“appropriate”は「適切な」「ふさわしい」という意味で、主に形容詞として使われる英単語です。

しかし実は「横取りする」「私物化する」など、動詞として使われることもあるのです。

本記事では“appropriate”の形容詞、動詞としての意味や使い方や類似表現を例文付きで詳しく解説します

“appropriate”の意味を確認するためにこの記事を見つけた方は、”appropriate”に動詞としての意味があることを初めて知ったかもしれませんね。

ぜひ最後まで読んで、”appropriate”を使いこなせるようになってください。

“appropriate”の意味

"appropriate"の意味

“appropriate”には以下形容詞、動詞の意味があります。

  • 適切な、ふさわしい(形容詞)
  • 横取りする、私物化する、横領する(動詞)
  • (金銭などを)充当する、使用する(動詞)

“appropriate”は形容詞と動詞では発音が異なるので注意が必要です。

  • 形容詞の発音:əpróʊpriət カタカナで表すのは難しいですが、語尾がプリァットという感じです。
  • 動詞の発音:əpróʊprièɪt 語尾はプリエイトのような発音です。

適切な、ふさわしい(形容詞)

“appropriate”には形容詞で「適切な」「ふさわしい」という意味があります。

特定の人・条件・場所などに行動や服装などがふさわしいという意味で使われます。

形容詞「適切な」「ふさわしい」の意味での使い方を見てみましょう。

  • film appropriate for children under 12:12歳未満の子供に適切な映画
  • appropriate attire for a wedding:結婚式にふさわしい服装
  • salary appropriate to his experience:彼の経験に見合った賃金

誰に、何に適しているか続ける前置詞は”to”か”for”を使います。

例文をいくつか紹介します。

Aさん
This textbook is appropriate for an advanced-level student.
訳)この教科書は、上級者レベルの学生に適しています。

 

Aさん
It is appropriate that you should contact the lawyer.
訳)弁護士に会った方がいいですよ。

Aさん
It would not be appropriate for me to talk about that issue now.
訳)その問題を今話すのは適切ではないでしょう。

形容詞”appropriate”の反意語は”inappropriate”ですので、上記の例文をIt would be inappropriate for me to talk about that issue now.」のように言い換えることができます。

横取りする、私物化する、横領する(動詞)

“appropriate”には動詞で「横取りする」「私物化する」「横領する」という意味があります

“appropriate”の語幹”ap”は「〜へ向かう」という意味で、”prop”は「所有」を意味します。よって「所有に向かう」→「横取りする」「私物化する」という意味になるのです。

では「横取りする」「私物化する」「横領する」の意味での使い方を見てみましょう。

  • appropriate her idea:彼女のアイディアを無断で使用する
  • appropriate the company’s money:会社の金を横領する

例文を紹介します。

Aさん
She is suspected of appropriating government funds.
訳)彼女は政府の資金を横領した疑いがもたれています。

Aさん
They appropriated my land illegally.
訳)彼らは不法に私の土地を自分たちのものにしました。

(金銭などを)充当する、使用する(動詞)

“appropriate”には動詞で何かのために金銭などを「充当する」「使用する」という意味があります。

「充当する」「使用する」という意味での使い方は以下のとおりです。

  • appropriate money for the research:資金を研究のために配分する
  • appropriate tax money for the establishment of a high school:税金を高校新設に充当する

例文を紹介します。

Aさん
Parliament appropriated three million pounds for flood control.
訳)議会は水害対策費に 300 万ポンドを充てました。

Aさん
The company appropriated a huge amount of money for research and development.
訳)その会社は研究開発に多額の資金をつぎ込みました。

“appropriate”の似た英語表現の意味や使い方

"appropriate"の似た英語表現の意味や使い方

“appropriate”に似た英語表現の以下2つの意味や使い方について解説します。

  • ”suitable”
  • “adequate”

それぞれ例文付きで詳しく見ていきましょう。

”suitable”

suitable”も「適している」「ふさわしい」という意味を持つ形容詞です。

人や道具の性質、人格、などがある目的に対して「合っている」という意味になります。

例文を見てみましょう。

Aさん
I found a suitable place for his birthday party.
訳)彼の誕生パーティーにぴったりの場所を見つけました。

“adequate”

adequate”は”「十分だ」「ちょうどいい」という意味を持つ形容詞です。

「適している」の意味もありますが、”appropriate”とは少しニュアンスが異なります。

adequate”はある目的や必要性に対し、「量や質がちょうどいい、適している」という意味で、「量」を重視しています。

例文を見てみましょう。

Aさん
I took adequate food and water for the hike.
訳)ハイキングに十分な食料と水を持って行きました。

“appropriately”の派生語

“appropriately”の派生語

“appropriate”の派生語を以下2つ紹介します。

  • “appropriately”(副詞)
  • “appropriation”(名詞)

“appropriately”(副詞)

appropriately”は「ふさわしく」「適切に」という意味の副詞です。

以下のように使われます。

  • dress appropriately:ふさわしい服装をする
  • deal appropriately:適切に対応する

“appropriation”(名詞)

“appropriation”は名詞で「(お金などの)充当」と「盗用」の2つの意味があります。

以下のように使われます。

  • appropriation for defense:国防費
  • cultural appropriation:文化の盗用

まとめ

“appropriate”の意味と使い方を解説しました。

形容詞の「適切な」という意味を知っている人は多いですが、動詞「横取りする」「充当する」は上級者でも知らないこともある用法です。

ここで覚えた意味を忘れないようにするためには、ご自分でも”appropriate”を使って文を作ってみてください。

また“appropriate”をネイティブがどのように使っているのかを英字新聞などで検索してみると、さらに記憶に残り”appropriate”の意味が頭に定着しますよ