今回のテーマは「男」です。
ひとくちに男といっても、英語にはいろいろな表現があります。未成年の少年か成人した男性か、社会的な意味での男か生物学的な男か、これらによって適切な表現を使い分ける必要があります。
この記事では、男を表す5種類の単語を取り上げ、それぞれの意味やニュアンスの違いを詳しく説明していきます。また、日本でよく言う「雨男」「晴れ男」を英語で何と言うかについても説明しているので、ぜひ参考にしてください。
それでは、早速始めていきましょう!
「男」は英語で何て言う?
「男」を表す英語表現は “man”、”gentleman”、”guy”、”boy”、”male” の5種類です。
とはいえ、ひとくちに「男」といっても、それぞれに表す意味やニュアンスが異なります。場面ごとに適切な表現を使い分けられるよう、1つずつ詳しく確認していきましょう。
「男」を表す英単語①:man
「男」という意味で最も一般的な英単語は “man” です。発音記号は「mˈæn」、「マン」というカタカナ発音で十分通じます。男の中でも、主に大人の「男の人」を表す際に使われます。
man は複数形に要注意。普通に考えると mans となりそうですが、正しくは men です。日本でも、男性ものを指して「メンズ(men’s)」と言うので、聞き覚えがある人も多いのではないでしょうか。
man はもともと、男性も女性も問わず「人間(human)」全般を表す単語だったと言われています。それがある日から、男性は man、女性は woman(一説には wife + man とも)と性別で分けるようになったそうです。
ちなみに、man と human はどちらも -man を含んでいるため、語源的な繋がりがありそうですが、man はゲルマン語由来、human はラテン語由来なので他人の空似なようです。不思議なものですね。
You’re a man!
訳)あなたは男性!
You’re a woman!
訳)あなたは女性!
上述のように、man はもともと人間一般を指していたことから、salesman(セールスマン)など、一部の職業を表す際にも使われます。ただし、ジェンダーフリーの観点から、近年は man の代わりに person や representative を付けるようになってきています。
salesman = salesperson = sales representative
I’m a sales representative.
訳)私はセールスマン(営業職)です。
ちなみに、日本でよく言う「サラリーマン(salaryman)」は、完全な和製英語。そのため、海外では通じないので注意が必要です。
海外でサラリーマンと同等の意味を表したい場合は、office worker や company employee などが適切でしょう。
「男」を表す英単語②:gentleman
“gentleman” は、フォーマルな場面で「男」を表す際に使われる表現です。女性の場合は lady となり、両方合わせて “ladies and gentlemen(紳士淑女諸君)” という表現が有名ですね。
gentleman は見ての通り、男を表す man に gentle がくっついた単語です。gentle は「優しい、穏やかな」といった意味なので、直訳すると「優しい男性」となります。日本語では「紳士」が語感としては近いでしょう。パーティなどの社交場でピッタリな表現ですが、少し気取った印象になるので、日常的に使うことは少ないです。
You’re a gentleman.
訳)あなたって紳士ね。
What’s up?
訳)どうした急に?
ちなみに、gentleman の発音記号は「dʒénṭlmən」、カタカナ発音の「ジェントルマン」で十分通じます。
「男」を表す英単語③:guy
“guy” は、カジュアルに「男」を表す際によく使われる表現です。読み方は「ガイ」、日本でも「タフガイ(tough guy)」「ナイスガイ(nice guy)」などで有名ですね。
He is a tough guy.
訳)彼はタフガイ(根性のある男)です。
guy の語源は意外と新しく16世紀ごろ。当時イギリスで起こった火薬陰謀事件の首謀者 “Guido Fawkes(グイド・フォークス)” のニックネーム “ガイ(Guy)” に由来しています。
イギリス貴族院の地下に火薬を仕込んだことで、この事件は当時大きな話題となり、「事件を起こした例のやつ」というニュアンスで guy が広く使われたようです。
以上の経緯からもわかる通り、guy は口語的でスラングに近い表現です。そのため、日常会話ではOKですが、公的な場面で使ったり文章に書いたりするには適していません。
ちなみに、複数形の guys は男女関係無く、複数人の集まりを表すことができます。日本語の感覚だと「奴ら」が近いでしょう。
Hey, guys!
訳)ねえ、みんな!
「男」を表す英単語④:boy
“boy” は「男の子、少年」を表す表現です。本来は18歳未満の子どもを指しますが、友達や家族などの親しい関係性であれば、大人の男性に使うこともできます。その場合は特に “my boy” の形で使うことが多いです。
My boy, come here!
訳)ねえキミ、こっち来てよ!
また、boy は「おー!」「うわ!」などの驚きや感動、興奮などを表す間投詞としての役割もあります。この場合、特に男の子という意味は無く、あらゆる対象に使うことができます。Wow や Oh my god の仲間ですね。
Boy, I forgot my wallet…
訳)うわー、財布忘れた…。
余談ですが、なぜか女の子を表す girl には、このような間投詞としての用法がありません。英語の七不思議の1つです。
「男」を表す英単語⑤:male
“male” は生物学的に男(オス)であることを表します。発音記号は「méɪl」、カタカナだと「メイル」です。ちなみに、生物学的な女(メス)は “female(フィーメイル)”と言います。
man や gentleman、guy などが、社会的な性別(gender)としての男性を指す一方、male は生物学的な性別(sex)として男、つまりオスであることを表します。そのため、日常生活では、性別を強調すべき特殊な状況を除き、あまり多く使われません。
ただし、パスポートなどでは生物学的な性別が重要となるため、”SEX: MALE(性別:男)” などと記載されます。
I’m a woman socially, but male biologically.
訳)私は社会的には女性ですが、生物学的には男性です。
「雨男」「晴れ男」は英語で何て言う?
日本では、その人が来るとよく雨が降る場合「雨男」、反対にいつも晴れる場合は「晴れ男」と言いますよね。
「雨男」を英語で表現する場合は、”rain bringer”、「晴れ男」の場合は “sun bringer” と言います。
直訳すると「雨(晴れ)を持ってくる人」という意味。なんだかオシャレに響きますね。
どちらの場合も男女の区別無く使えるので、「雨女」「晴れ女」でもOKです。
You’re a rain bringer.
訳)あなたは雨男だよね。
And you ‘re a sun bringer.
訳)そして君は晴れ女だね。
また、〇〇 bringer と言う以外に、以下のように文で表現することも可能です。
My father always brings rain clouds.
訳)私の父は雨男です(いつも雨雲を連れてきます)。
It’s always sunny when my brother is around.
訳)私の兄は晴れ男です(彼が周囲にいると、いつも晴れています)。
まとめ
今回は、「男」を表す英語表現について確認してきました。
男を表す英語表現は “man”、”gentleman”、”guy”、”boy”、”male” の5種類。それぞれにニュアンスが異なる表現なので、今回ご紹介したことを参考に、場面に合わせて的確なものを使い分けていきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!