広告枠」は英語で “advertising space”、または省略して “ad space” と表現されます。
日本では広告を出稿するところを広告「枠」と表現しますが、実際は広告を載せるための空きスペースなので、英語の space の方が理にかなった言い方といえるでしょう。
The advertising space in that newspaper is in high demand, so it’s become a lottery system for allocation.
訳)その新聞の広告枠は、人気が殺到しているので抽選制になっています。
「借入枠」in English
お金などの「借入枠」は、英語では “borrowing limit” と言います。借入枠は借金できる上限を示すので、限度としての枠を表す limit のイメージが活きています。
また、クレジットカードやローンなどの借入枠を表す際は “available credit” と表現されることもあります。available が「利用可能」の意味なので、「まだあとこれくらい使える」というイメージですね。
borrowing limit にしても available credit にしても、借金をすることには変わりないので、くれぐれもご利用は計画的に。
I still have 100,000 yen of available credit on my credit card, so maybe I’ll splurge on some expensive clothes.
訳)まだクレジットカードの借入枠が10万円分あるから、高い洋服でも買っちゃおうかな。
You need to avoid using the credit card too much so that your future selves won’t resent you.
訳)未来の自分に恨まれないよう、ご利用は計画的にね。
まとめ
今回は「枠」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。
日本語の「枠」は非常に多義的な言葉なので、英語に言い換える場合はそれぞれのイメージに合ったものを使いましょう。たとえば、四隅を覆う枠なら frame、前後も含めて覆うなら case、端を表す枠なら margin、限度としての枠なら limit といった違いがあります。
今回ご紹介したことを参考にして、英語でも色々な枠を表現してみてください。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!