英会話の技術を向上させるために欠かせないのは英単語の数です。種類も重要なポイントになり、幅広いジャンルの英単語を知っていれば、会話の幅もそれだけ広がります。
食べ物に関する英単語なども、会話では何かと使用しやすいですが、日本でも外国でも共通して人気がある食べ物は、特に使いやすい単語です。栗なども世界中で人気のある食べ物ですが、ここでは、栗に関する英単語のさまざまな表現について、詳しく紹介します。
栗の木や栗の果肉を意味する英単語
栗はイギリスやアメリカでも広く食べられている木の実です。栗はブナ科のクリ属に属する植物で、森林に自生しているもののほかに、産業用としても広い地域で栽培されています。
アジアが原産地のものと西欧が原産地のものは若干特徴が違いますが、どちらの栗のことも英単語では「chestnut」と言います。「chestnut」という単語は、栗の木になる木の実のことだけでなく、木の種類としての栗を指すときにも使用されています。
栗の木という意味で使いたい場合には「chestnut tree」と言った方がわかりやすいですが、「wood of chestnut」という言い方もあります。
栗の木に成熟する実のことを表現したいときには「chestnut」のほかに「chestnut fruit」という単語を使用することもできます。「chestnut」だけでも栗の実であることをわかってもらえる場合が多いですが、「chestnut fruit」と言った方が、より相手に伝わりやすくなります。
この場合のchestnut fruitとは、果肉の部分だけでなく、外側の殻の部分も含めたものを指すのが一般的です。果肉の部分だけを表現したい場合には「chestnut pulp」という英単語を使用できます。「pulp」には柔らかいものやどろどろとしたものという意味があり、紙を作るときの原料となるパルプの意味も持っている単語です。
栗のイガや栗の殻を意味する英単語
栗の英単語を覚える場合には、栗の細かい部分の名称も一通り知っておいた方が、会話もしやすくなります。栗の外側に生えているイガを意味する英単語もあり、英語では「chestnut bur」と言うことが多いです。「bur」とは栗などの植物に生えているイガを意味する単語ですが、イガが生えてくる植物そのものを指す場合に使われることもあります。
なお「bur」という単語には「付着して取りにくいもの」という意味もあり、そこから派生して「他人に迷惑をかけている人」という意味もある単語です。「burr」というスペルが使用されることもありますが、どちらもほとんど同じ意味です。
栗の果肉の外側についている殻の部分のことを、英語では「chestnut shell」と言います。栗の殻をむくことを英語では「peel chestnut」と表現します。「peel」は皮をむくという表現を使用したいときに広く使用できる動詞で、栗のような硬い殻だけでなく、果実の柔らかい皮をむく場合にも使用できます。
エビやカニなどの、硬い殻を持っている生物の殻をむく場合にも使用できる単語です。なお、殻をむき終わった状態の栗のことを、英語では「Peeled chestnut」と呼んでいます。日本では殻が取り除かれた状態でパッケージされた栗の実のお菓子も販売されていますが、こうしたお菓子を英語で表現したいときにも、「Peeled chestnut」という英単語を使用できます。
種類によっても異なる栗の英単語
栗にはさまざまな種類がありますが、栗の種類によっても英語の名称が異なっています。二名法で表現した栗の正式名称は「castanea crenata」ですが、二名法とは属名と種小名をつなげて名前を付ける方法です。「castanea」とはギリシャ語の栗が語源になっている言葉で、「crenata」円形で表面に鋭い凹凸があるという意味があります。
栗は日本や朝鮮半島が原産地であることから、「Japanese chestnut」や「Korean chestnut」という英単語が使用されることもあります。
栗の中には中国が原産地になっているものもありますが、中国産の栗は日本や朝鮮に自生しているものよりも、粒が小さいのが特徴です。日本産の栗よりも甘みが強いことも特徴で甘栗の材料として使用されることも多いです。中国原産の栗であることを表現したい場合には、「Chinese chestnut」と言えば、外国人にもわかってもらえます。
栗の中にはアメリカ大陸が原産地のものもあり、アメリカ合衆国の東部が原産地であるのがアメリカグリです。アメリカグリも食用として昔から採取されてきた木の実で、ネイティブアメリカンの貴重な食糧にもなっています。アメリカグリを英語で表現したい場合には「American Chestnut」という英単語を使用しますが、正式な学名は「Castanea dentata」です。近年ではアジアが原産地の栗と、西洋が原産地の栗を交配した品種も多く開発されています。
甘栗を英語で表現したい場合
栗のことについて英語で会話をしたい場合には、栗を使った料理に関する表現も知っておいた方が、会話の幅をさらに広げることができます。栗は日本でもさまざまな料理に使用されていますが、特に種類が多いのがお菓子です。その中でも昔から人気があるのが甘栗です。
殻がついた状態のままの栗の実を鉄板で加熱するだけの簡単な料理ですが、栗の甘みをストレートに引き出すことができる調理法として、多くの人に親しまれています。甘栗を英語で表現したい場合に使用できるのは、「roasted chestnut」という英単語です。複数の甘栗を一緒の袋に入れて販売している商品の場合には「roasted chestnuts」と複数形にした方が、正確な意味になります。
「roasted chestnuts」だけだと、栗が過熱して甘くなっているということが外国人に伝わりにくい場合もあるので、甘いということを強調したい場合には「sweet roasted chestnuts」と言ったほうが、味のイメージもしやすくなります。
なお、甘栗には粒が小さい中国産の栗が使用されることも多いですが、「sweet roasted Chinese chestnuts」という英単語で表現することも可能です。日本では甘栗のことを「天津甘栗」ということも多いですが、中国で収穫された栗が天津の港から輸出されたことが、名前の由来になっています。天津甘栗という日本語を正確に英語で表したい場合には、「Tianjin sweet roasted chestnuts」という表現を使用できます。
他の栗料理を英語で表現する場合
日本では、甘栗以外にもさまざまなお菓子に栗が使用されています。西洋菓子にも栗は広く使われていますが、日本でも昔から人気があるお菓子として有名なのがモンブランです。スポンジケーキの上に栗を裏ごしして作ったクリームを乗せるのが特徴のケーキですが、高く盛り付けられたクリームがアルプス山脈のモンブランに似ていることから、名前がつけられています。
モンブランの語源はフランス語ですが、ケーキのモンブランを英語で表現したい場合には、「Mont Blanc」という英単語を使用するのが一般的です。アルプス山脈のモンブランを表現したいときにも「Mont Blanc」という単語を使用できますが、同じつづりの単語でも、使用する文脈に応じて正しく単語を使い分ければ、相手に意味を正確に理解してもらえます。
日本ではお菓子以外でも、栗が料理の材料として使用されることがありますが、その中でも特に人気が高いのが栗ごはんです。栗の実を甘く煮詰めた甘露煮を使った栗ご飯も人気ですが、栗の実をそのまま使用したシンプルな味付けの栗ご飯も人気があります。栗ご飯を英会話で表現したい場合に使用できるのが「chestnut rice」という英単語です。
ただし、この英単語だと栗ご飯がどのような食べ物か外国人に伝わらない場合もあるので、より詳細に説明したい場合には、「chestnut mixed rice」という表現を使用することもできます。もち米を使って栗ご飯を作る場合には「栗おこわ」と呼ばれることもありますが、栗おこわの意味を英語で正確に伝えたい場合に使用できるのが、「chestnut mixed sticky rice」という表現です。
栗に関する英単語を覚えることで広げられる会話の幅
栗に関連した英語の表現をまとめて紹介してきましたが、栗は日本でも外国でもよく食べられている食べ物であることから、会話の話題にも使用しやすいのが魅力です。各部の名称も知っておけば、さらに会話がしやすくなりますが、イガや殻にもそれぞれ対応する英単語があります。栗を使用した料理も英語で表現できるようになれば、さらに会話の幅は広がりますが、栗以外の食べ物もぜひ自分で研究して、英会話の上達に励んでください。