スキニーパンツが流行ったことで、日本でもスキニーという言葉が一般的に使われるようになりましたね。

スキニーパンツの美しいシルエットのイメージから、人の体型を褒める際にもスキニーと言いたくなりますが、ちょっとストップ。英語だと、スキニーってどういうニュアンスか知ってますか?

ということで、今回のテーマは「スキニー」です。英語でのスキニーのイメージから、痩せていることを表すその他の表現まで、幅広く確認していきます。

これを読めば、英語でも誤解を生まないように「痩せている」を表現できるようになりますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

 

「スキニー」は英語でどういう意味?

細身のズボンである「スキニーパンツ」の流行以来、日本でも定着したスキニーという言葉は、英語でもそのまま “skinny” と言います。発音記号は「skíni」なので、日本語と同じ「スキニー」の発音で充分通じます。

skinny =ガリガリ?

しかし、skinny はパンツの細さを表すぶんには問題ない一方、人に対して使うと「ガリガリに痩せている」というネガティブな意味になるので注意です

skinny の語源は見た目の通り、「皮、肌」を表す skin(スキン)。そのため、skinny は皮しかない、つまり肉のない痩せこけた様子を表すのが本来のイメージです。

褒め言葉として使ってしまうと、かえって相手に不快感を与える可能性が高いので、くれぐれも注意しましょう。

Aさん
Oh, you are so skinny!
訳)うわ、めちゃくちゃガリガリだね!(※褒めてるつもり)
Bさん
I’m shocked!
訳)ショック!

 

「痩せている」という意味の英語表現を比較してみよう

「痩せている」という意味の英語表現を比較してみよう

上述のように、skinny はネガティブなイメージの言葉なので、人が痩せていることを表す(特に褒める)には適していません。では、英語で痩せた人をポジティブに表すためには、どうすれば良いのでしょうか。

ということで、ここからは英語で人が痩せている様子を表す言葉を確認していきます。それぞれにニュアンスが異なるので、シチュエーションに応じて使い分けられるようにしていきましょう。

「痩せている」①:slim

人が痩せていることを表す際、最も使い勝手が良いのは “slim” という単語です発音記号は「slím」、カタカナだと「スリム」となります。日本でもカタカナ英語として定着しているので、聞き馴染みのある人も多いのではないでしょうか。

slim のイメージは「スッキリとした細さ」。体型を slim と形容されて嬉しくない人はいないので、相手や場面を気にせず使うことができます。

以下の会話でも、skinny のときとBさんの反応が違うことがわかります。

Aさん
Oh, you’re so slim!
訳)うわ、めっちゃ細いね!
Bさん
Really? Thank you.
訳)本当?ありがとう。

 

また、slim は人間以外の細さ、薄さを表す際にも使われます。日本でも「スリムケース」「スリムウォレット」など「スリム〇〇」とよく言いますが、それと同じイメージで使ってOKです。

Aさん
I want a slim container to put cables in.
訳)ケーブルを入れるスリムケースが欲しいです。

「痩せている」②:slender

slim と同じく、人が痩せていることを褒める際に使いやすいのが “slender” です発音記号は「sléndɚ」、カタカナだと「スレンダー」となります。スリムと同様に日本でもよく使われる単語ですね。

slim が単純に細いことだけを表したのに対し、slender は「細くてスタイルが良い」ことを表す傾向にあります。そのため、主に女性に対する誉め言葉として使われることが多いです。

以下の会話でも、Bさんがちょっと戸惑っているのがわかるかと思います。

Aさん
Oh, you are so slender!
訳)うわ、めっちゃ細くてスタイル抜群だね!
Bさん
Really? Me? I’m blushing.
訳)本当?僕が?なんだか照れるな。

 

ただし、slender を物の形容に使うのはちょっと注意。スタイルの良さが含まれる表現なので、相性によってはちょっと不自然な表現になってしまいます。

そのため、単純に物が細い(薄い)ことを表したいなら、前述の slim を使う方が無難です。

Aさん
I want to buy a slender eraser.
訳)細くてスタイリッシュな消しゴムを買いたいんだ。
Bさん
What shops sell such a thing?
訳)そんなのどこで売ってんの

 

「痩せている」③:thin

褒めるつもりがなく、単純に細いことだけを表したいなら “thin” が適切です発音記号は「θín」、カタカナだと「シン」となります。think と同じく「シ」の発音が難しいので注意しましょう。

thin が表すのは「客観的な細さ、薄さ」です。そのため、人の体型を表す際に使うと、平均的な体型よりは痩せているという事実のみを表します。褒めるニュアンスは特に無いので、ポジティブに表したい場合は上述の slim や slender を使うようにしましょう。

以下の会話でも、Bさんの反応が冷めているのがわかると思います。

Aさん
You are thin.
訳)君は痩せているね。
Bさん
I know.
訳)そうだね。

 

客観的な細さ、薄さを表すことから、thin は人の体型よりも物を形容する際に使われることが多いです。ちなみに、thin の対義語は thick(シック)と言います。

Aさん
This book is thin, but that one is thick.
訳)この本は薄くて、あの本は分厚いです。

smart ≠「痩せている」

日本では「痩せている」「細い」という意味で “smart(スマート)” と言うことがありますが、これは完全な誤用です。smart は「賢い」という意味であり、形を形容するニュアンスは一切ありません。

以下の例文でも、AさんとBさんの会話が噛み合っていませんね。

Aさん
Oh, you are so smart!
訳)うわ、あなたって賢いのね!
Bさん
Thank you! But why do you think so?
訳)ありがとう!でも、何でそう思うの?

 

Aさん
That’s because you wear such a skinny pants.
訳)だってそんなに細いパンツ履いてるじゃん。
Bさん
Hah? What relationship are there between the skinniness of my pants and my ability?
訳)は?パンツの細さと僕の能力に何の関係があるの?

 

「細い」という意味でスマートを使うのは、完全な和製英語。英語の smart は「賢い」という意味でしか使われないので、くれぐれも注意しましょう。

まとめ

今回は、「スキニー」をメインテーマにしつつ、「痩せている」を表す英語表現について詳しく確認していきました。

skinny は人が痩せていることに使うと、「ガリガリに痩せている」というネガティブな意味になってしまいます。そのため、他人の体型を褒める際は slim や slender を使う方が適切です。

今回ご紹介したことを参考に、誤解を与えずに人の体型を表せるようにしていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!