みなさんは、”craft”という英語を聞いて、どのような意味を思い浮かべますか?
「ハンドクラフト」や「クラフトビール」など、カタカナでは聞いたことがある方も多いでしょう。
身近で聞き慣れた英語”craft”ですが、実際に会話で出てきたら「あれ?なんていう意味だったっけ?」と、戸惑ってしまうのではないでしょうか。
今回は、知っているようで知らない英語”craft”について、名詞と動詞の使い方、似た意味を持つ”skill”との違いも解説していきます。
”craft”の意味
”craft”は、ものを作る際に必要な「技能」や「技術」に関する意味を持つ単語です。
名詞と動詞の2つの用法があるので、文脈によって適切な使い分けが必要になります。
(名詞の前について形容詞として使われる場合もあります)
辞書では以下のように定義されています。
- skill and experience, especially in relation to making objects; a job or activity that needs skill and experience, or something produced using skill and experience
特に物を作ることに関連した技能と経験。技能と経験を必要とする仕事や活動、または技能と経験を使って生産されるもの- to make something using a special skill, especially with your hands
特に手を使いながら特別な能力を用いて何かを作る
名詞と動詞2つの用法を持つ”craft”ですが、どちらも「手を使ってものを作るための技能または技術」という意味合いが共通しています。
名詞では「技能」や「技術」のほか、小型の「船舶」や「飛行機」を意味します。
なお、「手の込んだ巧妙さ」という意味から転じて、比喩的に「策略」や「悪知恵」を指すこともありますよ。
動詞では、「丹念に作る」や「作り込む」など、職人やその道に長けた人が仕事として、ものづくりをすると覚えておくと良いでしょう。
”craft”を含む英語表現
”craft”を含むいろいろな英語表現を紹介します。
「ハンドクラフト」や「クラフトビール」など、カタカナで聞き慣れた表現もあるので、一緒に覚えて、いざというときにパッと答えられるようにしておきましょう。
craft beer
”craft beer”は、比較的小規模な醸造所で製造工程やレシピにこだわって作られたビールのことです。
高品質で独特の風味を持つ「クラフトビール」は、種類も多く、世界中から愛されています。
papercraft
”papercraft”は、ケント紙やボール紙など、厚みのある紙を切ったり折ったりして作る立体的な作品およびそれを完成させるための技法のことです。
日本語では「紙細工」や、カタカナでそのまま「ペーパークラフト」とも呼ばれます。
craft store
”craft store”は、工芸品や手芸品を販売しているお店のことです。
手芸や工芸に必要な材料やキット、道具などが取り揃えてあり、ワークショップや教室などを開催しているお店もあります。
craft fair
”craft fair”は、完成した工芸品や手芸品を展示・販売するイベントのことです。
カタカナでそのまま「ハンドメイドフェア」または「ハンドメイド展」とも呼ばれます。
craftsmanship
”craftsmanship”は、「ものづくり職人」の技術や技巧を意味する英語です。
熟練した職人が持つ技術や、手間を惜しまずに丹精込めるさまを指して使われます。
Minecraft
”Minecraft”は、2011年にリリースされた、通称「マイクラ」と呼ばれる人気ゲームです。
3Dブロックで構成された仮想空間で、「冒険」「採掘」「牧畜」「建設」を創造するブロックゲームとして多くの人々から愛され親しまれています。
”craft”を使った例文
”craft”を使った例文を名詞と動詞の2つの用法に分けて紹介します。
カタカナでもなじみがある名詞としての使い方だけでなく、動詞のはたらきもあることをしっかりおさえておきましょう。
【名詞】技術、技巧、工芸品、船舶
訳)この展示会では、さまざま種類の伝統的工芸品が展示されていました。
訳)彼らは何年もかけて機織りの技術を学んでいきます。
訳)漁師は大変苦労しながら、自分の小さな船を岩礁に近づけました。
【動詞】精巧に作る、念入りに細工する、巧みに編み出す
訳)彼女はわたしに、美しく細工された銀のブローチをくれました。
訳)作者は入念に練られたすべてのシーンから最大限のものを引き出しました。
訳)たとえそれが下手あっても、いつだってよく作り込まれていたバレエでした。
”craft”と”skill”の違い
”craft”と似た意味を持つ単語に”skill”があります。
2つとも「技術」や「技能」を表す英語としてよく使われるため、どちらを使えばいいか迷ってしまいますよね。
”skill”は辞書で以下のように定義されており、訓練や経験に基づき、仕事として生かせるような専門的な能力を指しています。
a particular ability that you develop through training and experience and that is useful in a job
訓練や経験を通じて身に付けた、仕事に役立つ特別な能力
”craft”と”skill”は、どちらも「技能」や「技術」を意味する単語ですが、示す内容や範囲が異なります。
craft | 手を使った作業で、ものづくりを行う際に必要な特定の能力 |
skill | トレーニングや練習、訓練によって習得した専門知識・能力 |
”craft”が手作業で何かを作るための技能であるのに対し、”skill”は訓練や学習によって習得した技能を意味します。
”craft”は芸術的、創造的な文脈で用いられることが多いですが、”skill”はもっと一般的で、幅広い文脈での使用が可能です。
まとめ
知っているようで知らない英語”craft”について、名詞と動詞の意味と使い方、似た意味を持つ”skill”との違いを解説しました。
”craft”は、手を使って作りこんだ作品およびそれに必要な技術や技能を意味する英語です。
手作業をともなう職人技や熟練技などを指して名詞として用いられるだけでなく、「丹精込めて作る」「技巧を凝らして編み出す」といったように動詞のはたらきも持っています。
”craft”と意味の似ている”skill”は、より広義で使用頻度の高い単語です。
手作業や細工に求められるのが”craft”、学習や訓練で得られるのが”skill”と覚えておきましょう。
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