「企業へアプローチする」や「彼からアプローチされた」など、「アプローチ」という言葉を使った表現をよく耳にします。
日常生活だけでなく、ビジネスシーンでも頻繁に使われている「アプローチ」は、英語に由来したカタカナ言葉です。
普段、何気なく見聞きしてはいるものの、英語本来の正しい意味や使い方まではよく知らないという人もいるのではないでしょうか?
今回は、身近なカタカナ言葉「アプローチ」について、英語の”approach”が持つ正しい意味と使い方、そして言い換え表現を解説していきます。
「アプローチ」の意味
「アプローチ」は、英語”approach”をカタカナで表記した言葉です。
”approach”には、「近づく」「取り掛かる」「接近」「出入口」などといった意味を表し、動詞と名詞の2つの用法があります。
辞書では以下のように定義されています。
- 近づくこと、接近
- 対象とするものに迫ること、またはその方法のこと
- 建物・施設への導入路
- 陸上やスキーのジャンプ競技で、スタートから踏み切りまでの間、またはその助走のこと
- ゴルフで、グリーン近くからの寄せ打ち
- 登山口、登山ルートの行程
参考:goo辞書
「アプローチ」は、特にビジネスシーンにおいて、相手に新しい提案を持ちかけたり、業務に取り掛かったりする際に用いられることが多いです。
他にも、好きな人に近づくために積極的にコミュニケーションをとったり、会話やメッセージなどでコンタクトをとったりすることは、恋愛での「アプローチ」に含まれます。
心理学の分野では、学問や研究対象に近づくこと、医療の分野においては、治療や患者さんとのコミュニケーションも「アプローチ」で表現します。
ビジネスシーンにおける「アプローチ」
ビジネスシーンでの「アプローチ」は、おもに顧客や取引先へ交渉を持ち掛けることを意味します。
また、トラブルや難しい課題に着手するという意味で使われる場合もあるの一緒に覚えておいてくださいね。
ビジネスで使われる「アプローチ」の概念
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「アプローチ」の使用例
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”approach”の意味
”approach”は、動詞として「物事に取り組む」「着手する」「近づく」、名詞として「方法」「手段」「経路」などという意味を持つ単語です。
辞書では以下のように定義されています。
- to come near or nearer to something or someone in space, time, quality, or amount
空間的、時間的、質的、量的に、何かや誰かに近づく、または近づく- to deal with something
何かに対処する- to speak to, write to, or visit someone in order to do something such as make a request or business agreement
依頼や取引上の合意など、何かをするために誰かに話したり、手紙を書いたり、訪問したりすること- a way of considering or doing something
何かを検討したり実行したりする方法- a route that leads to a place:
ある場所へと続く道
発音は、アメリカ英語とイギリス英語で少し違いがあるので、正しい発音記号と読み方を覚えておきましょう。
・アメリカ英語 /əˈproʊtʃ/ 「アプローゥチ」
・イギリス英語 /əˈprəʊtʃ/ 「アプロゥッチ」
”approach”は、フランス語の”approcher”に由来したラテン語の”appropio”(近づく)が語源といわれています。
”ad”(〜に向かって、〜の方へ)と”propius”(近くに)から構成され、現在の「取り掛かる」「接近する」の意味に変化してきました。
単語の意味を全て暗記するのが難しいときは、語源をさかのぼってみると理解が深まり覚えやくなるのでおすすめです。
”approach”を使った例文
”approach”を使った例文を紹介します。
用法によって異なる意味、解釈になるので注意しましょう。
動詞としての”approach”
訳)春は近づいているものの、まだ寒いです。
訳)彼はとうとう、昇給について上司に相談しました。
訳)窓から外を見ると、ちょうど列車が近づいてくるのが見えるでしょう。
訳)彼女はモデル事務所からアプローチを受けたものの、どこで働きたいかまだ決まっていません。
名詞としての”approach”
訳)昨今の子育てへのアプローチは、30年前とは大きく異なっています。
訳)わたしは、すでに二つの異なるアプローチを試しました。
訳)パイロットは、滑走路への進入速度を落とすよう指示を受けました。
訳)わたしの家への道はとても急な坂で、古い未舗装の道路です。
”approach”の言い換え表現
”approach”は、「近づく」「取り掛かる」に似た意味を持つ他の英語に言い換えも可能です。
”approach”の言い換え表現として適切なものを紹介します。
move toward
”move toward”は、「何かや誰かの方向に行く」という意味の英語です。
”move”が「動く」、”toward”が「〜の方へ」を表すので、比較的覚えやすい表現といえるでしょう。
訳)その車は、市の中心に向かって動き出しました。
reach
”reach”は、「手が届く」「到達する」を意味する会話で非常によく使われている単語です。
訳)上の棚にある本に手が届きません。
near
”near”は、「近い」や「近くに」など、直接的に近い場所や位置を意味する英語です。
距離や位置関係を表す場合に形容詞または前置詞として使われます。
訳)彼女はスーパーマーケットの近くに住んでいます。
access
”access”は、「手に入れること」「利用できること」を意味する英語です。
一般的に、物理的な到達を示すというよりは、情報や資源などに対して使われます。
訳)図書カードを持っていれば、いろいろな本を利用できます。
まとめ
カタカナ言葉「アプローチ」について、英語の”approach”が持つ正しい意味と使い方、そして言い換え表現を解説しました。
「アプローチ」は、英語”approach”をカタカナ表記した言葉です。
”approach”には、動詞と名詞2つの用法があり、文脈によってさまざまな意味を表します。
日本語としての「アプローチ」は、ビジネスシーンにおける出番が多いですが、”approach”は、日常会話でもよく登場するとてもベーシックな単語です。
今回紹介した例文を参考に、いろいろなシーンで対応できるよう使い方を習得しておきましょう。
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