「英語で何て言う?」コーナー、今回は「dish」「plate」「saucer」についてです。
「dish」は「お皿」などの意味で使われていますが、同じ「お皿」を意味する「plate」や「saucer」という単語もあります。
それぞれの言葉は、どのように違うのでしょうか。今日は、「dish」「plate」「saucer」について解説します。

「dish」「plate」「saucer」の基本的な意味について

まずは、それぞれの単語の意味を確認しましょう。

「dish」について

「dish」は「お皿、盛り皿」です。また、複数形の「the dishes」は「食器類」という意味です。一般的に、テーブルまで料理を入れて運ぶ深い皿のことをさします。

Aさん
Be careful not to touch the dish. It’s very hot.
訳)お皿が熱いから、さわらないように気をつけてください。

Aさん
We use these dishes only on special occasions.
訳)この食器は特別なときにだけ使います。


また、よく使う表現として「do the dishes」という言い方があります。「食器を洗う」という意味です。

Aさん
I’ll do[wash]the dishes.
訳)食器は僕が洗います。

Aさん
Could you do the dishes?
訳)食器を洗ってくれますか?


また、「dish」には「(1皿の)料理」という意味もあります。

Aさん
The main dish was chicken.
訳)メインディッシュはチキンでした。

Aさん
Pasta is my favorite dish.
訳)私はパスタ料理が大好きです。

「plate」について

「plate」も「お皿」ですが、平たい丸型のものをさします。「dish」からとって、テーブルで各人が食べるのに用いる「とり皿」というイメージです。
いずれも、下のように平たいお皿のときに使われます。「プレート」はカタカナ語でもよく使われるので、馴染みのある単語です。

Aさん
There’s some pizza left on the plate.
訳)お皿にピザが残っています。

Aさん
She wrapped the plates in newspaper.
訳)彼女は新聞でお皿を包みました。

Aさん
This plate is worth 100.000 yen.
訳)この皿は10万円の価値があります。


また、「1皿分(の料理)」という意味もあり、「two plates of stew(シチュー2皿)」などのように使います。
さらに、「(金属やガラスなどの)板、表札」という意味や、「(野球の)プレート、本塁」という意味でも使われます。

「saucer」について

「saucer」は、「(コーヒーカップの)受け皿」や「受け皿状のもの」をさします。

Aさん
The cat was licking milk from the saucer.
訳)そのネコは皿の中のミルクをなめていました。


「dish」「plate」「saucer」の違いをまとめました。

  • 「dish」は、テーブルまで料理を入れて運ぶ深い皿
  • 「plate」は、テーブルで各人が食べるのに用いる平たい丸型の皿
  • 「saucer」は、コーヒーカップの受け皿

「dish」の語源は、「disc」と同じくギリシャ語の「円盤」を意味する言葉だといわれています。「plate」の語源もギリシャ語で、「平らな」という意味の言葉とされています。
「saucer」の語源は、古いフランス語で「ソース入れ」という単語のようです。その3つがすべて、食卓で使われる単語になったのは面白いですね。

「dish」を使った基本表現について

それでは、日常生活で使えそうな「dish」を用いた英語文をご紹介します。

Aさん
My sister does the dishes after dinner.
訳)妹が夕食後の食器洗いをします。

Aさん
She dried the dishes.
訳)彼女は食器をふきました。

Aさん
It’s my turn(job) to wash the dishes.
訳)皿洗いは僕の役目です。

Aさん
He helped with the dishes after dinner.
訳)彼は夕食後の食器洗いを手伝いました。

Aさん
Put those dishes on the table.
訳)そのお皿はテーブルの上に置いてください。

Aさん
Please take the dishes away.
訳)お皿を下げてください。

Aさん
The dishes crashed to the floor.
The dishes fell to the floor with a crash.
訳)お皿がガシャンと床に落ちて割れました。

Aさん
Will you clear away the dishes?
訳)(テーブルから汚れた)お皿を片付けてくれますか?

Aさん
It was a heavy dish.
訳)お腹にもたれる料理でした。

Aさん
What’s your favorite dish?
訳)どんなおかずがいちばん好きですか?

Aさん
This dish tastes bad(is lousy.).
訳)このおかずは、まずいです。

Aさん
This dish keep well in the fridge for several days.
訳)このおかずは、冷蔵庫に入れておけば数日持ちます。


日本語訳で「おかず」としましたが、英・米には「主食」と「おかず」という区別はありません。しいていえば、「おかず」は「a side dish」です。「おかず=料理」と考え、「dish」を使って大丈夫です。
また、カタカナ語で「メニュー」というと、料理そのものをさすことがありますが、英語の「menu」は「献立表」の意味なので、個々の料理を指すときは「dish」や「item」を使います。
Aさん
Have you tried the new menu at the cafe?
Have you tried the new dish[item]on the menu at the cafe?
訳)あのカフェの新メニューはもう食べましたか?

これは、日本人によくある間違いなので覚えておいてくださいね。

「dish」を使った英語文:日本料理の紹介

さて、外国の方に日本の料理について話をしようと思ったら、この「dish」を使うと良いです。 いくつか例文をご紹介しましょう。

各地の地元グルメ

Aさん
Sendai is famous for its grilled beef tongue dish.
The dish is called gyutan.
訳)仙台は網焼きされた牛の舌の料理で有名で、その料理は牛タンと呼ばれています。

Aさん
Miso-katsu is a specialty of Aichi Prefecture.
It is a pork cutlet with miso-based sauce.
Aichi Prefecture has several other famous miso dishes.
訳)みそカツは愛知県の名物の一つです。
とんカツにみそダレをかけたものです。
愛知県には有名なみそ料理が他にもいくつかあります。

Aさん
Chanpon is a kind of noodle dishes.
It was invented by the owner of a Chinese restaurant in Nagasaki.
訳)ちゃんぽんはめん類の一種です。
長崎にある中国料理店の店主によって考案されました。

和食

Aさん
Special dishes for the New Year
訳)おせち料理

Aさん
Rice and miso soup are the staples.
Such side dishes as fish or shellfish, meat, seaweed, and vegetables, or tofu are also served.
訳)ご飯とみそ汁が基本です。
魚介類や肉、海藻、野菜、豆腐などを使ったおかずも食べます。

Aさん
Kaiseki (a simple tea-ceremony dish served before tea), and shojin (vegetable dishes (no meat) ) are also traditional Japanese dishes.
訳)日本の伝統的な料理には、懐石(茶の湯で、茶の前に出す軽い食事)、精進料理(肉類を使わず、植物性食品だけを使った料理)などがあります。

まとめ

本日覚えておいていただきたいのは、

  • 「dish」 テーブルまで料理を入れて運ぶ深い皿
  • 「plate」 テーブルで各人が食べるのに用いる平たい丸型の皿
  • 「saucer」 コーヒーカップの受け皿

のほか、

  • 「do the dishes」食器を洗う
  • 英語の「menu」は「献立表」。個々の料理をさすときは「dish (item) 」を使う

です。

今回はご紹介できませんでしたが、口語で使われる動詞の「dish」もあるので、ぜひ一度調べてみてくださいね。意外な意味がありますよ。
参照:アンカー 大人のための英語学習辞典 2016年12年20日初版第1刷発行 (株式会社学研プラス)