病院に行ったことがないという人は、おそらくほとんどいないでしょう。頻繁に行くことはないものの、いざという時には必要になる病院。特に海外にいる時に病院が必要になったら、不安に思う人もいるのではないでしょうか。
そんな時に備えて、英語で病院についての会話ができるようにしておくと、万が一のときにも安心です。
そこでこの記事では、英語で病院の話ができるように、病院に関する英語表現や英語圏での病院の通い方についてご紹介します。
「病院」は英語でなんと言う?
まず「病院」を英語でなんと言うかを考えてみましょう。おそらく多くの人が「hospital」と思っているのではないでしょうか。これは、厳密に言えば正解なのですが、日本語の感覚で「病院=hospital」と思っていると、誤解を招いてしまうかもしれません。
日本語の日常会話で「病院」という場合、街の小さなお医者さんであっても、大病院であっても「病院」と言い表すことが多いでしょう。厳密には日本語でもすべての医療機関を「病院」とするわけではありません。しかし、会話の中ではその厳密なところは気にせず「病院」と言っていますよね。
一方、英語の場合はその規模や役割によって、言い方をきっちり分けています。
英語で「病院」を指す代表的な単語は以下の2つ。
- hospital
- clinic
ここからは、この2つの違いについて簡単にご説明します。
Hospitalとは?
「Hospital」とは、日本語で言う大病院を指します。入院や手術ができる施設があり、医師も看護師も複数いるような医療機関ですね。
ですから、日本語で「病院に行ってくる」と言う感覚で「I’m going to a hospital.」と言うと、大病院に行くような病気や怪我でもしたのかと心配されてしまうかもしれません。
Clinicとは?
「Clinic」を日本語ひとことで表すのは難しいのですが、入院施設などのない街のお医者さん的な医療機関が「clinic」を名乗っていることもあります。
総合病院ではなく、特定の診療科に特化した小規模の病院と言うとニュアンスが近いかもしれません。また、hospitalの一部である場合もあります。
ただ、英語では「クリニックに行く」という言い方はしません。小規模の医療機関に行く場合は、「I’m going to see a doctor.」という言い方をします。
直訳だと「お医者さんに会いに行く」となるので、ちょっと不思議な感じがするかもしれませんが、誰もが使っている表現ですから、覚えておきましょう。
英語圏で役立つ!病院に関する知識
英語圏で病院に行く場合、日本とは異なる部分もあります。そこで、英語圏で病院に行く際に知っておくと良い知識についてもまとめました。
英語圏での病院の通い方
日本では何か症状があれば、まずはかかりつけ医、または近くにある適した診療科の医療機関に行きます。そこで対処できないことであれば、大病院へと紹介されるでしょう。
この流れは英語圏でも同じ。ちなみにイギリスではかかりつけ医のことを「GP(General Practitioner)」と呼びます。誰かが「I’m going to see a doctor.」と言っていれば、それはこのGPに行って診察してもらうことを指しています。
その上で必要な場合は、大病院を紹介してもらうという流れは日本と同様です。
小規模の医療機関を「病院(hospital)」と言うことがない以外は、割と日本と似ているんですね。
救急車は有料?
事故に遭ってしまったり、怪我をしたり、急病で倒れたりしたときには英語圏でも救急車を呼び、直接大病院へと運ばれます。
日本では救急車は無料ですが、海外では救急車が有料になる国が多いです。
英語圏のほとんどの国で救急車が有料。無料なのは、イギリスくらいでしょう。物価が高いと言われるイギリスですが、救急車が無料なのは驚きですね。
日本人が海外に行く場合は、海外旅行保険に加入していることがほとんどですから、救急車の値段について心配することはないかと思います。しかし現地に長期滞在する人は、各種健康保険への加入をおすすめします。
病院にはそれほど行かない
日本人は割と気軽に病院に行く人が多いかと思います。風邪を引いたり、どこかが痛んだりすれば、すぐ病院に行くと言う人もいるでしょう。
しかし、英語圏の国々ではそれほど病院(かかりつけ医)には行きません。風邪を引いたりどこかが痛むなら、ドラッグストアの薬剤師に症状を話して、適した薬を紹介してもらいます。
ちなみにアメリカではコロナワクチンの接種がドラッグストアで可能です。
病院で使える英語表現
では、ここからは自分の症状を説明するための英語表現をご紹介します。こちらを覚えておけば、海外で病院に行くことになった時にも、しっかり自分の症状を伝えることができるでしょう。
症状を説明する
英語で自分の症状を伝える時には、「have」という動詞を使って下記のように言い表します。
頭が痛いです。
この「I have」で始まるフレーズは、さまざまな症状に使えます。下記に「I have」の後にくっつけて使える表現をリストアップしてみました。
- a cough(咳)
- a sore throat(喉の痛み・炎症)
- a fever / high temperature(熱)
- diarrhoea(下痢)
- a runny nose(鼻水)
- a stomachache(胃痛・腹痛)
- a muscle-ache(筋肉痛)
また、下記のように「feel」という動詞もよく使われます。
めまいがします。
「I feel」を使った表現についても、リストにしてみました。
- sick(具合が悪い・吐きそう)
- chilly(寒気がする)
- heavy(だるい)
このあたりを応用すれば、大体の症状は説明できるでしょう。
診療科の英語表現
日本語でなら、どの診療科が必要なのか言い表せても、英語だと難しいという人もいるはずです。
そこで、英語で診療科を言い表すための表現もリストアップしました。
- internal medicine(内科)
- physician(内科医)
- dermatology(皮膚科)
- dermatologist(皮膚科医)
- orthopaedics(整形外科)
- orthopedist(整形外科医)
- cardiology(循環器科)
- psychosomatic medicine(心療内科)
- urology(泌尿器科)
- obstetrics(産科)
- gynaecology(婦人科)
- ObGyn(産婦人科)
「Medicine」という単語が使われているものがありますが、「medicine」には薬という意味だけではなく、医学という意味もあります。
また、〇〇科医という言い方が診療科によってかなりばらつきがあります。参考のためにいくつか掲載していますが、患者目線ではすべて「doctor」で統一して問題ありません。
万が一にそなえて病院で使う表現を覚えておこう!
できれば病院には行きたくないものですが、病気をしたり怪我をしたりすれば、誰もが病院のお世話になるでしょう。そして、病院のお世話になる時というのは、しっかり意思の疎通ができることが大切です。
今回ご紹介した英語表現を参考にして、病院で自分の症状を説明できるフレーズを用意しておけば、適した処置をしてもらえるでしょう。
特に海外に行く予定がある人や、身の回りが英語環境だという人は、万一に備えて病院で使うフレーズを準備しておいてくださいね。