たわいもない日常会話から、プレゼンでのスピーチや集団でのディスカッションまで、わたしたちは日々何かしらの言語を使って話していますよね。
当たり前のようにしている「話す」という行為を、英語では何と言うのでしょうか?

日本語の「話す」は、シチュエーションによっていろいろな単語に置き換えられます。
英語には「話す」の表現がいくつもあるので、文脈や状況に応じて正しく使い分ける必要があるのです。
今回は、そんな「話す」を表す4つの英語 speak, say, talk, tell の意味と使い方を解説していきます。

 聞き手を必要とせず、一方的に「話す」”speak”

 聞き手を必要とせず、一方的に「話す」speak

“speak”は、聞き手を必要とせず、自分1人で一方的に「話す」という意味の英語です。

  • to say words, to use the voice, or to have a conversation with someone
    言葉を発すること、声を使うこと、誰かと会話をすること
  • to (be able to) talk in a language
    ある言語で話せること
  • to give a formal talk to a group of people
    大勢の人の前で正式な講演をすること

参考:Cambridge 英語辞書

声に出して言語を話す、という発話行為に焦点が当てられているため、話し相手の有無は問いません。
聞き手がいたとしても、話し手との間には距離があり、対話を想定していないのが”speak”です。
“speaking test”や”speaker”などをイメージしてもらえれば、”speak”が一方通行の話す行為であることがわかりますね。

例文で確認していきましょう。

Aさん
My father speaks German and English.
訳)父はドイツ語と英語を話します。
Aさん
Could you speak more slowly, please?
訳)もう少しゆっくり話してくれますか?
Aさん
I need to speak to you all now.
訳)今、みんなに話したいことがあります。
Aさん
The President spoke at the rally in New York.
訳)大統領がニューヨークで開かれた集会で演説しました。
Aさん
Let’s stop speaking Japanese and practice our English.
訳)日本語を話すのはやめて、英語を練習しましょう。

 

聞き手を必要とせず、意見や考えを「話す」”say”

“say”は、聞き手を必要とせず、意見や考えを「話す」という意味を表す英語です。
単に声に出して発話する”speak”と違い、”say”は話す内容に焦点が置かれ、誰かが言ったこと、話したことが重要になります。

英英辞書では以下のように定義されており、自分の意見を述べたり提案したりすることを表しているとわかります。

to pronounce words or sounds, to express a thought, opinion, or suggestion, or to state a fact or instruction
言葉や音を発音し、考えや意見、提案を述べたり事実や指示を述べたりすること

参考:Cambridge 英語辞書

例文を見てみましょう。

Aさん
I will say whatever you want me to say.
訳)言って欲しいことがあれば何でもお話しします。
Aさん
You should think more carefully before you say it.
訳)もっと慎重に考えてから話すべきです。
Aさん
My grandfather said that she had been poor when she was a child.
訳)祖父は「子どもの頃貧しかった」と話していました。
Aさん
I didn’t say a word afterward and he didn’t say anything to me.
訳)その後、わたしは一言も話さなかったし、彼も何も言ってきませんでした。

 

“say”は人以外のニュースや新聞なども主語にできます。
その場合、「〜によれば」「〜と書かれている」などと訳すと自然な日本語になりますよ。

Aさん
The signboard said you can’t swim here.
訳)看板に、「ここでは遊泳禁止」と書いてありました。
Aさん
The newspaper says the middle-aged man is the criminal.
訳)新聞によれば、その中年男性が犯人だと書かれています。

 

聞き手と一緒に何かについて「話す」”talk”

聞き手と一緒に何かについて「話す」talk

“talk”は、聞き手と一緒に何かについて「話す」ことを意味する英語です。
日本語でも「ガールズトーク」や「トーク番組」のように、誰かと会話することを表すときに使うのでわかりやすいですね。
“talk”は、日本語の「話す」の意味に最も近い単語といえるでしょう。

  • to say words aloud; to speak to someone
    大きく声に出すこと、誰かに話しかけること
  • to discuss something with someone, often to try to find a solution to a disagreement
    誰かと何かを話し合うこと、意見の相違に対して解決策を見つけようとすること

参考:Cambridge 英語辞書

英英辞書にも、相手と言葉のキャッチボールをしながら話したり、意見の相違について議論したりすると書かれていますね。
話し相手がいるのが前提で、誰か(もしくは複数人)と「話す」「喋る」「話し合う」ことを意味しています。

例文で使い方を確認してみましょう。

Aさん
What are you talking about?
訳)何の話をしているんですか?
Aさん
We don’t need to talk about that on the phone.
訳)そんなこと電話で話す必要はありません。
Aさん
I want to talk to my husband about the child’s education.
訳)子どもの教育について夫と話し合いたいです。
Aさん
She was talking very happily with her boyfriend.
訳)彼女は、ボーイフレンドととても楽しそうに話していました。
Aさん
It’s fun to talk about the kiss-and-tell story with friends at night.
訳)夜、友達と恋バナをすると盛り上がります。

 

 

聞き手に情報や要件を「話す」”tell”

聞き手に情報や要件を「話す」tell

“tell”は、聞き手に情報や要件を「話す」ことを表した英語です。
日本語の「伝える」「知らせる」に意味が近く、”talk”と同じで聞き手がいないと成立しない単語です。

英英辞書でも“giving them information or instructions”と定義されているように、話し相手に対して求められた情報や説明を伝達することが重要で、話す行為そのものより話す内容に焦点が置かれています。

to say something to someone, often giving them information or instructions
誰かに何かを言うこと、情報や指示を与えること

参考:Cambridge 英語辞書

“tell”の後には必ず「人」が続き、下記のような使い方をするのが一般的です。

  • tell A B / tell A about B =「AにBを話す」
  • tell A to do =「Aに〜するように話す」

例文を紹介していきます。

Aさん
Please tell me the details.
訳)詳しく話をお聞かせください。
Aさん
My grandmother often tells me the story.
訳)祖母はよくわたしにその話をしてくれます。
Aさん
I’m going to tell Lucas about the origin of cricket.
訳)ルーカスにクリケットの起源について話すつもりです。
Aさん
He told me about his plan to go to New York.
訳)彼はわたしにニューヨークに行く計画を話してくれました。
Aさん
I shouldn’t have told him my password.
訳)彼にパスワードを話すべきではありませんでした。

 

まとめ

「話す」を表す4つの英語 speak, say, talk, tell の意味と使い方を解説しました。

おもに言語の発話を意味する”speak”と、言ったことをそのまま表現するときに使う”say”は、どちらも聞き手を必要としない一方通行の話す行為を表します。
対して相手との会話がメインの”talk”と、情報の伝達を目的とする”tell”は、ともに聞き手ありきの英単語です。

日本語では「話す」という一語でも、英語には、聞き手の有無や話す内容によって適した単語があることを覚えておきましょう。
今回紹介した4つは非常によく使われる単語なので、それぞれの意味としっかり理解し、状況に応じて正しく使えるようになるといいですね。

おすすめ関連記事: