「私」だけでなく、「あなた」や「彼女」といった名詞の代わりをする語を代名詞と言います。英語の代名詞は日本語と違ってたくさんあり、使い分けで混乱してしまう人も多いでしょう。
英語で「私」は “I” ですが、「私の名前」は “my name” です。「私に見せて」は “Could you show me it?” となります 。使い方によって単語が違い、種類が多く覚えるのが難しい英語の代名詞。
今回は、そんな英語の代名詞と、正しく使い分けるために押さえておきたい覚え方のポイントを紹介します。
代名詞って何?
そもそも代名詞って何?と疑問に思う人がいるかもしれません。
代名詞とは、文字通り「名詞の代わりをする品詞」です。
I happened to meet my friend Sophia at a pastry shop yesterday. She said “Today is my mother’s birthday.”
訳)昨日ケーキ屋さんで偶然友達のソフィアに会ったよ。彼女は、母の誕生日だと言っていたわ。
黄色い下線を引いた語が代名詞です。英語では代名詞の後ろにくる単語によって使い方が異なるため、しっかりと覚えておくことが重要です。
英語の代名詞のなかで基本となる3種類を解説します。
- 人称代名詞
- 所有代名詞
- 再帰代名詞
下の表を隅から隅まで丸暗記する必要はありません。
大切なのは正しく使い分けることです。
それではひとつずつ確認していきましょう。
人称
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人称代名詞 | 所有代名詞 「~のもの」 |
再帰代名詞 「~自身」 |
|||
主格 「~は/が」 |
所有格 「~の」 |
目的格 「~を/に」 |
||||
一人称 | 単数 | I | my | me | mine | myself |
複数 | we | our | us | ours | ourselves | |
二人称 | 単数 | you | your | you | yours | yourself |
複数 | you | your | you | yours | yourselves | |
三人称 | 単数 | he | his | him | his | himself |
she | her | her | hers | herself | ||
it | its | it | – | itself | ||
複数 | they | their | them | theirs | themselves |
人称代名詞とは?
人称代名詞とは、人やモノの代わりをする代名詞です。
「人称」は、「一人称」や「二人称」のことを指します。
一人称では「自分」、二人称では「自分と相手」、三人称では「自分と相手以外の人やモノ」が登場すると覚えておいてください。
人称代名詞は「格」によって語形が変化します。「格」とは、文中で名詞がどのような役割かを示したものです。
日本語に訳すと下記のようになります。
- 主格「~は/が」
- 所有格「~の」
- 目的格「~を/に」
主格
人称代名詞の主格は、文中で主語の役割をする名詞に代わる語です。
日本語では「~は/が」と訳されます。
Brian and Casey are the perfect couple, even though they fight sometimes.
They will get married next year.
訳)ブライアンとケイシーはときどきケンカもするけれど理想のカップルね。彼らは来年結婚するのよ。
結婚するのは誰でしょう?前の文の主語であるブライアンとケイシーを指しているので複数形の “they” を使います。
Noah is good at baseball. He has admired Shohei Otani.
訳)ノアは野球が得意で、大谷翔平選手に憧れているんだ。
大谷翔平選手に憧れているノアを指しているので “he” を使います。
所有格
人称代名詞の所有格は、文中で名詞を修飾して所有の意味を持つ語です。
必ず所有格+名詞のセットで使われ、日本語では「~の○○」と訳します。
You told me before that you like jazz music, what is your favorite song?
訳)以前ジャズミュージックが好きと言っていたけど、(あなたの)お気に入りの曲は何?
あなたのお気に入りの曲を尋ねているので “your” を使います。
My sister was living in a shared house with her friends in New York last year.
訳)妹は昨年、ニューヨークで友達とシェアハウスに住んでいたよ。
私の妹が妹の友達と住んでいたことを説明しています。それぞれ “my sister” “her friends” とするのが正解です。
目的格
文中で目的語の役割をする名詞に代わる語です。
日本語では「~を/に」と訳されます。
“on” や “to” などの前置詞とセットで使われることもあるので覚えておきましょう。
Mr. Frank is one of my respected teachers. I received a letter of encouragement from him the other day.
訳)フランク先生は、尊敬する先生の一人よ。先日、彼に激励の手紙をもらったわ。
Yesterday, while I was waiting for a taxi at the station, an elderly English lady started talking to me.
訳)昨日、駅でタクシーを待っていたら、年配のイギリス人女性に話しかけられたわ。
手紙を送った相手、話しかけた相手(目的語)が私なので “me” を使っています。
所有代名詞とは?
「わたしのもの」「あなたのもの」などと一語で所有を表すのが所有代名詞です。
名詞とセットで使われる人称代名詞の所有格とは違うので注意しましょう。
All the books here are mine.
訳)ここにある本はすべてわたしのものよ。
Of all the paintings displayed over there, yours is the best one!
訳)あそこに飾られている絵の中で、あなたのが一番上手ね!
例文では、 “mine” は “my books” を、 “yours” は “your painting” を意味しています。
再帰代名詞とは?
日本語で「~自身」を意味するのが再帰代名詞です。
人称代名詞の所有格や目的格の語尾に “self” や “selves” をつけて使います。
Oliver was mumbling to himself the whole time.
訳)オリバーはその間ずっと独り言をつぶやいていた。
Katy’s teammate told themselves before the game that she could do it.
訳)ケイティたちは試合前、やればできると言い聞かせていた。
どちらも自分自身に向けた行動なので再帰代名詞を使っています。
代名詞の覚え方のポイント
複雑でたくさんある代名詞を一度に覚えるのは大変です。
中学生のときに必死に「アイマイミーマイン」「ユーユアユーユアーズ」と暗唱していたという人も多いのではないでしょうか。
しかし、表にある単語をひたすら暗記しただけでは、代名詞はなかなか身につきません。
英語の代名詞を習得するポイントは、文章やフレーズを丸ごと覚えることです!
所有格なら “my bag” や “your shoes” 、目的格なら “give me” “talk to him” といったように名詞や前置詞と合わせた使い方をそのまま覚えてしまいましょう。
会話や文章の中で使われる言い方に慣れると、アウトプットもしやすくなります。
代名詞を使った頻出表現
会話の中でさらっと言えたらかっこいい、「私」の代名詞を使った頻出表現をまとめました。
例文を丸ごと覚えてどんどん使っていきましょう!
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まとめ
英語の代名詞と、正しく使い分けるために押さえておきたい覚え方のポイントを紹介しました。
教科書や授業を理解しただけでは、英文法を習得したとはいえません。自然に使いこなしてこそ意味があるものです。
英語の代名詞は種類も数も多く混乱しやすいため、名詞や前置詞とセットで例文ごと覚えることをおすすめします。
代名詞を正しく使って、スムーズでわかりやすい英会話を習得していきましょう!