英語の勉強をしていると”by all means”という言い回しを見かけることがありませんか?

”by all means”は慣用句的な使い方で「どうぞ」や「ぜひ」など、相手の問いかけや提案に勢いよく、前のめりに肯定する英語表現です。

そんな”by all means”の他に”by 〇〇 means”という表現がいくつかあり、意味もそれぞれ違うため混乱しやすい表現のひとつだと言えます。

そこでこの記事では、”by all means”の意味と使い方、そして混乱しやすい”by 〇〇 means”の意味もそれぞれ例文付きで紹介します。

この記事を読み終わる頃には、”by all means”と、混乱しやすい”by 〇〇 means”をそれぞれ英語を扱う外国人のように適切に使い分けられるようになっているのでぜひ最後まで読んでください。

by all meansはどんな意味?

by all meansはどんな意味?

“by all means”はズバリ、「どうぞ」や「ぜひ」「もちろんです」の意味で使われます。

相手の行動や提案に対して、強く賛成したり、許可を与える場面で使われる言葉ですね。

例えば、「ケーキの最後のひとつを食べていいですか?」という問いに対して、「もちろんです!ぜひどうぞ!(by all means!)、あなたが作ったケーキですから!」と返すような感じで、相手の言うことに積極的に賛同するニュアンスで使われます。

同じ「もちろん」の訳になる英語表現に”of course”がありますが、”of course”よりも”by all means”の方が前のめりな姿勢で肯定しているイメージですね。

【例文】

  • If you want to ask questions, by all means, don’t hesitate to ask.
    質問があれば、ぜひともご遠慮なく聞いてください。
  • You’re welcome to bring friends to the event, by all means.
    イベントには友達を連れてきてもらって構いませんよ、ぜひともどうぞ。
  • If you’d like a closer look at the product, by all means, have a look.
    もっと近くで製品をご覧になりたかったら、ぜひともご覧になってください。

by all meansに似た英語表現

“by all means”が「どうぞ」「ぜひ」「もちろん」を意味することを前項でお伝えしましたね。

その”by all means”には”by 〇〇 means”という形でよく似た表現もあって「ややこしい!」と感じることもあります。

本項ではそのややこしい”by 〇〇 means”の意味や使い方を紹介します。

by no means

”by 〇〇 means”の形のひとつに”by no means”が挙げられます。

上述した”by all means”と似た形をしているのでややこしいですよね。

”by no means”は「決して〜ない」という意味で、neverと似た使い方だと言えます。

“by no means”の”means”には「〜を意味する」を表現する動詞の”mean”から、「それは決して(no)〜を意味(mean)していないよ」といった感じで、単語一つ一つの意味から「決して〜ない」を連想すると混乱を防ぎやすいですよ。

【例文】

  • This project is by no means finished; we still have a lot of work left.
    このプロジェクトは決して終わっていません。まだたくさん仕事が残っています。
  • He is by no means qualified for the job, despite his impressive resume.
    彼の経歴は立派ですが、この職種には決して適任とは言えませんね。
  • By no means can we ignore the impact of climate change on future generations.
    気候変動が将来世代に与える影響は、決して無視することはできません。

by any means

”by 〇〇 means”の形のひとつに”by any means”も挙げられます。

”by any means”は「どうにかして」や「なんとしても」という意味で使われます。

上述した”by all means”とも”by no means”とも違う意味ですね。

”by any means”の”means”には「手段」や「方法」の意味があるので、”any”が意味する「あらゆる」のニュアンスとマッチして「どうにかして」や「なんとしても」といった、「手段を問わないくらい切実なニュアンス」に結びつくわけですね。

【例文】

  • By any means, ensure the package arrives on time for the client’s event.
    どうにかして(どんな手段をもってしても)、その荷物をクライアントのイベントに間に合うよう届けてください。
  • We need to finish this project by any means necessary, no matter the obstacles.
    このプロジェクトはなんとしても、どんな障害があっても終わらせる必要があります。
  • By any means possible, we must prevent this issue from recurring in the future.
    どうにかして、この問題が将来再発しないよう防がなければなりません。

”by all means”の言い換え表現

”by all means”の言い換え表現

“by all means”は「どうぞ」や「ぜひ」「もちろん」といった意味で使われるとお伝えしましたね。

そんな”by all means”には以下のような言い換え表現があります。

certainly

certainlyは「もちろんです」といった、相手に対する同意や許可を意味する英語表現です。

相手に対して積極的な同意や賛同を表す”by all means”と同じ意味で使われるわけですね。

certainlyとby all meansを比べると、certainlyの方がby all meansよりも少しフォーマルな表現だと言えます。

またby all meansの方がcertainlyよりも積極的な同意や許可を意味しているイメージですね。

Aさん
Could I bring a friend to the event?
訳)イベントに友人を連れて行ってもいいですか?
Bさん
Certainly, you’re welcome to bring anyone.
訳)もちろん、どなたでも連れてきてください。

absolutely

”abusolutely”も「もちろんです」などの強い同意や許可を表現できます。

”abusolutely”はもともと「絶対的に」の意味を持っているので、相手の問いかけや提案に対して「絶対の肯定」を表現するイメージをするとわかりやすいですね。

”abusolutely”は”by all means”よりも少しだけカジュアルな場面で好まれる表現です。

Aさん
Could you join us for dinner tonight?
訳)今夜の夕食に参加してくれますか?
Bさん
Absolutely, I’d be glad to join.
訳)もちろん、ぜひ行きたいです。

of course

”of course”も同意や許可を意味する「もちろん」を言い表せますね。

”of course”は”by all means”や”abusolutely”と比べて、前のめりになった印象の肯定ではありませんが、それでも相手に対して「全面的な肯定」を表現できます。

また”of course”は基本的な表現なので、カジュアルな場面でもオフィシャルな場面でも自然に使えて使い勝手が良いのも特徴ですね。

Aさん
Would you mind helping me move these boxes?
訳)この箱を運ぶのを手伝ってくれますか?
Bさん
Of course, I’ll give you a hand.
訳)もちろん、お手伝いしますよ。

まとめ

この記事では、”by all means”の意味と使い方、そして混乱しやすい”by 〇〇 means”の意味もそれぞれ例文付きで紹介しました。

ここまでお読みのあなたは、混乱しやすい”by all means”の意味も”by 〇〇 means”の意味も、英語を扱う外国人のように適切に使い分けられるだけの知識が身についているでしょう。

この記事でお伝えした内容が、あなたの英語の表現力をより豊かにできれば幸いです。

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