英語の学習を効率よく行うコツの1つが、興味のある分野から関連する英単語や英文を覚えていくことです。例えばオリンピックのウエイトリフティングなどの競技に関連する英語を覚えるという方法もあります。競技に関連する英単語や英文は、実際の英語の勉強でも役立てることが可能です。使われている単語の別の意味なども覚えて、英語力向上へつなげましょう。
ウエイトリフティングは英語で何と言う?
ウエイトリフティングは英語の用語で表現すると、“weight lifting“と表現します。日本語にすると重量挙げという競技で、重量挙げ選手のことは、“weight lifter“という英単語になります。この “weight”という単語は、体重や重量などを示している単語です。体重や重量などの物理的な重さだけではなく、精神的な重圧などの意味でも使われることもあります。
さらに物事の重要性を指し示す場合もあり、政治的な有力者という例文なら “a man of political weight”という形で使われます。さらに名詞だけではなく、”by weight”と表現すれば副詞で重さでのような意味で使われ、他動詞なら「~を重くする」や「~に重きをおく」というような意味も持ちます。ウエイトリフティングの競技の英単語から学習のきっかけをつかみましょう。
ウエイトリフティングのリフティングって何?
ウエイトリフティングのウエイトは重量を意味する英単語から来ていますが、リフティングの部分はどのような意味なのでしょうか。英語だと”lifting”と表現するリフティングですが、”lift”という英単語の「ing形」で持ち上げるという意味を持ちます。例えば “lift ~ by main force”という例文は、「全力で~を持ち上げる」という意味を表現したいときに使います。また“lift”という用語は、持ち上げるのほかにも、引き起こす・高揚させる・高める・助け合うなど、さまざまな場面で使われることもある単語です。例文とセットで使われるパターンをいくつか押さえておくと、英文を読み進めるのに役立てられます。
訳)彼は健康維持のためにジムでウエイトリフティングを楽しみます。
この例文では、ウエイトを「持ち上げる」という意味で使われています。
訳)彼女は好きな音楽を聴いて、気分を高揚させていました。
”lifting one’s spirits” で「気分を高揚させる」という意味になります。
訳)彼らは困難な時期にお互いを高め合うことに集中しました。
“lifting each other up”は「お互いに持ち上げる」というより「お互いを高め合う」という意味になります。
訳)その災害の後、地域社会は互いに助け合いながら、団結した。
この”lifting each other up”は、「お互いに助け合う」というニュアンスで使われています。
監督とコーチの表現を押さえよう
英語で監督やコーチを説明する場合、どのような表現あるのかでしょうか。監督の場合には、”director”と英語で表現することができます。この”director”は、テレビ番組などのディレクターを示すときに使う英単語も同じです。指導者や重役などの意味がありますが、指揮者や演出家さらには管理者などの意味でも使われています。
一方でコーチは英語にすると”coach”ですが、名詞で使われるほかにも動詞で指導するという意味もある単語です。また”coach”の名詞には、指導者という意味のほかにも馬車や客車などの意味もあるため、勘違いして英文を読み進めることがないように注意が必要です。
バーベルはどのようにできた単語か?
ウエイトリフティングは、選手が自分の体重の倍以上もあるバーベルを持ち上げて結果を競う競技です。競技で持ち上げられるバーベルですが、英語では”barbell”という表現になります。この英単語は、実は棒を表す “bar”とダンベルからの造語です。ちなみに、ダンベルは英語だと”dumbbell”で、「黙っている」という意味の”dumb”と教会の釣り鐘を表す “bell”の2つが合わさった言葉です。音を立てないベルを持ち上げてトレーニングをしていた名残で、ダンベルは「黙っているベル」と表現されています。
訳)「ダンベル」という単語がどのように構成されたかは、とても興味深いです。
訳)その単語がどのように作られたかを学ぶことで、「ダンベル」のスペルも覚えられます。
ルールと一緒に英語を覚えよう
ウエイトリフティングは持ち上げる方法によって2つの種目に分かれます。その種目の1つがスナッチで、床に置いてあるバーベルを一気に頭上まで持ち上げて立ち上がる種目です。英語では “snatch”で、動詞では物を急に動かすときやチャンスに飛びつくときなどに使われます。また誘拐する、ひったくるなどの意味でも使われるので使用例も合わせて押さえておきましょう。例えば “snatch a bag”なら「かばんをひったくる」と表現したいときに使います。名詞と動詞の両方で使われることがある単語なので、文章を読み進める際には注意が必要です。
訳)ウエイトリフティングのスナッチのテクニックを向上させるために、より重いウエイトを持ち上げる練習をするウエイトリフティング選手もいます。
訳)そのウエイトリフティングの選手は、選手権でリフティングをしながらスナッチで記録を更新しました。
ウエイトリフティングの中でも、ウエイトに飛びつく行為を「スナッチ」というので、そのテクニックを強化することに焦点を置くウエイトリフティング選手もいます。
“break a record”は、「記録を更新する」という意味です。
ウエイトリフティングにおけるクリーンとは?
ウエイトリフティングの種目にあるクリーン&ジャークは、「クリーン」が肩の高さまで持ち上げることを意味し、次に「肩から一気に頭上まで上げる」ジャークが合わさった種目です。この種目におけるクリーンは、英語だと”clean”になります。
“clean”は掃除をするもしくはきれいにするなどの意味で試験などでもよく出る頻出単語なので、例文も合わせて押さえておくべき単語の1つです。形容詞だけではなく、副詞や動詞でも使われることがあります。使用例も合わせて押さえておくと、どのような形で使われているのか判断しやすくなります。例えばきれいな空気なら”clean air”、部屋を掃除するなら”clean my room”のような表現ができます。
訳)クリーン&ジャークは2部構成のリフティングです。
訳)バーベルを肩まで持ち上げることは、クリーニングと呼ばれます。
ジャークはどのような動作か
クリーン&ジャークのジャークは、ぐいっと押すもしくはぐいっと突くという意味の”jerk”からきています。ウエイトリフティングでは、クリーンの動作で肩まで引き上げたバーベルを、ジャークで一気にぐいっと天井に向かって突くように上にあげます。動作と英語の意味が一致していることを覚えれば、英文で出会ったときも意味が連想しやすくなります。1つ注意が必要になるのが、”jerk”は名詞と動詞の両方で使われることがあるという点です。例えば名詞で使用して網をぐっと引くことを英語にする場合には”give a rope a jerk”と表現し、動詞で使って次のように表現することもあります。また副詞で使われるケースも見られます。
訳)バーベルを肩まで持ち上げた後、腕の長さまで頭上でジャークします。
I jerked a fish out of the water.
訳)魚を水からぐいっと引き上げた。
She jerked the door open when she heard the loud noise.
訳)彼女は大きな音を聞いて、ドアをぐいっと開けた。
得点は合計で決まる競技
ウエイトリフティングの勝敗は、スナッチが3回でクリーン&ジャークが3回で持ち上げた重量の合計で勝敗が決まる仕組みです。ほかの選手より重いバーベルを持ち上げることが大切ですが、失敗するとその分だけ記録が下がってしまいます。競技において大切な合計ですが、英語だと”total” になります。名詞で合計や総額という意味で使われるほかにも、形容詞で使われるケースも見られます。
形容詞で使われる場合には、「完全な沈黙」は “total silence”といった形で表現できます。また合計すると動詞の意味でも使われることがあるため、英文で出会ったときにはどのような形で使われているのかチェックすることが大切です。例文とセットで覚えると英語の長文が読み進めやすくなります。
成功か失敗か判断する
ウエイトリフティングは、バーベルを上に持ち上げるだけの競技ではありません。動きのスムーズさや、体とバーベルが平行かなど成功か失敗かの判断にはさまざまなルールが関係しています。そして「成功か失敗か判断する」と英語で表現すると、”judge success or failure”となります。判断するが “judge”で、この単語は裁判すると表現したい場合にも使われます。そして成功を意味するのが”success”で、合格や成功者という意味も持ちます。さらに失敗が”failure”ですが、怠慢や不足、故障などの形で用いられることもあります。1つの意味だけではなく、複数の意味を押さえることで、英語の訳がわからない場合でも類推しやすくなります。
審判の存在も重要な競技
ウエイトリフティングでは、バーベルを持ち上げた後に成功か失敗かを判断するのが審判になります。3人の審判と5人の陪審が厳しく採点することで、不平等な判定にならないように工夫されています。審判を示す英単語が”referee”です。この単語には、名詞では審判という意味のほかにも、身元保証人や仲裁人などの意味でも使われます。動詞では、審判をするや審判員を務めるという意味があります。綴りに注意して単語を覚えるようにしましょう。
訳)ウエイトリフティングでは、3人の審判と5人の陪審員が厳しく採点して、成功か失敗か判定します。
競技のルールと一緒に英語を覚えよう!
いかがでしたでしょうか。ウエイトリフティングのルールについて、英語表現も紹介しながら解説しました。ウエイトリフティングという競技について新しい発見があり、新たな英語表現も覚えられたのではないでしょうか。
オリンピックでウエイトリフティングの競技が実施されていても、見る機会が少なく、ルールを把握していない方も多くおられるかもしれません。
ウエイトリフティングは、持ち上げる方法によって「スナッチ」と「クリーン&ジャーク」という2つの種目に分かれることも分かりましたね。lift, snatch, clean, jerk という4つの動詞の使い方についても、例文を挙げて解説しました。動詞をたくさん学んでおくと、オリンピックの競技以外でもそれを活かせる機会も増えるでしょう。
競技のルールと一緒に、関連する英語も覚えてしまいましょう。ルールを理解しながら英単語などを覚えていくことで、オリンピック競技を楽しみながら勉強もできます。例文も一緒に覚えることで、学習の効果を高められますよ。