婦人、お嬢さん、女史、奥様などなど、日本語には女性や女の子を表す表現がたくさんあります。しかし、それは日本語の専売特許ではありません。英語においても、「女」を表す表現はたくさんあるんです。
ということで、今回のテーマは「女」です。
ひとくちに「女」と言っても、女性なのか女の子なのか、既婚か未婚かなどで呼び方が異なります。この記事では、それぞれの意味やニュアンスの違いを詳しく解説していきます。
それでは、早速始めていきましょう!
「女」は英語で何て言う?
「女」を表す英単語は “woman”、”lady”、”girl”、”female” の4種類です。
それぞれに表す意味やニュアンスが異なるので、場面ごとに使い分ける必要があります。それでは、1つずつ詳しく確認していきましょう。
「女」を表す英単語①:woman
「女」という意味で最も幅広く使われるのは “woman” です。発音記号は「wˈʊmən」、カタカナで言うと「ウーマン」となります。
woman は、男性を表す “man” の対義語です。-man の部分が共通しているのでわかりやすいですね。
ちなみに、woman も man も、表すのは「人間(human)」の性別です。そのため、人間以外の動物の雌雄を指す際には使われません。woman が表すのは「人間としての女性」という意味であり、文化的・社会的な性別を指すということです。
また、woman は複数形の綴りと発音に注意です。woman の複数形は womans になると思いきや、正しくは “women” となります。man の複数形が men であることと同じ理屈です。そして、women の発音記号は「wímɪn」、「ウーメン」ではなく「ウィメン」と読みます。
I’m a woman!
訳)私は女!
I’m a man!
訳)僕は男!
「女」を表す英単語②:lady
“lady” はフォーマルな場面で女性を表す際に使われる表現。発音記号は「léɪdi」、日本語だと「レディ」と言うことが多いですが、厳密には「レイディ」の方が近いです。
lady は複数形だと “ladies” になります。”ladies and gentlemen” という表現が有名ですね。パーティなどの社交場で特にピッタリな言い方です。
また、lady は女性に呼びかける表現としても使われます。道端で知らない女性に話しかける際に “Hey, lady.” と言ったり、知らない女性を指して “that lady” と言ったりします。
ちなみに、日本では女性服のことを「レディース」と言いますが、海外では ladies’ よりも women’s の方が一般的です。ladies は「フォーマルな女性服」というニュアンスなので、デパートなどのハイソな婦人服売り場のようなイメージになります。
「女」を表す英単語③:girl
“girl” は「女の子、女子」を表す表現です。厳密には(辞書的には)18歳未満の女の子を指しますが、口語では大人の女性を指して使われることもあります。日本でも年齢問わずに「女子会」などと言いますが、それと同じイメージですね。
ちなみに、発音記号は「gˈɚːl」で、日本語同様「ガール」と発音すれば通じます。余談ですが、日本でよく言う「ギャル」は、girl を崩した俗語 “gal” が由来です。
ただし、男性が女性を girl と呼ぶと、関係性によってはセクハラや性差別っぽい響きを帯びることもあるので注意が必要です。親しい間柄以外では、明らかな未成年以外は girl と呼ばない方がよいでしょう。
「女」を表す英単語④:female
“female” は、生物学的な女、つまり「雌(メス)」であることを表す表現です。そのため、人間に限らず、幅広く生物全般の性別を表す際に使われます。発音記号は「fíːmeɪl」、カタカナだと「フィーメイル」が近いです。
woman や lady が振る舞いなどを含めた女性(ジェンダーとしての女性)を指すのに対し、female は直接的な性を表します。そのため、日常生活で使うことはほとんどありません。
ただし、パスポートや住民票などの公文書では、性別を表す際に female が使われます。公的な証明には生物学的な性別が必要ということですね。
I’m a woman, but not female.
訳)私は社会的には女性ですが、生物学的には女性ではありません。
I see.
訳)そうなんだ。
ミスとミセスは何が違う?女性を表す敬称の違い
敬称とは、人の名前に添えて敬意を表す言葉のこと。日本語で言うと「~様」「~さん」などが当てはまります。
英語には、女性を表す敬称として 「Mrs.」「Miss」「Ms.」の3種類が存在します。
それぞれの使い分けを詳しく確認していきましょう。
「女性」を表す敬称①:Mrs.
Mrs. は、既婚の女性を指して使われる敬称です。発音記号は「mìsɪz」、日本では「ミセス」と表記されがちですが、厳密には「ミシーズ」が近いでしょう。
Mrs. の語末にある「.」はピリオドではなく、U.S.A. などでも使われる短縮表記を表す記号です。Mrs. を短縮せずに表記すると “mistress(女主人、奥様)” となります。
英語では相手のことをファーストネーム(下の名前)で呼ぶことが一般的ですが、Mrs. などの敬称を付ける場合は、ファミリーネーム(苗字)で呼ぶのが通例です。
I saw Mrs. Brown yesterday.
訳)昨日ブラウンさん(奥さん)に会いました。
「女性」を表す敬称②:Miss
Miss は、未婚の女性を指して使われる敬称です。発音記号は「mís」なので、そのまま「ミス」と言えば伝わります。
Miss はもともと、まだ結婚するには早い時期である女性を指して使われていました。そのため、日本語の感覚だと「お嬢さん」が近いです。
ただし、昔と比べて、現在では結婚する年齢がさまざまであり、そもそも結婚しない女性も増えてきていることから、Miss を使う機会が少なくなってきています。
「女性」を表す敬称③:Ms.
Ms. は、既婚か未婚かを問わず女性全般に使える敬称です。「ミズ」と発音します。
Ms. はMrs. と Miss を合成して生まれた言葉で、”Mrs. & Miss” の短縮を表します。そのため、語末には短縮を表す「.」が付いています。
先述の通り、現代社会では結婚しているか否かは年齢や見た目ではわかりません。その結果、Mrs. や Miss を使うことが減り、あらゆる女性に対して Ms. で代用することが多くなっています。
番外編:ma’am
相手が結婚しているか否かだけでなく、名前すらもわからない、そんなときに便利なのが ma’am という表現です。
ma’am は既婚未婚問わず、単体で女性に呼びかける際に使うことができます。Sir の女性版と言ってもよいでしょう。
Hey, ma’am.
訳)ちょっと奥さん(お嬢さん)。
まとめ
今回は、「女」を表す英語表現について確認していきました。
女を表す英単語は woman、lady、girl、female の4種類。大人か子どもか、文化的(社会的)か生物学的かの違いによって、適切な表現が異なります。
また、女性の名前に付ける敬称には「Mrs.」「Miss」「Ms.」の3種類があります。既婚女性は Mrs. 、未婚女性は Miss が本来ですが、最近では両者問わず Ms. を使うのが一般的です。
今回ご紹介したことを参考に、英語でも女性を適切に呼び分けていきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!