非日常の象徴、遊園地。その遊園地を更に象徴するのが「観覧車」という存在です。

電車や自動車の車窓から大きな観覧車が見えてくると、それだけでワクワクした気持ちになりますね。

ということで、今回のメインテーマは「観覧車」です。英語で観覧車を何と言うか、そして世界の有名な観覧車について確認していきましょう。

また、観覧車以外の遊園地にある有名な乗り物についても、英語で何と言うか紹介しています。意外と日本での呼び方と違うものが多いので、いくつ知っていたか、ぜひチャレンジしてみてください。

それでは、早速始めていきましょう!

「観覧車」は英語で何て言う?

観覧車は英語で “Ferris wheel” と言います。

wheel の発音記号は「wíːl(wíːl)」で、合わせて「フェリスウィール」と発音します。日本人は wheel を「ホイール」と言ってしまいがちなので気を付けましょう。

直訳すると、「フェリスさんの車輪」、Ferris というのは考案者の名前からとられているので、常に大文字です。実際の人の名前が由来だとはいえ、「フェリス」という語感は観覧車のファンシーなイメージとぴったりですね。

他に “big wheel” という呼び方もありますが、Ferris wheel の方がより一般的なようです。

観覧車っていつからあるの?

観覧車の原型は、18世紀初頭にモスクワで生まれたと言われています。しかし、その構造は車輪に巻き付けてあるロープを人力で引っ張るという原始的なもので、現在の観覧車とは外見的にはまったく似ていません。

現在の観覧車に連なる機械式の観覧車が生まれたのは、19世紀のアメリカ。1893年にシカゴ万国博覧会のアトラクションとして、George Washington Gale Ferris, Jr.(ジョージ・ワシントン・ゲイル・フェリス・ジュニア)さんによって開発されました。この人の名前が Ferris wheel として残っているんですね。

フェリスさんによって作られた初代観覧車は、直径75.5m。1989年に建造され、横浜のランドマークとしても有名な「コスモクロック」が直径107.5mなので、約100年のギャップを考えると、当時としては相当大きな建造物だったことがわかります。

世界の観覧車

世界の観覧車

初代 Ferris wheel 以来、世界中でさまざまな観覧車が作られ、現在では世界中に数百台存在しています。

そこで、ここからは特に有名な Ferris wheel をいくつか抜粋してご紹介していきます。大きさで有名なものもあれば、100年以上の歴史があったり、ゴンドラが一風変わっていたりなど、その特徴もさまざまです。

Aさん
I wanna get on Ferris wheels all over the world!
訳)世界中の観覧車に乗りたい!

リーゼンラート|Riesenrad(オーストラリア)

オーストラリアのウィーンにあるリーゼンラートは、1920年に建設された現存する世界最古の観覧車。ちなみにリーゼンラート(Riesenrad)という単語はドイツ語で「大観覧車」という意味です。高さは64.8m。

19世紀終わりから20世紀初めの時期は、初代 Ferris wheel に追いつき追い越せとたくさんの観覧車が建設されましたが、ほとんどが数年~数十年で解体されてしまいました。そんな中、リーゼンラートは2020年で建設から100周年!もはや文化遺産レベルの貴重な存在ですね。

ロンドン・アイ|London Eye(イギリス)

2000年から営業しているロンドン・アイは、高さ135mを誇る大観覧車です。ロンドンの新たな観光名所として広く知られています。

開業当時こそ「世界最大」という触れ込みでしたが、どの分野においても競争は付き物。6年後には中国の南昌之星(なんしょうのほし)という観覧車(高さ160m)に首位の座を奪われました。そんな南昌之星も現在では世界第4位、世知辛い世の中です。

シンガポール・フライヤー|Singapore Flyer(シンガポール)

マーライオンに次ぐ、シンガポールのシンボル的存在であるシンガポール・フライヤーは2008年に開業。全高165mを誇るアジア最大の観覧車です。

先述のロンドン・アイ、南昌之星を抜いて、一時は世界最大の座に収まりましたが、2014年にアメリカの「ハイ・ローラー(High Roller)」(全高168m)に首位を明け渡しました。

世界順位はさておいて、シンガポール・フライヤーはデザイン・設計を日本の企業が手掛けていて、日本人にとっても馴染み深い存在の観覧車。眺めも絶景ということなので、シンガポールに行く機会があったらぜひ乗ってみたいものですね。

ドバイ・アイ|Dubai Eye(ドバイ)

初代 Ferris wheel 以来、抜きつ抜かれつの群雄割拠、長きに渡って覇権争いが続いてきた観覧車業界ですが、とうとうそれに終止符が打たれたかもしれません。

2021年ドバイに建造されたドバイ・アイは、なんと全長250m!現在2位のハイ・ローラー(アメリカ)が168mなので、桁外れな大きさです。2022年現在まごうことなき「世界一大きい観覧車」であり、今後もしばらく抜かれることは無さそうです。

ドバイは「世界一」という箔付けが大好きなようで、「世界一高いビル」「世界一大きい額縁」「世界一深いプール」など、たくさんの世界一が存在します。

オオサカホイール|OSAKA WHEEL(日本)

超ド級サイズの観覧車ばかりで頭がクラクラしてくるので、視点を我らが日本に戻しましょう。現在日本最大のサイズを誇るのは、2016年に開業し、大阪エキスポシティのランドマークとなっているオオサカホイール。その全高は123mです。観覧車としては世界で初めて免震構造を採用、こういう心配りが日本人らしくて良いですね。

そんなオオサカホイール、大きさもさることながら、その最大の特徴は「全面シースルー」だということ。足元も透明なので、私のような高所恐怖症の人は要注意です(スイッチで曇りガラスに変更可能)。

観覧車以外の遊園地の乗り物は英語で何て言う?

観覧車以外の遊園地の乗り物は英語で何て言う?

観覧車といえば遊園地。ということで、ここでは遊園地と、そこにある他の乗り物を英語で何と言うかを確認していきましょう。

そもそも、遊園地は英語で何て言う?

遊園地は英語で “amusement park”、または”theme park” と呼びます。それぞれ読み方は「アミューズメントパーク」「スィームパーク」です。theme は日本語では「テーマ」と読みますが、本来は「スィーム」が正しいので注意しましょう。

イメージとしては、 amusement park は主に子どもが楽しむことを目的とした遊園地で、比較的小規模なものも含まれます。一方、theme park はテーマをもって空間づくりをした総合施設で、大人から子どもまで広く親しまれる存在。日本で言うテーマパークとほとんど同じイメージです。

アトラクション全般

遊園地のアトラクションは、英語でもそのまま “attraction”、または “ride” と呼ばれます。

attraction は楽しむことに重きを置いていて、本来はシアター型なども含めて広く指し示す一方、ride は乗り込むタイプの乗り物を指します。しかし、日本でも遊園地にあるものは一括して「乗り物」と表現するように、英語でも全てひっくるめて ride と呼ぶことが多いようです。

メリーゴーラウンド

メリーゴーラウンドはそのまま “merry-go-round”、もしくは “carousel(カルーセル)” と呼びます。

merry は “Merry Christmas!(楽しいクリスマスを!)” にも使われる通り「楽しい」という意味なので、merry-go-round は直訳すると「楽しくグルグル回る」という意味です。そのままですね。

carousel はもともとフランス語に由来する言葉。クルクル回る機械全般を指すので、空港などで使われる回転コンベアも carousel と呼ばれます。

ちなみに、日本では「メリーゴーランド」と呼ばれることもありますが、これは「〇〇ランド」の land とごっちゃになったが故に生まれた表現だと思われます。英語に忠実に表すなら「メリーゴーラウンド」の方が適切です。

Aさん
I would often ride on a merry-go-round in my childhood.
訳)子どもの頃はよくメリーゴーラウンドに乗っていました。

 

ジェットコースター

ジェットコースターは “roller coaster(ローラーコースター)” と呼びます。

ジェットコースターの構造を思い浮かべてみてください。ほとんどの場合、走るためのレールが敷かれていて、ローラー(roller)が付いたコースター(coaster)に乗ってその上を進みますよね。つまり、英語の roller coaster はあるがままの様子を示した、理にかなった名称なんです。

ちなみに、jet は「噴射、射出」といった意味。ジェット機のように燃料が噴射されるジェットコースターには乗りたくないですね…。

Aさん
I love to ride on a “jet coaster”.
訳)「ジェットコースター」めっちゃ好き。
Bさん
What’s that? It sounds scaring…
訳)「何それ怖い…」

 

コーヒーカップ

くるくる回るアトラクションとして有名なコーヒーカップ、英語では “teacups(ティーカップス)” と呼びます。複数が同時に動くので複数形のsが付きます。

いやはや、英語ではコーヒーじゃないんですね…。あの乗り物を coffee cup と呼ぶのは日本くらいなようです。一体どうしてこうなったのか。

Aさん
I always feel sick when I ride in teacups.
訳)コーヒーカップに乗るといつも気分が悪くなります。

 

お化け屋敷

お化け屋敷は “haunted house” と呼びます。

haunt はもともと「よく行く」という意味の動詞ですが、そこから「幽霊がよく行く(出没する)」という意味に派生しました。まるで幽霊サイドの意見が採用されたかのようです。

ちなみに、「幽霊が出る」という意味合いでは、このように受身形の haunted が使われることが一般的です。

Aさん
The haunted house is actually haunted…
訳)あのお化け屋敷、本当に出るらしいよ…。
Bさん
For real?
訳)マジ?
 

まとめ

今回は、観覧車をメインテーマとして、遊園地のさまざまな乗り物についても確認していきました。

遊園地の乗り物の名前は「そういうもの」というかたちで特に考えず使ってしまいがちなので、いざ英語で言って通じないと焦ってしまいますね。

今回ご紹介したことを参考に、英語でも楽しい遊園地ライフを送りましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!