今回のテーマは「~のような」です。

「~ような」を表す代表的表現である “like” と “such as” について、その共通点と違いを詳しく確認していきます。

これを読めば、英語でも的確に「~ような」を使い分けることができるようになるはずです。

それでは、早速始めていきましょう!

「~のような」は英語で何て言う?

「~のような」は英語で何て言う?

「~のような」は英語で “like”、あるいは “such as” と言います。

これら2つの表現はほとんど同じ意味だと思われていますが、実は大きな違いがあります。ここでは、その違いも含めて詳しく確認していきましょう。

「~のような」①:like

「~のような」という意味で特に有名なのが “like” です。カジュアルな表現なので、主に話し言葉(口語)で使われます。

like の使い方として一番多いのは、”A like B(AはBのようだ)” と名詞を説明する形です。

Aさん
My father is like a gorilla.
訳)私の父はゴリラのようです。
Bさん
He must be strong…
訳)絶対強いじゃん…。

 

「~が好き」の like との関係性

like というと「~が好き」という動詞の意味も有名ですね。今では全然関係ない意味になってしまっていますが、like はもともと「対象にピッタリ合う(ふさわしい)」といった意味だったため、「好みにピッタリ合う⇒~が好き」、「特徴などがピッタリ合う⇒~のような」といったように意味が分化していったと言われています。

とはいえ、これはあくまで諸説あるうちの1つ。そもそも全然関係ない他人の空似という説もあり、いずれにしろ今では遠縁の親戚並に関係が薄くなってしまっているので、「~のような」の like は「~が好き」の like とは別物として捉えておくのが賢明です。

「~のような」②:such as

もう1つ「~のような」を表すのが “such as” です。こちらは like より少しフォーマルな表現なので、書き言葉(文語)としても使うことができます。

like と同様、”A such as B.(AはBのようだ)” と名詞を説明する際に使われます。

Aさん
I want to work for a big company such as SONY.
訳)ソニーのような大企業で働きたいです。

like と such as は何が違う?

like は物事を似たものにたとえている、つまり比喩です。その一方、such as は物事のたとえ(具体例)を挙げている、つまり例示です。もう少し詳しく説明してきましょう。

まず、以下の例文を見てください。

Aさん
My sister is like a boy.
訳)私の妹は少年のようです。

この文において、妹は少年にたとえられていますが、それは裏を返せば「妹≠少年」だということです。たとえるというのは、ものごとを似ているものに見立てることであり、それらが違うことが前提になっています。「リンゴのようなほっぺ」と言って、誰もほっぺがリンゴだとは勘違いしないですよね。

続いて、以下の例文を見てください。

Aさん
I want to read an interesting book such as “Sanshiro”.
訳)『三四郎』のような面白い本が読みたい。

この文において、『三四郎』は面白い本の一例として挙げられています。そのため、「面白い本=三四郎」という構図が成り立ちます。このように、例示というのは条件を満たすものを示すことであって、それらが等しい(同じ)であることが前提になっています。「リンゴは果物の例」と言えば、リンゴと果物が等しいことは明らかですよね。

つまり、like と such as の違いは以下のようにまとめられます。

  • A like B ⇒ AをBにたとえている ⇒ A≠B
  • A such as B ⇒ Aの具体例としてBを挙げている ⇒ A=B

このことを踏まえると、以下の例文の意味の違いがわかるはずです。

Aさん
I like a mountain like Mt. Fuji.
訳)私は富士山のような山が好きです。
Aさん
I like a mountain such as Mt. Fuji.
訳)私は富士山のような山が好きです。

前者(like)の場合は、好きなのはあくまで「富士山に似ている山」であって、富士山が好きなわけではありません。もしかしたら全国にある富士山に似た山、いわゆる「偽富士」マニアである可能性もあります。反対に、後者(such as)の場合は、好きな山の具体例として富士山が挙げられているので、富士山が好きなことは確定します。

とはいえ、実際の会話ではここまで厳密に住み分けをしているわけではありません。多くの場合、like ≒ such as と捉えてしまって問題はないでしょう。

しかし、次に挙げる例文でわかるように、like はOKな一方 such as はNGというケースも多くあるので、イメージの違いはぜひ理解しておいてください。

Aさん
My father is such as a gorilla.
訳)私の父は具体的に言うとゴリラです。
Bさん
Oh my god.
訳)なんてこったい。

 

such as の仲間「たとえば」シリーズを確認

such as の仲間「たとえば」シリーズを確認

ここからは、具体例を示す such as の仲間を確認していきましょう。どちらの表現も「たとえば」と訳されますが、そのイメージは若干異なっています。

たとえば①:for example

「たとえば」という意味で最も有名なのは “for example” です。聞き馴染みの強い方が多いとは思いますが、念のため読み方は「フォー イグザンプル」となります。

for example は一般的な例から個々の事例まで、あらゆる例を挙げる際に広く使える万能選手です。そのため、話し言葉でも書き言葉でも、幅広いシチュエーションで使うことができます。

Aさん
I like vegetables. For example, asparagus.
訳)私は野菜が好きです。たとえば、アスパラガスとか。

ちなみに、for example の同意表現 “e.g.” もよく使われます。これはラテン語の “exempli gratia(イグゼンプリ グラティア)” の短縮表現です。example の短縮である “e.x.” という表現も存在しますが、こちらは “ex-(前の / 元の)” と綴りが紛らわしいため、あまり使われません。

たとえば②:for instance

“for instance” は、具体例の中でも実際にあった実例を挙げることに特化したものです。そのため、for example に比べて信用度が高く、よりフォーマルな表現になっています。カジュアルな会話で使われることは少ないです。

ちなみに、読み方は「フォー インスタンス」です。

Aさん
For instance, the temperature of this summer is higher than usual.
訳)実例として、今年の夏の気温は例年よりも上がっています。

まとめ

今回は、「~のような」を表す like と such as の違いについて深掘りしていきました。

like は「たとえ」であり、such as は「例示」です。そのため、like はほとんどの場面で使うことができますが、such as は使える場面と使えない場面が明確に分かれています。

今回ご紹介したことを参考に、like と such as を的確に使い分けていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!