動物の英単語って、知らなければまったく言えない、知っていればほぼ100%伝わるものですよね。「足が4本あって・・・」と説明しようにも、動物に相当詳しくないと言えませんし、相手も相当詳しくないと知らないことを説明されている状況になります。ですから、説明が難しいものは英単語として覚えておいた方が断然お得です。今回は、動物の中でも「ヒツジ」をピックアップしました。sheepで覚えたと思いますが、果たしてそれで本当にいいのか、別の言い方はあるのか、それをここで深掘りしていきます。
ヒツジは英語でsheep
ヒツジは英語でsheepでOKです。ヒツジは草をはむはむと食べ、羊毛、皮、肉のために飼われている家畜ですね。
イギリスなどでは道路を車で走っていると、草原に白い点々で見ることができるくらい身近なものです。顔が白いものと黒いものがおり、羊毛には目立つ色で何やらマークがしるされているものも。日本とは違って動物はゆったりと広い土地でのびのびと育てられています。
このsheepという単語、着目すべきは複数形でしょう。複数形になっても単数形と同じでsは付きません。そのままsheepで大丈夫です。群れで生活している動物はこのように複数形と単数形にスペルの違いが表れないことが多いですね。
Look at the sheep! It has black face!
訳)あのヒツジ見て!顔が黒いよ!
ram
ヒツジと言えば英語でsheepで良いのですが、別に言い方にramというのがあります。これはlambではありませんよ!特に繁殖できるオスのヒツジのことをこう呼びます。
lamb
ラム肉でお馴染みのlambは、子どものヒツジやその肉のことを指します。lambと言えばそれだけで肉の意味があるので、日本語につられてlamb meatと言わないようにしましょう。
ewe
ちょっと変わったスペルですが、これはユウと発音し、大人のメスのヒツジのことを言います。
ここでちょっと厄介なのは、「一匹の雌羊」は a eweと書き、an eweと書かないことです。単語の頭のアルファベットは母音ですが、しかし発音が「あ、い、う、え、お」から始まらないので冠詞はaで問題ありません。「1時間」という英語がa hourではなくan hourなのと逆ですね。自分から言う時にはあまり相手も気にしないかもしれませんが、ライティングをする時には明らかなミスとなるので気を付けましょう。
It’s made from ewe’s milk.
訳)これはヒツジのミルクから作られています。
mutton
ヒツジの肉はラムと言いますが、マトンとも言いませんか?この違いは、ラムは子羊であり、マトンが成羊であることです。
大きくなったヒツジの肉なのでラムよりは硬くなることが多く、またより安いという特徴があります。動物と、その肉とで別の言い方をすることはよくあるのでそれぞれ覚えておきたいですね。
I’ll grill you some mutton.
訳)マトンを焼くよ。
「ヒツジ」を含む英語の面白い表現
英語では、ヒツジという意味を使って面白い言い回しをすることがあります。知らなければどういう意味なのか検討も付かないことがあるので、ここでちょっと見ていきましょう。
a wolf in sheep’s clothing
「ヒツジの皮を被ったオオカミ」という意味ですが、これは「おとなしく無害なフリをしていて、実は危険な人」のことを指す英語表現です。これはなんとなく意味がわかりそうですね。ヒツジとオオカミの童話なんかもありますし、直訳でもそういう表現なんだと理解できます。もっと短くまとめると「偽善者」なんて訳もあります。
return to one’s muttons
muttonsが出ましたね。これは「本論に戻る」という意味ですが、muttonsはsheepでも良いそうですよ!意味を知らなければ、「ヒツジに戻るって何?」となりそうです。
separate the sheep from the goats
「善(人)と悪(人)とを区別する」と訳されたり、「役に立つ人と役に立たない人とを区別する」という意味です。これは聖書に由来しているので、西洋の文化を知らないとヒツジとヤギのどちらが善人で悪人なのかわかりませんよね。
英語圏では、その聖書によってヒツジには善人、ヤギには悪人というイメージがあるそうです。日本と西洋で共通したイメージを持った動物もいますが、そうでないものもあるのですね。
(as) quiet as a lamb
「子羊のように静かだ」という表現がこちら。子羊に静かなイメージがある人はそういないでしょうけれど、英語圏のうちヒツジが身近だとこういう表現も生まれるのでしょうね。
in two shakes of a lamb’s tail
「ヒツジがしっぽを2回振る間」、つまり、「あっという間に」という意味のスラングです。どうしてまたヒツジがしっぽを、しかも2回振る間を「たちまち」という意味で使ったのかは謎ですよね。このような独特な表現の生みの親は一体どのような考えで言ったのでしょうね。今となっては諸説ある中のひとつであり、真相は闇の中です。
cast a sheep’s eye at …
これは「色目を使う」英語表現です。ヒツジにセクシーなイメージはそうないですが、西洋ではヒツジの潤んだきゅるんとした瞳が色目を使っているように感じるそうです。日本だと、どうしてもペットとして買われている犬や猫を慣用句としてしまいそうですよね。
follow like sheep
「(羊のように)おとなしく従う, 盲従する」という英語表現はこちら。確かに、ヒツジは群れとなって犬に追い立てられて、ちゃんと従いながら誘導されますよね。昔からヒツジと一緒に暮らしてきた英語圏の人たちだからこそたくさんのヒツジを使った表現があるのだと思うと、言語はその土地の文化と密接に関係していることがわかります。
まとめ
一般的にヒツジはsheepで良かったことがわかりましたね。そして、オスなのかメスなのか子どもなのか、それとも肉なのかによって別の表現がありました。英語ではオスかメスかで別の英単語を使うことが多いので、ちょっと覚えるのが大変かもしれません。ただ、幸いなことにラムやマトンは日本語にもなっているので、まったく初めて聞くという単語ばかりではなかったはず。そしてそれぞれ短いスペルなので、そこも助かりましたかね。頑張って全部ここで覚えてしまいましょう!