「便利」という日本語は、日常生活でもよく使う単語の一つです。「駅近の物件で便利」「最近はネットで何でも買えるから便利」「この商品はとても便利だ」など、多くの場面で使用されています。

このように、日本語では「便利」という単語のみで多くのシチュエーションに対応可能ですが、英語の場合は「便利」という訳せる単語がいくつかあります。そこで、シチュエーシ別に「便利」の英訳をご紹介します。

「自分にとって都合が良い」という時に使う「convenient」

「この物件は駅近なのでとても便利だ」という言い回しを、日本語の日常会話でもよく使います。そんな時に使える英語が、「convenient」。この単語は、「都合の良い、便利」という意味です。

コンビニエンスストアの由来ともなっている単語で、まさに「コンビニってとても便利だよね」といったような使い方にピッタリな表現。日常生活でも使やすい単語のひとつと言えます。しかし、この表現を使う時に、忘れてはいけないとても重要なポイントがあります。

それは、「convenient」は「時間や物、場所などが自分にとって都合が良い」という場合にしか使えないというところ。つまり、人を主語にしてこの単語を使うことは出来ません。

人を主語にして使ってしまうと、「自分にとってあなたは都合の良い人」といったニュアンスになってしまったり、相手が「モノ扱いされている」と感じてしまうような非常に失礼な表現となりますので、注意しましょう。

Aさん
Our office is convenient to the station.
私たちの会社は駅に近くて便利だ。

Aさん
If it is convenient for you,I would like to call you tommorow.
もしあなたのご都合が宜しければ、明日電話致します。

Aさん
Sunday is convenient.
日曜日は都合が良いよ。

「有用な」といったニュアンスを含む「useful」

「有用な」といったニュアンスを含む「useful」

「最近はネットショッピングがあるからとても便利だよね」などといったときに使える英語が「useful」。直訳すると「有用な、有益な、役に立つ」という意味を持つ単語で、それらの意味から派生して「便利」という意味でも使われるようになりました。

役に立つ=便利」ということです。この単語は、主に何かの目的を達成すために役立つものについて述べるときに使われます。先の例で言うと、「何か欲しいものがあって、それを購入するためにネットショッピングが役に立つ」ということですから、「useful」が使われます。

ちなみに、この単語は物理的な物や道具などに限らず、知識や情報、誰かからの援助などにも使うことが出来ます。

ちなみに、基本的に「useful」は「convenient」と同じように人に対して使うとネガティブな印象を与えてしまうので、注意が必要です。

ただし、「有能な」という意味合いで「useful」が使われる場合もあります。また、時間や物に対して使うことは出来ないということもポイントです。

Aさん
The Internet shopping is very useful.
インターネットショッピングはとても便利だね。

Aさん
This book is very useful.
この本はとても役に立つ

Aさん
She is useful member of the firm.
彼女は会社の有能な社員です。

人に対しても使える「helphul」

「useful」と同じよう意味を持つため、場合によっては「useful」と置き換えて使われることもある「helpful」。

しかし、「helpful」は人に対して使うことが出来る表現です。「helpful」の「help」には「助ける」という意味があり、そこから「自分にとって役に立つ」という時に使われるようになりました。

そのため、多くは誰かが役に立った、といったシチュエーションで使われます。誰かからアドバイスをもらったり、手助けしてもらった場合などがその例です。「この人のおかげで助かった=便利」というニュアンスが含まれているため、感謝を表すときにも使われる表現の一つです。人に対して使うことが出来るので、日常会話でもとても役立つ英語表現です。

Aさん
Thanks for your helpful advice.
役に立つアドバイスに感謝します。

Aさん
She is very helpful.
彼女はとても役に立つよ。

Aさん
It’s very helpful.
とても勉強になります。

機能的な便利さを表す「functional」

「この鞄にはポケットがたくさんついていて便利」などのように、何かに対して機能的な便利さを表現したいときに使える英語が「functional」です。これは、主に物などに対して使われる表現で、「機能上の、役に立つ」という意味を持ちます。

「機能面で役に立つ=便利」ということです。物に対する便利さを表現するという点では「useful」でも置き換え可能です。ただ、機能面での便利さや有用さを強調して伝えたい場合には、「functional」を使った方がこちらの意図が伝わりやすいでしょう。

Aさん
The bag is very functional.
このバッグはとても便利なんだ。

Aさん
They wearing functional clothes.
彼ら機能的な服を着ている。

実用的な便利さを表現する「practical」

「practical」 は、「実用的な、実際的な」という意味を持つ英語です。そこから、「実用的な場面で役に立つ=便利」というニュアンスを表現する際に使われます。

現実の即した場面や実践的な場面などで使われ、日常生活からビジネスまでさまざまなシーンで活用可能です。「practical」 は形容詞で、道具や計画、何かに関する計画などにも使われます。

Aさん
This is practical advice.
これは実用的なアドバイスだ。

Aさん
His idea is practical.
彼の考えは実用的だ。

気軽な便利さを表現するなら「handy」

手を表す「hand」という英語から派生した「handy」。これは、簡単に手に入れられたり、気軽に使えるような便利さを表すときにぴったりの英語表現です。「便利な」という日本語訳の他にも、「手ごろな、扱いやすい」といった訳し方が可能です。

全体的に身近で親しみやすいイメージのある単語と言えるでしょう。気軽に使えて便利なものを指すときに使うことが多いです。また、人に対して使う場合もありますが、その場合は「便利」といったニュアンスではなく、「スキルがある、器用な」という意味合いが含まれています。

ちなみに、日本語でもよく使われている「ハンディークリーナー」などから、「小型の、携帯しやすい」という意味を持っているイメージがありますが、これは英語の持つ「handy」とは少し異なるので、注意が必要です。

Aさん
This is a handy tool.
これは便利な道具だ。

Aさん
He is very handy.
彼は本当に器用な人だよ。

Aさん
That comes in handy.
あれは便利だ。

近づきやすさや手に入れやすさを示す「accessible」

「立地が良い」「ウェブサイトにアクセスしやすい」というような、場所や物に対しての近づきやすさ、手に入れすさなどを表したいときに使える英語が、「accessible」です。

「立地が良い、アクセスしやすい=便利」といったニュアンスになります。「accessible」にはこの他にも、「親しみやすい、価格が手頃」という意味もあり、主語に人をとることもできます。日常生活でも気軽に使えるフレーズなので覚えておくと役に立つでしょう。

Aさん
an accessible location
好立地

Aさん
This city is easily accessible by train.
この市には電車で簡単に行けるよ。

Aさん
She is accessible to everybody.
彼女は誰とでも近づける。(彼女は親しみやすい)

「便利」を最も簡単に伝えるなら「easy」

「簡単な」という意味を持つ「easy」は、日本人にも馴染みのある単語です。そして、とても使い勝手の良い単語で、日常生活の中も使用頻度の高い英語と言えます。

そんな「easy」は、「簡単で便利」「使いやすくて便利」「行きやすくて便利」というような表現をしたいときにも使うことができます。「accessible」や「handy」と近いニュアンスの英語で、これらの代わりに使用することも可能です。

単語そのもの難しくないので、困ったときや「accessible」などの単語が思い出せなかったとき、簡単な英会話などの場面で使えます。覚えていると役に立つフレーズの一つです。ただし、この英語も人を主語にしてしまうと失礼になることがあります。

Aさん
This PC is easy to carry.
このPCは持ち運びに便利だ。

Aさん
This airport is easy access to the bus stop.
この空港はバス停に行きやすい。

「便利」だけでもたくさんの表現方法がある

日本語では一言で表せる「便利」という単語も、英語に訳すとたくさんの表現方法があります。同じ「便利」でも、何に対して使うのか、どのような場面で使えて、どのようなときには使えないのか、相手やシーンによって使い分けが必要です。単語一つ取っても日本語との違いは顕著であり、そのような部分が英語の奥深さであり面白い所だと言えるでしょう。