「憧れの人」や「憧れの場所」、「憧れの職業」のように、日本語の「憧れる」は、人や物事、場所などいろいろなものに使われます。

しかし、英語で「憧れる」を表す言葉はひとつではありません。同じ「憧れる」でも、「海外生活に憧れる」と「スポーツ選手に憧れる」では、表現は異なります。

今回は、日本人が間違いがちな「憧れる」を意味するさまざまな英語表現を紹介します。

 

欲求に近い「憧れる」の英語

欲求に近い「憧れる」の英語

「(将来)〜をしたい」や「(昔から)〜をしたかった」という欲求を表現するときに使う英語を紹介します。 ”want to” に言い換えることも可能です。

切望や熱望を意味する ”long for ~” と ”yearn for~”

”long for〜” は、「〜したい」という強い気持ちを表現するときに使える英語です。日本語では、「〜を切望(熱望)する」と訳されます。

Aさん
I long for living in Tokyo.
訳)東京の生活に憧れるわ。

Aさん
Emily is longing for working abroad.
訳)エミリーは海外で働くことに憧れている。

”longs to be〜” で「〜になりたい」といった意味でも使われます。

Aさん
My son longs to be a vet.
訳)私の息子は獣医に憧れている。

”yearn for ~” は、”long for” に比べると少しフォーマルな言い方です。
「〜を懐かしむ」、「〜が恋しい」などと訳されます。

Aさん
John yearned for his dead mother.
訳)ジョンは亡くなったお母さんに憧れていた。

Aさん
Cassie yearns for love.
訳)キャシーは恋に憧れを持っているのよ。

 

日常会話でよく使う ”I’ve always wanted to~”

”I’ve always wanted to〜” は、物事や場所に対して「憧れる」場合に最適な表現です。
日常会話でも広く使われ、やりたかったことや行きたかった場所などを伝えるときに役立ちます。

Aさん
I’ve always wanted to live abroad.
訳)海外生活に憧れるわ。

Aさん
I’ve always wanted to speak English fluently.
訳)流暢な英語を話せることに憧れる。

Aさん
My sister always wanted to get married.
訳)妹は結婚に憧れを持っている。

 

実現できていない ”I wish I could ~”

”I wish I could ~” は、「〜したいけど実際は出来ていない」、「〜できなかったが憧れている」という場合に使える英語表現です。

Aさん
I wish I could speak English and Chinese.
訳)英語と中国語を話せることに憧れるなあ。

Aさん
Kai wishes he could enter Tokyo University.
訳)カイは東大に入ることに憧れている。

 

理想・尊敬に近い「憧れる」の英語表現

理想・尊敬に近い「憧れる」の英語表現

人に対して、憧れや尊敬の気持ちがあることを伝える場合に使う英語を紹介します。日本語としてもよく使われる ”respect” に近いニュアンスの表現です。

人格や能力を認めて褒める “admire”

”admire” は、特に人物や人格を尊敬・称賛するときに適した表現です。
他にも、絶景に惚れ惚れするときや、人に見惚れるときなどにも使われます。

Aさん
He admires someone who has traveled the world.
訳)彼は世界旅行をした人に憧れている。

Aさん
I admire Mike because of his ability.
訳)私はマイクの才能に憧れている。

Aさん
She admired the beautiful ocean from my balcony.
訳)彼女はベランダから見える美しい海に見惚れていた。

目上の人を尊敬する ”look up to“

”admire” よりカジュアルで口語的な表現が、”look up to“ です。
“Look up” の直訳は「上を見る」で、自分より上にいる人を見る=相手を高く評価していることを指します。
”admire” と同様に尊敬の意を表す英語ですが、“Look up to” には「見惚れる」という意味は含まないため注意しましょう。

Aさん
Tom looks up to his parents.
訳)トムは両親を尊敬している。

Aさん
My daughter looks up to her teacher who can speak foreign languages.
訳)娘は外国語を話せる先生に憧れている。

Aさん
I look up to the person who can speak up.
訳)しっかり発言できる人に憧れる。

夢や理想を表す ”role model” / ”ideal” / ”dream”

「憧れの人」や「憧れの存在」、「永遠の憧れ」など、夢や理想を表す場合は、”role model” ”ideal””dream” を使います。

Aさん
Mrs. Olivia is my role model.
訳)オリヴィアさんは私の憧れの人だ。

Aさん
Liam has been my ideal man for a long time.
訳)リアムは永遠の憧れの人よ。

Aさん
Sophia is my everlasting dream girl.
訳)ソフィアは、私の永遠の憧れの女性です。

 

よく使う「憧れる」の英語表現4選

よく使う「憧れる」の英語表現4選

「憧れる」を意味する英語でよく使われる表現を4つ紹介します。

「私は●●さんに憧れます」

Aさん
I totally admire him.
訳)私は本当に彼に憧れている。

Aさん
I admire those who have artistic jobs.
訳)芸術的な仕事をしている人には憧れる。

「憧れの●●はいますか?」

Aさん
Who do you admire?
訳)誰に憧れていますか?

”admire” には「恋人を愛でる」という意味もあり、文脈によっては通じないこともあるため使うときは注意しましょう。

 

Aさん
Who do you look up to?
訳)あなたは誰に憧れていますか?

尊敬する人は誰ですかというニュアンスで使える表現です。

 

Aさん
Who is your role model?
訳)憧れの人は誰ですか?

憧れの人=お手本にする人という意味で使われる一般的な言い方です。

 

Aさん
Who is the person of your dream?
訳)理想の人は誰ですか?

憧れの存在=理想の(好きな)異性と解釈して使う場合にぴったりの表現です。

 

「むかし●●に憧れていた」

「あなたに憧れていた」と伝える場合

Aさん
I was looking up to you.

Aさん
I was yearning for you.

 

長年憧れていたことを伝える場合

Aさん
My husband has been longing to travel the world since you were a child.
訳)夫は子どもの頃から世界を旅することに憧れていた。

Aさん
Harry has been longing to become an actor.
訳)ハリーは俳優に憧れていた。

 

”long-standing”を使った言い方

Aさん
Writing a book is my long-standing aspiration.
訳)本を書くことは私の長年の願望なの。

Aさん
Her long-standing wish is to travel the world.
訳)彼女は長い間、世界を旅することに憧れている。

 

「●●業界に憧れています」

Aさん
My goal is to someday work in the wedding industry.
訳)私の目標は、いつかブライダル業界で働くこと。

Aさん
His dream is to work in the music industry.
訳)彼の夢は、音楽業界で働くこと。

Aさん
I want to work in the film business in Hollywood in the future.
訳)将来ハリウッドの映画業界で働くことに憧れている。

憧れの「業界」=将来の夢という意味で、将来なりたい職業や目指している業界を表現することができます。「業界」は、英語で ”Industry” です。よりカジュアルな言い方として ”business” を使うときもあります。

 

まとめ

「憧れる」を意味するさまざまな英語と正しい使い分け方を紹介しました。

英語では、憧れの対象によって表現の仕方が異なります。

物事や場所に対しては、 ”long for〜” ”I’ve always wanted to〜”

人に対しては、“admire”  ”look up to“

”role model” ”ideal” ”dream” も、憧れを表す英語としてよく出てくるので覚えておくと役立ちます。

「憧れる」を表す英語のいろいろな表現を正しく使い分けて、ネイティブの感覚を身につけていきましょう!