世の中すべてが白黒でキッパリ割り切れるわけではなく、その多くがグレーな状態で留まっています…。いきなり何故こんな話をしたかというと、今回のテーマが「グレー」だから。
この記事では、グレーを英語で何と言うか、そしてグレーにまつわる英語表現は何なのかについて、詳しく確認していきます。
gray と grey という綴りの違いについても詳しく説明しているので、その点が気になってモヤモヤしていた人は、ぜひ参考にしてください。
それでは、早速始めていきましょう!
「グレー(灰色)」は英語で何て言う?
英語で「グレー(灰色)」を表す際は、そのまま “gray(grey)” を使います。発音も日本で馴染みにある「グレー」のままでOKです。
gray(grey)の語源を遡ると、ゲルマン語で「光る、輝く」を意味する言葉に行き着きます。言われてみれば、グレーに輝きを加えると銀色っぽく見えますよね。輝きの無い gold が yellow、輝きの無い silver が gray(grey)といったイメージなのでしょう。
gray と grey は何が違う?
ここまでカッコで表してきた通り、英語のグレーの綴りは gray と grey の2種類が存在します。自分で正しいと思っていたのと違う方を見かけて、ドキッとした経験はありませんか。
結論としては、gray と grey に特に違いはありません。どちらの発音も「gréɪ(グレー)」であり、表す意味も灰色で共通しています。
ただ、強いて違いを挙げるとすれば、grey がイギリス英語、gray がアメリカ英語で使われることが多いようです。しかし、現在では両国でもランダムに使われているようなので、実際気にするほどの違いではありません。
とはいえ、ずっと gray(grey)の記載では読みにくいので、ここから先は gray の方を基本として記載していきます。日本はアメリカ英語の影響が強いので、迷う場合は gray を使っておけば間違いありません。
「薄いグレー」「濃いグレー」はどう表す?
多くの色は “light 〇〇” で薄い色を、”dark 〇〇” で濃い色を表しますが、gray の場合も薄い灰色は “light gray(ライトグレー)” と言うのが一般的です。
しかし、濃い灰色の場合は “dark gray(ダークグレー)” と言うよりも “charcoal gray(チャコールグレー)” の方がよく使われます。
charcoal とは木を燃やして作った「木炭(もくたん)」のこと。そのため、一般的にイメージされる灰色よりも黒に近い色合いを表します。
グレーに関連する英語表現をマスターしよう
白と黒の中間色である gray は、色そのままのイメージから、少々比喩的なイメージに至るまで、さまざまな英語表現で使われます。その使用用途の広さは、日本語の「灰色」という表現以上かもしれません。
ここでは、そんな gray の表す色世界を理解するため、いくつかの有名な表現を確認していきましょう。
「白髪」in English
年齢を重ねると頭髪に増えてくる「白髪(しらが、はくはつ)」は、英語では “gray hair(グレーヘアー)” と表現します。
「白なのに、何でグレー?」と思うかもしれませんが、その理由は白髪の割合に関係しています。全体が黒い中の一部に白い毛が混ざっていくので、全体として見れば、黒と白の中間色であるグレーに見えますよね。
そのため、完全に真っ白な髪の毛をしている場合や、1本1本の白髪を指す場合は “white hair” と言うこともあります。
I’m nervous because I’ve got more gray hair.
訳)白髪が増えてきたから不安なんだよね。
Why not bleach your all hair? White hair is cool.
訳)じゃあ髪を全部脱色しちゃえば?真っ白な髪ってかっこいいよ。
「グレーゾーン」in English
日本語では、正しいかどうか判断に迷うものを「グレーゾーン」と呼びますが、英語の場合も “gray zone(グレーゾーン)”、または “gray area(グレーエリア)” で同様の意味を表すことができます。日本語のイメージと同じく、実際の場所から概念まで幅広く表現可能です。
ただ、そのままだと何がグレーなのかわからない可能性があるので、法的にグレーだったら “gray zone in law”、倫理的にグレーだったら “gray zone in ethics” などと、具体的な判断基準を添えると親切です。
The man took many disposable chopsticks right now.
訳)あの人、今割り箸たくさん持って行ったね。
Oh my god. The self checkout system in convenience stores have gray zone in law and ethics.
訳)なんてこった。コンビニのセルフレジって、法的にも倫理的にもグレーゾーンを抱えてるな。
「アールグレー」in English
紅茶の種類に「アールグレー」というものがありますが、これを英語で表すと “Earl Grey” となります。
ここまで、gray と grey は同じ意味だと説明してきましたが、アールグレーを表す場合は、”Earl Gray” と表記するのは間違いなので注意です。このように、もともと表記が決まっているものの場合は、gray か grey どちらが正しいのかを見極める必要があります。
ちなみに、Earl Grey の Earl は「伯爵」という意味。一説によると、かつて中国に渡ったグレー伯爵がイギリスに持ち帰った紅茶がアールグレーの由来になったそう。イギリス人の名前だから、イギリス英語の Grey が使われているんですね。
What kind of tea do you like?
訳)どんな紅茶が好きですか?
I like Earl Grey the best.
訳)僕はアールグレーが一番好きです。
「宇宙人」in English
宇宙人のことを “Gray” と言うことがあります。
宇宙人を表す英語としては “alien(エイリアン)” の方が一般的ですが、目が大きくて二足歩行の灰色タイプのものは、特に Gray、または Gray alienと呼び分けられます。名前の由来は体表の色でしょうね。表記は Gray と Grey の両方が併存しています。
はてさて、宇宙人は本当にいるのか。いないんだとしたら、なぜ身体の色を不自然なグレーと決めたのか。謎(ロマン)は尽きないですね。
Do you believe in aliens?
訳)宇宙人って信じてる?
Not at all. But I saw a gray person yesterday.
訳)全然。でも、昨日灰色の人を見たよ。
For real? He must be a Gray alien!
訳)マジ?それ絶対グレー型宇宙人だよ!
まとめ
今回は、「グレー」について詳しく確認してきました。
英語には gray と grey の2種類の表記がありますが、両方とも同じグレーを表します。意味も発音も同じなので、好きな方を使ってOKですが、迷ったらアメリカ式の gray にしておくと間違いありません。
今回ご紹介したことを参考に、身の回りにある色々なグレーを英語でも表現していきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!