英語は世界中の国々で話されている以上、地域によって訛りがあります。
中でも特徴的な訛りを持つ国の一つがインドです。
我々日本人は英語学習の際に、アメリカ英語やイギリス英語をお手本にしていると思います。
そのため、いざ英語を使おうにも、相手がインド人だとまず聞き取れないという人も多いのではないでしょうか。
自分の英語力に対する自信まで無くしてしまうかもしれません。
でも、インド英語の特徴的な発音や表現を知っておくとだいぶ楽になりますよ。
ビジネスなどでのインド人との交流の機会は益々増えていますよね。
この記事では、スムーズなコミュニケーションに繋がる様、インド英語のポイントをご紹介します。
インドの公用語は?英語は通じる?
インドは多言語国家です。
公用語は「ヒンディー語」で、首都デリーを含む北インドで主に話されています。
10億人強いる人口のうち、約4億人がヒンディー語を公用語とするといわれています。
ヒンディー語は、中国語,英語に次いで世界で3番目に多く話されいるのだそう。
それでいて、英語も補助公用語として広く使われています。
大学や職場では、英語が使われることが多い様ですよ。
その他の言語は主要なものだけでも、ヒンディー語以外に14言語あります。
そして公用語でないものや方言を数えると、全ての言語数は約600にも及ぶというので桁外れです。
ところで、ヒンディー語を母国語とするインド人が話す英語は、世界で何と呼ばれているかご存知ですか。
「ヒングリッシュ」です。
名前がつくほど、特徴的だということですよね。
その特徴については次項からご紹介していきます。
ちなみに、日本語英語にも「ジャパングリッシュ」という呼び名が付けられていますね。
ところで、各国の英語訛りの物真似をしているコメディアンが結構いますが見たことはありますでしょうか。
例えば、”MadShadz”という方は各国の訛りの特徴を非常によく捉えているのでおススメです。
面白いだけでなく、アメリカ英語やイギリス英語も含め、世界の英語の訛りを実感するのに参考になりますよ。
インド英語の特徴5つ
それでは、インド英語の5つの特徴をご紹介します。
文字は綴り通りに読む
英単語のスペルには、発音をしない「サイレントレター」が含まれているものがありますよね。
たとえば、“know”(知っている)や“knife”(ナイフ)の「k」、“muscle”(筋肉)の「c」などがサイレントレターです。
これらは表記されるものの、発音はしないのが一般的です。
ところが、インドでは英単語をそのまま綴り通りに読みます。そのため、サイレントレターもそのまま発音するのです。
「インド英語は、文字通り見たまま発音する」と頭に刷り込みましょう。
<例>
- Bomb(爆弾) 【ボンブ】
- Climb(登る)
- Receipt(領収証) 【レシプト】
- Wednesday(水曜日) 【ウェドネスデイ】
とっても面白いですよね。
我々日本人の「R」や「V」の発音もなかなか可笑しいと言われるので、お互い様ですね。
「th」はタ行で発音
次にインド英語の特徴として挙げられるのは、「th」の発音。
我々日本人にもトリッキーな発音で、ひらがなでは表記できないですよね。
本来は上の前歯と下の前歯から少し舌を突き出すのですが、インド人は日本語でいう所のタ行で発音します。
逆に日本人からすると、ひらがなで表記できるので分かり易いという見方もあるかもしれません。
でも実際に聞くと違和感を覚えるはずですよ。
<例>
- Thank you. (ありがとう) 【タンキュウ】
- Think (考える) 【ティンク】
- That (あの) 【ダット】
- Theirs (彼らの)【デアーズ】
- Thirsty(喉が渇いた)【タースティ】
3.「r」もバッチリ発音
「r」の音は、世界中の地域によって舌の巻き度合いに差がでるところです。
インドでは「r」は、舌を強く巻き気味で、単語のどこにあってもキッチリ発音します。
一般英語では弱め、もしくは発音していない様に聞こえることがあります。
そのため、上述の「サイレントレター」の現象に近いかもしれません。
<例>
- Water(水) 【ウォータル】
- Air(空気) 【エアル】
- Park(公園) 【パルク】
- Paper(紙) 【ペーパル】
- Super market(スーパー) 【スーパル・マルケット】
4. 「w」は【v】,「f」は【b】?!
インド英語では、“w”を【v】、“f”を【b】??の音で発音することがあります。
強い訛りがある場合?
<例>
- Water(水) 【ウォータル
- Wet(ぬれている) 【ヴェット】
- Winter (冬)【ヴィンター】
- Foot(足) 【ブット】
- Fire(火)【バイヤー】
日本語には「v」や「f」の音がないので、一層混乱するところです。
会話の際には、文脈を捉えて、何のことを言っているのか想像力を働かせることが必要かもしれませんね。
インド英語の表記
インド英語では、what→wot、we→v、th→dなど、独特の書き言葉を使います。
we→vは、私のパキスタンの友人も良くやっているのでエリア的な慣習かもしれませんね。
SNSなどの書き込みで、こういう書き方を見たときなんかは書き手の国籍が想像されます。
<例>
- What’s that?→wots dat
インド英語の独特フレーズ
インド英語は発音が特徴的なだけでなく、表現の仕方にもユニークなものが沢山あります。
面白いヒングリッシュフレーズを10個ご紹介します。
ヒングリッシュの魅力にハマってしまうかも。
- Close the gate
ゲートではなく、普通のドアのことを指しています。
“Close the gate!”と言われても焦らずに。 - Do one thing
誰かに何かをお願いするときの言い出し。
何かすごいことを言われている様ですが、ただの前置き位に捉えて良い様ですよ。 - Good name
ただの「名前」の意味。
“What’s your good name?”という風に使われます。普通に自分の名前を名乗ればOK。 - Uncle/Auntie
親戚ではなくても、「おじさん」「おばさん」は皆こう呼びます。
大人が別の大人を指して、小さい子供に向かって「このおじさんはね」という具合にも使われます。 - Out of Station
誰かが遠出しているとき。
“He’s out of station today”といえば、「彼は今日出かけてるんだ」くらいの意味。一般英語では”out of town”ですね。 - Village
人口100万人超えでも、帰省先は「村」と呼ぶそうです。 - Expired
誰かが亡くなったときの表現。一般英語では、賞味期限が切れる、の意味になってしまいます。 - Pass out
学校を卒業すること。一般英語では、失神することを指すので、すごい誤解が生まれそうですね。 - Eating your head
面倒な質問攻めをすること。”stop eating my head!”と言えば、「質問攻め、もうよしてくれ!」といったところ。 - Mention not
「ありがとう」に対する返事。「ありがとうを言う必要はない」という意味合いでしょうが、一般英語では言わない表現です。
個人的には、”Do one thing” と” Mention not”がドラマチックでいいなと思っています。
皆さんもお気に入りの表現を見つけてみて下さいね。
まとめ
インド英語の特徴的な発音や、独特な表現をご紹介しました。
多くの人が英語を流暢に話すからこそ、インドならではの英語が形成されているのでしょう。
インド英語のフレーズには、文化も反映されていて面白いですよね。
同じアジア圏でも、圧倒的に英語の浸透度が高いインド。
インド人相手の英会話のチャンスも多いことと思います。
その特徴を理解して、「ヒングリッシュ」を相手とした英会話にも積極的にトライしてみて下さいね。