「許す」という言葉は普段の会話でもよく出てくる言葉の一つですよね。

ただ、「許す」という言葉には幅広い意味があるのが特徴です。
たとえば、過ちや罪を許す、大目にみる、容認する、謝罪を受け入れるなどさまざまなシチュエーションに「許す」が使えますよね。

しかし、英語で「許す」を表現する場合、“どのようなニュアンスの許すなのか”によって単語の使い分けが必要です。

そこで今回は「許す」の英語表現を10個ピックアップし、それぞれの違いを解説していきます。場面にとって適切な表現の使い分けができるよう、ぜひ最後までご覧ください。

「許す」は英語で?押さえておきたい英語表現10選

forgive

「許す」を和英辞書で調べてみると、多くの単語がでてきます。しかし、どの単語も日本語訳が「許す」となっており、どのように使い分けるべきか分からなくなってしまいますよね。

ただ、「許す」という訳は同じでも、厳密には単語ごとにニュアンスが異なります。

ここでは、「許す」の英語表現を10個についてそれぞれの違いを解説します。

forgive

「許す」の代表的な英単語といえばforgiveです。
forgiveは「許す」「大目にみる」という意味があり、人の過ちや間違いを広い心で許すというニュアンスがあります。

ちなみに、forgiveの過去形は「forgave」、過去分詞は「forgiven」と不規則に変化するので注意しましょう。

Aさん
Please forgive me.
わたしを許してください。
Aさん
Have you forgiven him?
彼のことは許したの?
Bさん
I’ve already entirely forgiven him.
わたしはすでに彼のことをすべて許しました。

excuse

excuseはforgiveほど大きな問題ではない「許す」に使う表現です。マナー違反やルール違反など、軽い罪に対して使われる印象があります。

Aさん
You should excuse his rude manner. He is only a child.
あなたは彼の失礼な態度を許してあげるべきです。彼はまだ子供です。

pardon

excuseはforgiveよりもフォーマルな印象のある「許す」の表現がpardonです。pardonは「許し」「勘弁」「容赦」といった意味があり、上の立場の人が「許してやる」というシーンで使われます。

ただし、アメリカでは「pardon?=もう一度言ってもらえますか」という意味でも使われるので覚えておきましょう。

Aさん
Pardon my being late.
遅れたことを許してください。

overlook

過ちに対して寛大な心で厳しく追及しない様子を「大目にみる」と言いますよね。「大目にみる」は「許す」という意味の中に、「厳しくとがめない」という対応が含まれているのがポイントです。

そんな「大目にみる」は英語でoverlookと言います。ただ、overlookは「見渡す」「見落とす」といった意味もあるので、どのような意味合いで使われているのかきちんと判断するようにしましょう。

Aさん
I want you to overlook small mistakes about that because I’m still a beginner.
わたしはまだ初心者なので、それについての小さなミスが多めに見てほしいです。

allow

人が何か行動をする際、邪魔をせずに自由にさせておくという意味の「許す」にはallowを使います。たとえば、スマートフォンを持つことを許す、会議室を使うのを許すといったシーンで使われる表現です。

「allow+人+to+動詞」=「人に~することを許す」という意味になるので、フレーズとして覚えておきましょう。

Aさん
I allowed him to use my room.
わたしは彼が自分の部屋を使うこと許しました。

permit

permit はallowと同じように、何か行動をする際、邪魔をせずに自由にさせておくという意味の「許す」を表現できます。

ただ、allowは個人間のやりとりで用いられますが、permitは企業や組織などの規則、ルールに従って決定をするというフォーマルな印象があります。

Aさん
The visitors are permitted to take photographs in this stadium.
このスタジアムでは、観客が写真を撮ることが許可されています。
Aさん
No one can’t enter the building without a permit.
許可なしでは誰も建物の中に入れません。

admit

admitもpermitと同様、「許可」というニュアンスを含む「許す」を表現できます。ただその中でもadmitは「“入ることを”許す」というシーンにのみ使われる表現です。

たとえば、「家の中に入ることを許される」にはadmitを使います。

Aさん
She admitted me into the house.
彼女はわたしを家に入れてくれました。(入ることを許してもらえました)
Aさん
He was admitted to university.
彼は大学への入学を許可されました。

approve

approveは「~をよいと認める」「~に賛成する」という意味で、「approve of」というフレーズは「容認する」「賛同する」という意味になります。

Aさん
I approve of that.
わたしはそれを認めます。
Aさん
I don’t approve of the project.
わたしはそのプロジェクトに賛同しません。

accept

acceptは「受け入れる」「認める」といった意味の動詞ですが、相手の謝罪を受け入れる際は「許す」というニュアンスで使われます。

「相手の謝罪を受け入れる=許す」と解釈できますよね。

Aさん
Your apology accepted.
許します。(あなたの謝罪を受け入れます)

compromise

「許す」という表現を使う際、双方が歩み寄り、妥協して納得するというニュアンスを含む場合はありますよね。

そのようなシーンではcompromiseという単語を使います。compromiseは「妥協」「和解」「歩み寄り」という意味があり、お互いが納得できるポイントを見つけて許し合ったというニュアンスを表現できます。

Aさん
I cannot compromise.
わたしは妥協できません。(許せません)
Aさん
So, this is a point of compromise.
なので、ここが妥協点ですね。

まとめ

まとめ

いかがでしょうか。

今回は「許す」の英語表現について解説しました。

一言で「許す」といっても、英語ではたくさんの表現があるので、シーンに応じて使い分けが必要です。

たとえば、何らかの行為に対して許可をもらうときはallowを使いますが、そこで「Please forgive me.(許してください。)」と言ってしまうと「何か悪いことをしたのかな?」と思われてしまうかもしれません。

スムーズなコミュニケーションを取るためにも、単語の意味を覚えるだけでなくニュアンスの違いを覚えておくことが大切です。

今回の記事を参考に「許す」の英語表現を使い分けて、会話をしてみてくださいね。